能登半島地震から1年間、前口憲幸・七尾支局長が書き続けた能登版のコラム欄には、2025年から現場の記者たちも加わります。「能登半島記者の取材日記」も、能登9市町を担当する記者たちがつづる「能登の今」をお届けします。
◆神様おねがい<1月5日>
いつもの道が通れません―。1年前のきょう、小欄の書き出しです。崩れた橋の向こうが見えないと、正月の青空があまりにきれいで切ないと、神様どうしてと題し、嘆きました。元日。支局近くの同じ場所、同じ角度で青空眺めます。段差は少しだけ埋まり、道は半分だけ通れます。復旧復興は順調か否か…それよりも、やまぬ地震活動を警戒する論が気になります。不平不満を言ったりしません。だからこれ以上はどうか許してほしいです。(前口憲幸)
◆この先も、ずっと<6日>
粛として声もなし。元日。午後4時10分。黙とう。追悼の鐘、厳かにゴォーン…と響きます。耳の奥に波紋です。地震で奪われた500余の魂を弔います。石川県七尾市の寺。住職が南無阿弥陀仏を唱えます。不意に促され、一歩前へ。丸太棒の縄を握ります。ゴォーン…再び波紋です。世はそろそろおせち並べる時間です。お年玉を用意して孫を迎える時間です。が、視線の先、...
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