約20年間無許可で営業していたことが問題になっている札幌市の動物園「ノースサファリサッポロ」を運営する「サクセス観光」(同市)が、休園中の富士花鳥園(静岡県富士宮市)の運営を譲渡され、再オープンを検討していることが「こちら特報部」の取材で分かった。違反発覚前から同社の動物の飼育や展示方法も問題視されており、花鳥園の周辺では不安の声が漏れる。(中川紘希)
◆飼育や展示方法で札幌市による再三の指導にも応じず
「普通のサファリでは満足できないあなたに、刺激とスリルをお届けします」。ノースサファリのホームページにはこんな宣伝文が躍る。来園者とみられる女性がトラのおりに入り、餌やりする様子の写真も。展示動物の近さや過激な企画で「日本一危険な動物園」とも呼ばれている。
2005年に開業したノースサファリだが、昨年、ガラス越しにアザラシが見えるコテージ宿泊を企画し「動物虐待だ」と批判された。今年2月には、建築などが制限される市街化調整区域で許可を得ずに飼育施設などを設置していたことが報道で発覚した。
札幌市から再三の指導を受けていたが応じず、飼育施設などは150棟以上に増えており、秋元克広市長は10日の会見で「長年状況が改善されず遺憾に思う」と述べた。SNSなどで批判が高まり、サクセス観光は12日、全ての建物を撤去する方針を表明した。
◆「動物をきちんと管理してくれるのか」
そのお騒がせな同社が取得したのが「富士花鳥園」だ。1993年に花のテーマパークとして開園。鳥や小動物との触れ合いエリアもあり、2008年に今の名称となった。だが、新型コロナウイルス禍で来場者が減ったことなどを受けて今年1月14日に休園。東京商工リサーチによると、園の運営会社が同23日、東京地裁から破産の開始決定を受けた。
サクセス観光の広報担当者は取材に、1月に花鳥園の事業譲渡を受けた...
残り 784/1567 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。