少数与党となった国会で、夫婦が結婚後に同姓にするか別姓にするかを選べる「選択的夫婦別姓制度」の導入に向けた機運が高まっている。立憲民主党は来年1月召集の通常国会への野党案の提出を目指し、賛成の立場の公明党は自民党に対して党内議論を進めるよう要請した。根強い反対派を抱える自民は党内の意見集約ができない中、石破茂首相が懸案にどう向き合うか、厳しい視線が注がれている。(坂田奈央)
◆自民、維新、参政党を除く主要政党が導入を公約
「今すぐ採決すれば(選択的夫婦別姓制度導入の民法改正案は)通る。皆で力を合わせていきたい」。立民の辻元清美参院議員は4日に国会内で開かれた同制度に関する超党派議員の勉強会でこう呼びかけた。
会合には自民を含む与野党7党の議員が出席。約30年前から導入を訴える自民の野田聖子衆院議員は「少数与党でイニシアチブは野党が握る。足の引っ張り合いではなく、これまでできなかったことの実現につなげたい」と応じた。
先の衆院選では自民と日本維新の会、参政党を除く主要政党が同制度の導入を公約に掲げた。これまで、主に野党から夫婦同姓を義務付ける民法の改正案が度々提出されたが、国会での審議、採決には至っていない。
辻元氏は3日の参院代表質問で「27年前から参院では15回、衆院では9回、改正案を提出した。しかし自民党は30年近く審議拒否を続けている」と批判。党議拘束を外して、国会で審議するよう求めた。
◆過去にあった反対意見「嫌なら結婚しなければいい」
9月の自民党総裁選時とは打って変わって賛同の立場を封印した首相は、来年1月の通常国会で結論を出すべきだと迫る野党議員などに「いつまでも引きずっていい話だとは思っていない」「責任政党として答えを出さなければならない」としつつも、時期を明言しなかった。首相周辺は「今の世の中の雰囲気でやればいいというのとは違う」と慎重な姿勢を崩さない。
自民は早期実現を目指す議員連盟(会長・浜田靖一衆院議員)が2021年に設立された一方で、強固な反対派もいる。1996年に法制審議会(法相の諮問機関)が同制度を盛り込んで答申した民法改正案も、保守系議員などの反対で法案提出に至らなかった。当時は...
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