写真:村松 佐保
地図を見る狩宿諏訪神社は、北軽井沢の東側に隣接する応桑(おおくわ)という地に鎮座しています。森の中にひっそりと佇む境内には、まるで周辺から取り残されたかのようないにしえの空気が漂っています。
狩宿という地名は、源頼朝(1147年〜1199年)の狩りに由来しています。まだ村に名もない遠い昔のお話しになりますが、この地は頼朝が大勢の武士を連れて浅間野狩と呼ばれる狩りをしたところと伝えられています。当時周辺は、浅間山麓の六里が原と長野原、そして河原湯の三つの原から三原野と呼ばれていたました。と同時に浅間山の麓にあるということで浅間野ともいわれていました。その浅間野狩の際、この地に寝泊まりするための陣所を作ったことから狩宿と呼ばれています。(上信高原民話集21より)
そして、頼朝が濃霧のため数日間狩りができなかったときに霧が晴れることを祈願して、軍神として崇められている諏訪大明神をお祀りしたことが狩宿諏訪神社の始まりと伝えられています。(長野原町OFFICIAL GUIDEより)
写真:村松 佐保
地図を見る軽井沢駅から直線距離で17キロほど北に位置する狩宿諏訪神社は、草津方面に向かう国道146号の東側に鎮座しています。アクセスは、応桑郵便局から東に4キロほど走ったところの左手になります。こちらの道は、江戸時代の狩宿という宿場町の趣を感じられるルートです。
国道から脇道に入ると景色が一変します。昔の面影が残る狩宿関所跡之碑や旧狩宿本陣などを抜けて民家が途絶えてくると、畑や林に挟まれた静かな道が続きます。辺りが深い森に包まれてくる頃、左手に鳥居が見えてきます。まるで時間が止まったかのようないにしえの世界が広がっています。
また、国道146号の北軽井沢交差点から東に7.5キロほど走るルートもあります。こちらはしばらく畑を眺めながらのドライブになりますので、行きと帰りで楽しんでみるのも良いですね。
写真:村松 佐保
地図を見る時代の重みを感じる鳥居をくぐると、歴史の詰まったご本殿や神楽殿などが鎮座しています。ご祭神は諏訪神社大神の建御名方命(たけみなかたのみこと)、不老長寿や健康長寿の神といわれる磐長比売命(いわながひめのみこと)です。
しんと静まり返った境内は天に向かって成長を続ける樹々におおわれ、足元には季節ごとにあたらな芽吹きを見せてくれるさまざまな草木が茂っています。その隙間を縫うように足を進めていると、どんどんいにしえの世界に引き込まれていくようです。こちらの境内では、今から25,6年前になりますが、狩宿神社奉納公演として野外劇が上演されたこともあります。
時を遡ってしまったかのような清らかな空気に包まれた境内で、自然に宿るエネルギーをそっと感じてみてください。
写真:村松 佐保
地図を見る神社の近くに流れている狩宿湧水にもぜひ立ち寄ってみてください。こちらの湧水は、狩宿地区に古くから湧いている源泉で、長野原町の上水道の水源の一つになっています。四季折々に群生する水辺の植物を楽しむこともできます。澄んだ小川と周囲の美しい景色に癒されます。
うっかりすると通り過ぎてしまうほど小さな流れです。応桑方面から向かうルートでは、神社の500メートルほど手前、道路が二股に分かれている地点の表示板を右の北軽井沢(左は万騎峠)方面に向かって80メートルほど進んでください。小さな橋の白い手すりが見えてきます。ちょっと寄り道して下をのぞいてみると、清らかな流れに心が和みます。
お洒落な軽井沢の街から少し足を延ばしたところに鎮座する神社。その時代を遡ったかのような佇まいには驚くばかりです。静寂な森に包まれた狩宿諏訪神社で、いにしえのパワーを存分に感じてみてください。
住所:群馬県吾妻郡長野原町大字応桑
アクセス:
軽井沢方面から国道146号を北上し、応桑郵便局から東に4キロほど
北軽井沢交差点から東に7.5キロほど
駐車場:なし
トイレ:なし
2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
村松 佐保
大自然に惹かれて、東京から群馬県の嬬恋村に移住しました。私の住まいは村の南部で、長野県寄りの標高の高い地域です。周囲には豊かな自然が広がり、四季の移り変わりを肌で感じる日々を送っています。鴬のさえずり…
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(2025/2/28更新)
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