写真:那須 マッキー
地図を見る栃木県にある中塩原板室那須線の通称「県道266号線 塩那スカイライン」は総延長は65キロメートル。栃木県北に位置する「大佐飛山(標高1,908メートル)」の1,000メートル付近の山間部の稜線を縦走する道路で、塩原側道路の麓からの高低差がなんと1,100メートルもある山岳コース。道路の最高地点は「鹿又岳付近(1,700メートル)」です。
第一ゲートから第二ゲートの「土平園地(どたいらえんち)」までの区間約8キロは、天空の雰囲気と絶景が味わえる、まさにスカイラインです。この道路は午前8時から午後18時の間のみ通行が可能となっていて、それ以外の時間は通行不可能となっています。
※ご注意!塩原から那須までの通り抜けは出来ません。
写真:那須 マッキー
地図を見る「塩那スカイライン」構想は1962年(昭和37年)、高度経済成長期の真っ只中に、観光道路として考案されました。視界を遮るものがなく見晴らしの良い稜線上を車で通行できるような、日本でも有数の規模を誇る山岳観光道路が完成する予定でした。
同じ塩原地区と日光を結ぶ、もみじの名所としても有名な「日塩もみじライン(日塩有料道路)」の入口とは箒川をはさんで対岸の位置にあるため、開通をした際には同道路と接続させる目的もあったようです。しかし塩那スカイラインはその急峻な地形のため崩落事故等が重なり、建設は休止となり未開通部分の現状回復工事にいたりました。
今でも廃道マニアには伝説の未開通山岳道路として語り継がれています。
写真:那須 マッキー
地図を見る地図検索をしても、塩那スカイラインの場所がヒットしない場合があります。それもそのはず実際には利用されることのない道路なのですから、Googleマップ等では最終第二ゲートがある「土平園地(どたいらえんち)」や「県道266号線」とは表示されますが、入口付近の第一ゲートは出てきません。つまり地図にも「塩那スカイライン」の名称が無い「幻の道路」なのです。
写真:那須 マッキー
地図を見る塩那スカイラインは、しげの秀一原作の漫画作品「頭文字D(イニシャルD)」の聖地としても知られています。この作品はゲームソフトやテレビアニメ化され、2005年には香港・日本共同制作として実写映画化もされました。白と黒のツートンカラーのスプリンター・トレノ(通称86)を駆って、関東周辺を走り回る痛快ドラマにファンが熱狂しました。
「頭文字D」では、走り屋集団が「塩那の峠」をホームコースとして登場。周辺の詳細な風景やコースの特徴が描かれています。
ゲーム上で走行可能なバトルコースとして、塩那スカイラインの第2ゲート付近(スタート地点)から第1ゲート(ダウンヒルゴール地点)までが詳細に再現されています。現在でも「頭文字D」の聖地巡礼として、日本はもちろんの事、香港・台湾・中国からもファンが訪れています。
写真:那須 マッキー
地図を見る通常なら1,100メートルの高低差があるという事は完全な登山の対象になるような山岳地形です。東京スカイツリーよりも遥かに高い場所を一気にかけ上ります。もしも塩那スカイラインとして那須高原まで開通していれば、日本有数の山岳観光道路となった事は間違いありません。
写真:那須 マッキー
地図を見る塩那スカイラインを訪れる最適な時期は、ズバリ!「秋」がお奨め!春も夏も素晴らしい風景が楽しめるのですが、周辺の山々が朱く染まる、錦秋や晩秋など山の頂上付近から始まる紅葉が、山すその温泉街へと移り変わる10月初旬から11月中旬まで「もみじ狩り」が楽しめます(その年の気候により、見頃の時期が変化することがあります。)
写真:那須 マッキー
地図を見る「日光いろは坂」や「日塩もみじライン」「スッカン沢」など、九十九折りの道路はこの周辺に沢山存在していますが、道路上から見える山並みの紅葉は、比べものにならない程素晴らしい絶景です。
写真:那須 マッキー
地図を見るスタート地点では見上げる程の山並みも、幾度かのカーブを登るにつれ見える景色が変化してきます。見上げる!平行に見える!見下ろす!というように最終地点の土平園地付近になると、雲と同じくらいの高さをドライブする事になります。快晴の天気なら本当に気持ちが良いですヨ!
眼下には塩原温泉郷が広がっています。
写真:那須 マッキー
地図を見るこちらが塩原側からの最終地点、第二ゲート「土平園地(どたいらえんち)」です。本来であればこれより塩原→板室→那須高原と繋がる計画でしたが、ここが塩原地区の最終ゲートとなります。ここからは車はおろか徒歩や自転車でも立ち入る事は出来ません。素晴らしい景色を眺めながら休憩をして、その後は引き返しましょう。
写真:那須 マッキー
地図を見る「土平園地(どたいらえんち)」は、標高が1,180mに位置しミズナラ、カエデ、ブナ、シロヤシオなどの天然林がきわめて良好な状態で残っています。森林浴や野鳥などの自然観察が楽しめます。秋の紅葉時期には隠れた名所として、穴場となっています。
写真:那須 マッキー
地図を見る塩那道路塩原側約8キロメートル「土平園地」までは整備済で通行できますが、4月下旬から11月下旬と、それ以外の期間でも午後6時から翌日午前8時は閉鎖されて通行は禁止されています。
土平園地から板室「深山園地」までが完成していれば「塩那スカイライン」の名称で呼ばれるはずでしたが、「幻のスカイライン」となってしまいました。土平園地より先は、歩いて立ち入ることも出来ませんので、時間内に戻れるようUターンしましょう。また道路沿い周囲の落石などにも注意してください。
紅葉の時期、塩原温泉にお出かけの際は、是非紅葉狩りを楽しんでみては如何でしょうか。
住所:栃木県那須塩原中塩原字野刈戸1108-4 県道266号線
電話番号:0287-32-4000(塩原温泉観光協会)
アクセス:第一ゲートまでは西那須野塩原インターチェンジから車で30分
※ご注意:第一ゲートは午前8時開錠、午後18時閉門厳守です。
通行可能時期:4月末〜11月末の期間限定(それ以外の冬季期間は通行できません。)
2020年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/3/1更新)
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