雑誌専門図書館「大宅壮一 文庫」(東京都世田谷区)が1億4000万円を投じ、ホームページ(HP)から利用できる記事検索システムを大規模にリニューアルした。最大の特徴である「索引」のデータベース(DB)を大幅に拡充し、スマートフォン用の画面も見やすく一新。雑誌文化の衰退に歯止めがかからず、来場者の減少で文庫の存続も危ぶまれる中、思い切った投資で苦境の脱却を図りたい考えだ。(原田遼)
大宅壮一と文庫 大宅壮一(1900〜70年)は戦後日本を代表する評論家で、「一億総白痴化」「恐妻」など多くの造語を生み出した。文庫は大宅の死後、約20万冊の蔵書を広く利用してもらおうと、遺族らが東京都世田谷区八幡山にあった書斎を改装し、71年に日本初の雑誌専門図書館として設立された。現在は公益財団法人が、入館料や寄付金などで運営している。入館料は一般500円。開館時間は午前11時〜午後6時(閲覧受け付けは午後5時15分まで)。日祝日、年末年始休館。索引料金は表記1件ごとに20円。郵送やファクスによる記事コピーの取り寄せもできる。
文庫は1971年、前年に亡くなった評論家の大宅壮一が集めた雑誌コレクションなどを基に創設された。ジャーナリストの故・立花隆氏が74年に発表した「田中角栄研究」の執筆時、膨大な雑誌記事を活用したことで広く知られるようになった。
索引は「大宅式分類法」と呼ばれる独自の手法で、人名や事件、出来事などで分類され、キーワードでたどっていくと、記事がどの雑誌に載っているのか...
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