年の瀬を迎え、忘年会などでにぎわう東京・歌舞伎町。高額な飲食代を請求される「ぼったくり」被害が絶えない国内有数の繁華街で、新しい犯行の手口が登場している。マッチングアプリで誘い出し来店させ、会計時には乱暴な言動を使わずに支払いをさせるなど巧妙化。今年は10月末までに約1億4000万円の被害が出ており、警視庁が警戒を呼びかけている。(西川正志)
◆アプリで知り合った女の子が「行きたいお店があるの」
「以前入れなかったお店に行きたい」。歌舞伎町で広がる新たな手口は、アプリで知り合った女からのこんな誘いから始まる。実際にアプリでやりとりしているのは、女性を装った犯行グループの男。待ち合わせに来る女は店の従業員で、グループの一員だ。
入店すると、店員はメニュー表を見せ「飲み放題は5000円」などと料金体系を丁寧に説明。女が「ゲームで負けた方が一気飲みしよう」などと提案し、大量の酒を注文するよう仕向ける。この時も店員は女に秘匿性の高い通信アプリで「そろそろ(アルコール度数の高い)ショットを頼むように」などと指示を送っている。
◆「飲み放題は5000円」と明示されていたのに
店員は頃合いを見計らい、大量注文した酒は「飲み放題メニューではない」などと告げ、数十万円の料金を請求する。
この手口は、従来のぼったくり被害に適用されてきた「東京都ぼったくり防止条例」をすり抜けてしまう。条例...
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