偽造マイナンバーカードを使ったとみられる手口でスマートフォンの乗っ取り被害が相次いでいる。今年4月中旬に被害に遭った東京都議の風間穣さん(51)が東京新聞の取材に当時の状況を語った。(高田みのり)
◆自治体議員だけに氏名や生年月日は公表情報
「やられた」。風間さんは直感した。いつも画面上に表示されているアンテナマークが全て消え、電話など電波の必要な操作が何もできない。駆け込んだ携帯ショップで調べてもらうと、予想どおり何者かに乗っ取られていた。
「僕を名乗る誰かが名古屋市内で機種変更手続きをして、携帯機能も情報も、全部そっちに移った」。店から本人確認はマイナカードの目視だったと聞いたが、自分のカードはずっと家にある。「免許証の偽造は知っていたが『マイナカードで来たか』と」。職業柄、氏名や生年月日といった個人情報を公表しており、偽造の際に悪用されたとみられる。スマホに入れていた決済アプリなどを悪用され、タクシー代などに計10万円余が使われた。
乗っ取りを行った人物が手続き時に記入した書類では、本人署名が「風間」ではなく「風門」と誤っていたが携帯会社の店舗で気付かれることはなかった。警察にも相談したが「今回のケースでは、携帯会社が詐欺の被害者」と言われ、被害届は出せていない。
◆「あんなに簡単に偽造できるものを…」
事案を受けて河野太郎デジタル相は今月10日、カードの真贋(しんがん)を見分ける方法は複数あると指摘。ICチップによる読み取りを促すなど再発防止とともに、「現場の本人確認がしっかりしていれば防げた」などと苦言を呈した。
風間さんは「携帯会社...
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