写真:たぐち ひろみ
地図を見る「スペーシア」は、東京・浅草から栃木県の東武日光と鬼怒川温泉までの区間を走る東武鉄道の特急列車100系の愛称です。ゆったり間隔をあけて並んだ回転式のリクライニングシート、お弁当や飲み物類の車内販売や売店など、充実した設備とサービスが目的地までの旅を快適にしてくれます。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るなかでも「スペーシア」最大の特徴は、列車最後部6号車に設けられた6つのコンパートメントです。6人は軽く収まりそうな広い客室に、定員はたったの大人4名。大理石のテーブル、真鍮風のドアノブ、ヘッドレストのある上質なシート、ゆったりアームレスト、カーペット敷きのフロア、空調や光調の設備など、デラックスな内装が特徴で、快適性をとことん重視した個室です。
入口のスライド式ドアを閉めれば、中は完全にプライベート空間。雑音がシャットアウトされ、自分たちだけの静かな時間が約束されます。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るヨーロッパを走る長距離列車では、もともと4人〜6人掛けのコンパートメントが一般的でした。最近徐々に減ってきてはいますが、今でも路線によっては健在です。残念ながら、このヨーロッパの伝統的客室が日本に普及することはなく、現在国内で個室を提供している鉄道路線はごくわずか。関東近辺では、この東武の「スペーシア」、東京〜伊豆を結ぶJR・伊豆急行の「スーパービュー踊り子」、そして小田急鉄道の「ロマンスカー」を数える程度です。
そんな貴重な列車コンパートメントのなかでも、東武鉄道の「スペーシア」は、客室の広さや設備のよさの割に設定料金が安いということから、利用客の間で特に人気を呼んでいます。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るさて、この「スペーシア」の個室、実は1人でも利用できることをご存知でしょうか? そうなのです。1人分の特急料金に1室分の個室料金さえ追加すれば、いつでも誰でもこのリッチな客室をひとり占めできてしまいます。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る個室利用の醍醐味は、かりそめの「セレブ感」あるいは「優越感」と呼べるような気分を味わえることでしょう。他人が入ることのできない空間を確保して、上質なシートに座って、ちょっと厚遇されてるような、そんな気分。飛行機でファーストクラスやビジネスクラスに乗った時と同じような感覚です。
違いは、この「スペーシア」なら、その優越感をわずかな追加料金で手にすることができる点。平日で3090円、土日で3700円という料金は、贅沢なランチを一度我慢すれば捻出できそうな金額ですよね?
写真:たぐち ひろみ
地図を見る東武の「特急スペーシア」は、東京・浅草駅を始発とし、北千住経由で東武日光と鬼怒川温泉まで運行しています。運行本数は、週末の日光行き「けごん」が7本、鬼怒川温泉行き「きぬ」が8本。平日は日光行き6本、鬼怒川温泉行き7本の運行となります。
写真:たぐち ひろみ
地図を見る所要時間は、浅草から東武日光までが1時間50分、鬼怒川温泉までが約2時間。地下鉄やJRから乗り継ぐ場合は北千住からの乗車が便利ですが、個室を存分に楽しみたいなら、あえて浅草発にすることをおすすめします。
ちなみに、JRも同じスペーシア車両を使用した特急「スペーシアきぬがわ」3本と「日光」1本を、新宿から鬼怒川温泉・日光まで毎日運行中です。
写真:たぐち ひろみ
地図を見るせっかくリッチな個室を確保したからには、目的地へ到着するまでの貴重な時間はなるべく「セレブ風」に演出したいもの。ちょっと豪華なお弁当やオードブルを持参して、ワインを味わいながら優雅に過ごすというのも気が利いてます。ビールと柿ピーとかいった定番メニューはできれば避けたい! 何しろ「特急スペーシア」のコンパートメントですから。
日光・鬼怒川への鉄路は、山あり、川あり、畑あり。季節ごとに変わる自然豊かな風景が車窓を次々に通り過ぎ、まさにヒーリング動画をライブで楽しめますよ。
「スペーシア」の個室のちょっと知られていない利用方法をご紹介しました。究極の“プチ”贅沢ともいえる、この個室のひとり買い、体験するとクセになり何度もやってみたくなること必至です。ぜひぜひ一度はお試しあれ。
切符の販売は、個室利用券を含め、乗車1ヶ月前の午前9時から。ただし、個室利用券はオンライン購入ができず、東武鉄道の窓口に直接出向くか、電話で予約する必要があります。大人気の個室を週末に利用したい場合は、販売開始当日中なるべく早めに購入することをおすすめします。
2019年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/28更新)
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