サンダードルフィン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 12:56 UTC 版)
サンダードルフィン | |
頂上へ上昇するサンダードルフィン | |
所在地 | 東京ドームシティアトラクションズ |
---|---|
エリア | ラクーアゾーン |
座標 | 北緯35度42分23秒 東経139度45分12秒 / 北緯35.706336度 東経139.753277度座標: 北緯35度42分23秒 東経139度45分12秒 / 北緯35.706336度 東経139.753277度 |
状態 | 営業中 |
開業 | 2003年5月1日 |
種別 | 鉄製 |
製作 | インタミン |
デザイナー | ヴェルナー・ステンゲル |
モデル | メガ・コースター |
最高部高度 | 80.55[1] m (264.3 ft) |
最大落差 | 66.5 m (218 ft) |
コース全長 | 1,124.8[1] m (3,690 ft) |
最高速度 | 127[1][注釈 1] km/h (79 mph) |
回転 | 0 |
所要時間 | 約1分30秒 |
最大傾斜角 | 74[1][注釈 2]° |
許容乗客数 | 1,660[3]人 (1時間あたり) |
最大加速度 | 4.39[1] |
身長制限 | 130 cm (4 ft 3 in) |
定員 | 1編成20名(4名×5両)[4] ※旧車両は1編成24名(4名×6両)[1] |
年齢制限 | 8~64歳 |
料金 | 1,500円(開業当初は1,000円、旧車両最終日の時点では1,200円) |
サンダードルフィン - RCDB | |
サンダードルフィンの画像 - RCDB |
サンダードルフィン(英語: Thunder Dolphin)は、東京ドームシティ内のラクーアにある東京ドームシティアトラクションズのジェットコースターである。日本初導入となるインタミン社のメガ・コースターという機種を採用している。 協賛企業はアート引越センター[5][注釈 3]。アトラクションの掛け声は「ゼロ・いち・に・サンダー!」[5][注釈 4]。
概要
後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティアトラクションズ)旧コースターランドの再開発によってラクーアとともに建設され、2003年5月1日のラクーアの開業と同時に営業を開始した。東京都内では最も高く、最も速いコースターである。建設にあたっては、近隣のマンションの住民ら111人が「乗客の絶叫が生活環境や健康に影響する」として建設に反対し、東京都の公害審査会に調停を申請した。その際、文京区は独自の調査を行なった上で東京ドーム側に対策を要請することで収束した[9][10]。
新車両導入に伴い、2022年10月10日をもって一時的に営業を休止した。それに先立ち、劇場アニメ「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」とコラボしたイベント「転生してもサンダードルフィンになる件」が9月1日から10月10日まで行われた。車両がコラボラッピング仕様になった他、旧車両に乗れるチケットと新車両の試乗会でも使えるチケットがセットになった「新旧車両乗り比べチケット」が2,000円で販売された[11]。新車両は2023年4月6日から運行を開始した[4]。
コース
ラクーアビルよりも高い位置である地上80.5mの高さから最大傾斜角74度[1][注釈 2]で降下し、その後はラクーアビルの屋上を走行したり、壁穴を突き抜けたり、センターレス大観覧車「ビッグ・オー」の中心を潜り抜けて再びドロップと急上昇を行い、1週目のコースと並走するレイアウトを走行して、ホームへ到着する。全体がイルカ泳ぎを連想する高スピードと小刻みなキャメルバックが設定されている。また、コース高架の真下はほとんどの箇所が園内のペデストリアンデッキとの立体交差となっており、周回路の4割程度が春日通りに面している。
巻き上げ装置にはウインチを使用しており、多くのコースターで使用されているローラーチェーン式に比べて巻き上げ速度が速く、地上80mの頂上まで約30秒で上昇する。また、巻き上げ角度も45.5度とかなりの急傾斜である。巻き上げ機は最頂部の真下(一般通路の屋根上)に置かれている。制動装置には渦電流式ブレーキを使用しており、騒音が少ない。
カメラは巻き上げ前と2回目のビル上昇前に設置されており、その2か所で撮影された写真を合成させたライドフォトを乗車後に購入できる。基本的に土日祝日のみ行っている。
落下事故防止のため、そして車輪巻き込まれ事故防止のため手荷物は全て鍵付きのロッカーへ預けることになっている。また、腕時計やブレスレット、眼鏡、衣類のポケット内の金属類、ズボンのベルトホールに着けたカラビナ・チェーン[要曖昧さ回避]なども外すように指示される。ロッカーは当初はプラットホームの降車側にのみ設置されていたが、旧車両の末期には乗り場へ上がる階段横にも設置され、こちらは混雑時に使用する。旧車両の初期には、車両の各座席の間に小物入れが設置されており、携帯電話やメガネなどのポケットに入る程度のものを入れる事が可能であった。
車両
開業当初の車両はイエローとオレンジの2編成で、1両あたり4人乗りの6両編成、計24人乗りであった。各車両後列の座席は前列より高めに設置されていた。
新車両は阪和興業製でピンクとイエローの2編成となり、1両あたり4人乗りの5両編成・計20人乗りで[12]、全長13,140mm。空気抵抗を減らし、さらなる快適な乗り心地を追求した形状となっている他、座席は横に透明なパネルをつけ[12]、ヘッドレストも追加され、安全バーが上から腰に下ろすタイプに変更された。車体にはLEDライトがあり、夜間走行時に点灯する[4]。
スキップパス
少ない待ち時間で乗れる時間指定の「スキップパス」が数量限定で販売されている。アトラクション利用料金とは別で、1枚1,000円。
事故・トラブル
- 2010年12月5日、運転中のコースターから部品が落下して地上で跳ね返り、下を通りかかった女児に当たる事故が発生し、女児は軽傷を負った。そのため、遊園地側は同日より緊急点検のため、運転を休止した[13]。2013年4月1日、運転再開に向けて同年4月2日より4ヶ月かけて改修工事を行うことを発表[14]し、約2年8ヶ月の休止を経て、2013年8月1日に運転を再開した[15]。
- 2023年5月31日、コースターの車両が上昇中に緊急停止し、乗客19人が一時取り残された[16]。停止から約15分後に、運営側が手動で1周させて車両をスタート地点に戻し、乗客を全員降ろした[17]。けが人はいなかった[18]。原因はセンサーが検知せず、衝突防止システムが誤作動したことだった[19]。
- 2023年7月31日、コースターの車両が上昇中に緊急停止し、乗客14人が一時取り残された[20]。停止から約7分後に、運営側が手動で1周させて車両をスタート地点に戻して乗客を全員降ろし、けが人はいなかった。電流を制御する機器の不具合によって回路内に生じた過電流が影響し、ブレーカーを遮断させたことが原因だった。原因となった機器の部品交換を行い、8月11日に運行を再開した[21]。
関連項目
- ビッグ・オー
- ツバサ - アンダーグラフのデビューシングルで、ジャケット写真に使用されている。
- ペルソナ5 - ゲーム内のイベントシーンで、背景として登場する。
- コニカ、コニカミノルタ - かつての協賛企業[6][7]。
- アート引越センター - 現在の協賛企業[5]。
- 新滑空水上コースターカワセミ - 同じくインタミンが製造したローラーコースター。車両も旧車両と同形式である。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 『文京区内遊園地コースター部品落下事故調査報告書』(PDF)(プレスリリース)国土交通省 。2023年3月14日閲覧。
- ^ a b “東京ドームシティ名物「サンダードルフィン」 | 東京ドームシティアトラクションズ”. at-raku.com. 2023年3月14日閲覧。
- ^ Thunder Dolphin - Intamin Amusement Rides
- ^ a b c "大人気ジェットコースター 『サンダードルフィン』新車両登場! 座席や背もたれ、安全バーなどの仕様を一新し、夜間LEDライトが点灯 2023年4月6日(木) 運行開始" (PDF) (Press release). 東京ドームシティアトラクションズ. 27 March 2023. 2023年3月27日閲覧。
- ^ a b c “TDCA「サンダードルフィン」初リニューアル 新車両でカラー・座席を一新”. あとなびマガジン (2023年4月4日). 2023年4月4日閲覧。
- ^ a b エンターテイメントビジネス no.01 - 阪和興業
- ^ a b "LaQua"ジェットコースター「サンダードルフィン」乗車人数100万人突破記念キャンペーン - コニカミノルタ
- ^ “サンダードルフィン”. 東京ドームシティアトラクションズ. 2017年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月4日閲覧。
- ^ “<騒音公害>住民が調停申請 東京ドームの新設コースターで”. 日刊 計量計測データバンク (2003年1月29日). 2023年3月14日閲覧。
- ^ “ドン・キホーテ六本木店絶叫マシン建設計画断念!(2ページ目)”. All About (2005年12月24日). 2023年3月14日閲覧。
- ^ “サンダードルフィン「転生(リニューアル)」イベント”. 東京ドームシティアトラクションズ. 2022年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月27日閲覧。
- ^ a b NEW ATTRACTION CLOSE UPサンダードルフィン - エンターテイメントビジネスNo.54(綜合ユニコム)
- ^ “遊園地でボルト落下、女児軽傷=運転中ジェットコースターから―東京ドーム”. asahi.com(朝日新聞社) (2010年12月5日). 2010年12月6日閲覧。
- ^ 『ジェットコースター「サンダードルフィン」安全対策及び工事開始のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東京ドームシティアトラクションズ(株式会社東京ドーム)、2013年4月1日。オリジナルの2013年10月9日時点におけるアーカイブ 。2023年3月18日閲覧。
- ^ 『ジェットコースター「サンダードルフィン」営業再開について』(PDF)(プレスリリース)東京ドームシティアトラクションズ(株式会社東京ドーム)、2013年7月26日。オリジナルの2013年8月13日時点におけるアーカイブ 。2023年3月18日閲覧。
- ^ “東京ドームでジェットコースター「サンダードルフィン」が緊急停止 乗客が急傾斜に取り残される 東京・文京区”. FNNプライムオンライン (2023年5月31日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ “東京ドームシティでトラブル ジェットコースター緊急停止”. テレ朝news (2023年5月31日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ “【速報】「東京ドームシティ」ジェットコースター地上60mの高さで停止 乗客19人ほどが一時取り残される けが人なし”. TBS NEWS DIG (2023年5月31日). 2023年6月1日閲覧。
- ^ 『東京ドームシティ アトラクションズ ジェットコースター「サンダードルフィン」が運行中に停止した件について』(PDF)(プレスリリース)株式会社東京ドーム、2023年6月5日 。2023年8月12日閲覧。
- ^ “東京ドームでジェットコースター「サンダードルフィン」が緊急停止 乗客が急傾斜に取り残される 東京・文京区”. FNNプライムオンライン (2023年5月31日). 2023年8月12日閲覧。
- ^ 『東京ドームシティ アトラクションズ ジェットコースター「サンダードルフィン」が運行中に停止した件について』(PDF)(プレスリリース)株式会社東京ドーム、2023年8月11日 。2023年8月12日閲覧。
外部リンク
- サンダードルフィン
- サンダードルフィンリニューアル - ウェイバックマシン(2023年4月1日アーカイブ分)
- 東京ドームシティ名物「サンダードルフィン」 - 東京ドームシティ
固有名詞の分類
- サンダードルフィンのページへのリンク