愛知県岡崎市八帖町(旧八丁村)には、江戸時代より続く伝統の製法で八丁味噌を造り続けている八丁味噌の老舗店が2店舗あります。そのうちの1店舗が今回ご紹介する「カクキュー」です。
その歴史は1560年、桶狭間の戦いで敗れた今川義元の家臣だった早川新六郎勝久が武士をやめて現在の岡崎へ落ち延び、その子孫が現在の場所で1645年に味噌屋を創業。現当主で19代目となります。
平成18年放送のNHKの朝ドラ「純情きらり」のロケ地にもなった場所です。
カクキューの八丁味噌は、宮内省(庁)御用達として重宝されていたことや、明治・大正時代には数々の輝かしい賞が贈られていたりと、その品質は国のお墨付き。
そのほか厳しい南極観測や登山などの長期間な過酷な環境にも、その品質が変わらないということで重宝され、多くの人の命と活力の源になってきました。
では具体的に八丁味噌とはどんな味噌なんでしょうか?
八丁味噌の材料は大豆と塩、そして水のみ。大きな杉桶に仕込み、天然の川石を山のように積み上げて重石とし、天然醸造で2年以上の間熟成させてできあがります。
その濃い色の見た目から辛口と思われますが、塩味はひかえめ。味は大豆の旨味を凝縮した濃厚なコクと少々の酸味、渋味のある独特の風味が特徴となっています。食品添加物は一切使用しておらず、加熱処理もしていないので生きた自然食品です。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るカクキューにきたらぜひ工場見学はマスト!カクキューの創業当時からの歴史をはじめ、実際どういう過程で作られてきたのかなど、ガイドさんの説明と共によくわかります。予約は当日売店と併設された受付にて。
※詳細は下記「基本情報」欄およびHPでご確認を!
さて、早速工場見学のコースの1つ、史料館内部です。
生身の人間かと見間違えるほどのリアルな人形が、当時の味噌造りの様子を表してくれています。現在は物を運ぶ工程など、一部機械化されている工程もありますが、石積みなど味噌づくりの根本となるところは現在も職人の手で行われています。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る見学の中でもひときわインパクトがあるのが、味噌蔵の中の円錐状に石を積んだ木桶の数々。桶の中には八丁味噌が6トン入っており、その上に積まれた重石のほとんどはかつて矢作川の上流より運びいれたもので、その重量は3トン!しかも手作業で積んでいます。
地震がきても、内側に重心が集まるようになって倒れないような造りで、この技を習得するのに最低でも5年かかるそうですよ。
もともとこの地方は、味噌造りに最良の環境が整っていたようです。良質の大豆(矢作大豆と呼ばれる)、花こう岩質の地盤から湧き出す良質の天然水、そして矢作川の水運により、吉良地方から入手し易い塩と好条件が味噌作りに最適だったのでしょう。
※写真は白壁が美しい登録有形文化財の史料館
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るデザインといい装飾といいレトロな看板。実際昔に使われていて、旧国鉄時代の岡崎駅に掲げられていました。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るさて、見学が終わるとお土産がいただけます。それが写真の八丁味噌のパウダー。八丁味噌がパウダーになったもので、料理のかくし味や、デザートにサッとかけても意外に美味しいですよ。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るさんざん八丁味噌の説明を受けると思わず味噌汁が飲んでみたくなるもの。その気持ちに応えてくれるかのように、最後は試飲サービスも!八丁味噌の濃厚さとうまみと甘み、酸味など、とても味わい深い味噌汁が体中に染み渡ります。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る受付をした館内には、お土産コーナーも併設。八丁味噌に関するお土産がずらりと並び、ここでしか手にはいらないものもあるので、旅の記念にぜひどうぞ。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るここまできたら名物味噌煮込みうどんは食べて帰りたいところ。隣のフードコート内の1つ「お食事処休右衛門」は八丁味噌の煮込みうどん専門店。あつあつの土鍋で楽しめます(1200円税込)。そのほか山椒がきいた「極 八丁しびれMISO煮こみうどん/1300円税込)も。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るさて、お腹を満たしたら別腹のスイーツはいかがですか?名前だけきくとギョっとしそうですが、その名も「味噌ソフトクリーム/400円税込」。お土産でもらった味噌パウダーがかかったソフトクリームですが、食べるとキャラメルのような深い味わいと、ちょうどよい塩加減が絶妙なバランスで、なんともクセになる味。ぜひこちらもいただいてみてくださいね!
住所:愛知県岡崎市八帖町字往還通69番地
電話番号:0564-21-1355 ※工場見学・売店(八丁味噌の郷)
見学時間:
平日10時〜16時 毎時00分
土日祝9時30分〜16時 毎時00分・30分
料金:無料
定員:各回20名
営業時間:売店 9:00〜17:00
休み:12月31日、1月1日
アクセス:
車/東名岡崎IC、豊田東ICより車で15分
電車/名鉄「岡崎公園前」駅より徒歩5分または愛知環状鉄道「中岡崎」駅より徒歩5分
バス/名鉄東岡崎駅から一番のりば「安城駅前行き」か「北野北口行き」に乗車、板屋町口下車、一号線名古屋方面に向かって徒歩5分(片道180円)
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/23更新)
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