東京・多摩地域で水道水源の井戸水が発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS)で汚染されている問題で、住民の血液検査を実施している市民団体が15日、27市町村に住む551人分の結果を公表した。井戸の取水を停止した浄水施設がある国分寺や立川など7市の住民で血中のPFAS濃度が高い傾向にあり、専門家は「飲み水に使ってきた水道水が主な原因」とみている。(松島京太)
7市の住民(303人)の結果によると、PFASの代表的物質であるPFOSとPFOAなど血中の4種の合計値の平均で、最も高かったのは国分寺市の住民で血液1ミリリットル当たり44.9ナノグラムだった。7市の住民の平均は29.3ナノグラムで、全国平均8.7ナノグラム(環境省の2021年度調査)と比べると約3.4倍高かった。
7市と同じく検査の参加者が10人を超えた9市町(222人)の住民の平均は血液1ミリリットル当たり17.7ナノグラム(全国平均の約2倍)と、明確な差が出た。
都水道局は19年以降、国分寺など7市の浄水施設で、PFASによる汚染が確認された井戸34カ所の取水を停止している。
分析を担当した京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)は「PFASを水道水によって摂取していたとする仮説がより確かになった」と指摘。「井戸の取水を停止したことで血中濃度が減っていくかどう...
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