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ヴェネトとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ヴェネトの意味・解説 

ベネト【Veneto】

読み方:べねと

イタリア北東部の州。ポー川などの下流域穀倉地帯で、アドリア海臨海部広大なラグーナ(潟)が広がる州都ベネチア。トレビーゾ県・パドバ県・ビチェンツァ県・ベッルーノ県ベネチア県・ベローナ県・ロビーゴ県がある。

ベネトの画像
ベネト州の位置

ヴェネト

名前 Veneto

ヴェネト州

(ヴェネト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/29 13:34 UTC 版)

ヴェネト州
Regione Veneto
ヴェネト州の州旗ヴェネト州の紋章
イタリア
地域イタリア北東部
州都ヴェネツィア
面積18,264 km²
人口4,853,657 [1]2012-01-01
人口密度265.7 人/km2
ベッルーノ, パドヴァ, ロヴィーゴ, トレヴィーゾ, ヴェネツィア, ヴェローナ, ヴィチェンツァ
コムーネ581 (一覧
公式サイト[1]

ヴェネト州(ヴェネトしゅう、イタリア語: Venetoヴェネト語: Vènetoバイエルン・オーストリア語: Venezien)は、イタリア共和国北東部に位置する。州都はヴェネツィア

地理

位置・広がり

イタリアの北東部に位置し、東南でアドリア海ヴェネツィア湾)に面する。州都ヴェネツィアは、トリエステから東南東へ115km、ボローニャから北東へ131km、ミラノから東へ246km、首都ローマから北へ395kmの距離にある。

隣接する州は以下の通り。AUTはオーストリア領を示す。

地勢

地理学的な概観の特徴は他に類を見ないヴェネツィアのラグーナ(潟)である。重要な川に関しては南にポー川(とポー川の三角州)とアディジェ川、中心にはブレンタ川、北にはピアーヴェ川がある。また西にはガルダ湖がある。

北西にはアルプス山脈、特にレッシーニ山々(イタリア語: Monti Lessini)がそびえ、アジアーゴ高原とマルモラーダ氷河イタリア語版英語版マルモラーダ)のあるドロミーティ山脈などがある。また、平原にはエウガネイの丘がある。

主要な都市

人口5万人以上のコムーネは以下の通り。人口は2012年1月1日現在[1]

その他の主要都市として、キオッジャコネリアーノヴィットリオ・ヴェネトなどがある。

歴史

ウェネティイ族

ヴェネト州の歴史は他の北部イタリアの州と共通している。古代にはインド・ヨーロッパ語族に属する言語を話すウェネティイ族ヴェネト語版イタリア語版英語版が居住し、ヴェネトの名はこの民族に由来する。

ローマ帝国

ローマ帝国の支配後、395年に東西にローマ帝国が分かれた後は、一時期ラヴェンナなどと同様、東ローマ帝国の勢力下にあった。ゴート族東ゴート王国)やランゴバルト族ランゴバルド王国)が流入した。

ヴェネツィア共和国

この地方に位置する都市ヴェネツィアは都市国家ヴェネツィア共和国として、アドリア海の海上交通を掌握した。ラグーナによって陸からの進攻から比較的安全だったこともあり中世を通じて独立を保ち、イスラム圏とヨーロッパの中継貿易により、海上国家として繁栄した。最盛期にはパドヴァやベルガモなどの内陸の都市を勢力下におくだけでなく、キプロス島クレタ島なども領有して栄えた。

1797年ナポレオン・ボナパルトに攻略されてヴェネツィア共和国は滅んだ。

ロンバルド=ヴェネト王国

ナポレオン戦争が終わり、1815年6月9日にウィーン議定書(ウィーン会議)が締結され、ベルギーの領有権と交換にオーストリアロンバルド=ヴェネト王国となった。

イタリア王国

第二次デンマーク戦争後のプロイセンとオーストリア間での領有権を巡って始まった普墺戦争へ、1866年イタリア王国が干渉して宣戦布告した第3次イタリア独立戦争イタリア語版フランス語版英語版の初期にオーストリア=ハンガリー帝国から分離されて、イタリア王国に統合された。

第一次世界大戦中にはイタリア戦線の最前線となり、カポレットの戦いピアーヴェ川の戦いピアーヴェ川一帯は最激戦地となった。

現代

ヴェネツィアを訪れる外国人観光客が多いため、イタリアの経済・財政を支える豊かな地域である。その分、州からの税収が中央政府を通じて貧しいイタリア南部に流れているとの不満が強い。このため北部同盟の呼び掛けにより2017年10月22日、西隣のロンバルディア州とともに自治権拡大を問う住民投票が実施された。約6割の投票率で、自治権拡大への賛成が9割を超えた[2]

行政区画

ヴェネト州の県

ヴェネト州は、以下の7県からなる。

左端の数字はISTATコード、アルファベット2文字は県名略記号を示す。人口は2012年1月1日現在[1]。面積の単位はkm²。

県名 綴り 県都 面積 人口
023 VR ヴェローナ県 Verona ヴェローナ 3,121 899,817
024 VI ヴィチェンツァ県 Vicenza ヴィチェンツァ 2,722 858,732
025 BL ベッルーノ県 Belluno ベッルーノ 3,678 209,720
026 TV トレヴィーゾ県 Treviso トレヴィーゾ 2,477 876,051
027 VE ヴェネツィア県 Venezia ヴェネツィア 2,463 846,275
028 PD パドヴァ県 Padova パドヴァ 2,141 920,895
029 RO ロヴィーゴ県 Rovigo ロヴィーゴ 1,789 242,167

文化

言語

イタリアの言語分布

ヴェネト州では、地方言語dialetto方言)としてヴェネト語が広く話される。また、北東部ではドイツ語バイエルン・オーストリア語系の南バイエルン・オーストリア語)が使用される。

2006年の国立統計研究所(ISTAT)の統計によれば、6歳以上の住民の家庭内での会話における言語状況は以下の通り[3]。イタリア語(Italiano)、地方言語(Dialetto)、他の言語(Altra lingua)についてのデータで、左列が全国平均、右列がヴェネト州の数値である。イタリアの州の中では「地方言語のみ、あるいは主に地方言語を用いる」住民の割合が最も多い州である。

家庭内の会話における使用言語 全国
イタリア語のみ、あるいは主にイタリア語 45.5% 23.6%
地方言語のみ、あるいは主に地方言語 16.0% 38.9%
イタリア語と地方言語の双方 32.5% 31.0%
他の言語 5.1% 6.0%

世界遺産

州には世界遺産として以下がある。

スポーツ

サッカー

州内に本拠を置くプロサッカークラブとしては以下がある。所属リーグは2012-13シーズン現在。

5部リーグ(アマチュア最上位リーグ)のセリエDでは、トレンティーノ=アルト・アディジェ州フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のクラブとともにジローネCに属する。ヴェネト州の地方リーグ(6部リーグ)として、エッチェッレンツァ・ヴェネト (it:Eccellenza Venetoがある。

交通

空港

人物

著名な出身者

脚注

外部リンク


ヴェネト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 11:25 UTC 版)

ヴァン・ド・パイユ」の記事における「ヴェネト」の解説

パッシートのなかでも有名なワインが、ヴァルポリチェッラ典型的な赤ワイン用ブドウ品種から造られる。すなわち、コルヴィーナが40-70%、ロンディネッラが20-40%、モリナーラ5-25%のブレンドである。ブドウ谷あい斜面で、伝統的なマットないしはの上乾燥される。ヴェネトにおけるパッシートには2つスタイル存在する発酵を完全に行い辛口仕上げれば、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラとなる。アマローネ(伊:Amarone)の字義は「苦み」であり、甘さとは正反対の意味を持つ。アマローネは非常に円熟味がありレーズンのような赤ワインであり、酸は少なくアルコール度数15%以上のものが多い(法的に14%である必要がある)。アマローネ収穫年から5年後売り出されることが典型的であるが、これは法的な規定よるものではない。アマローネ用のブドウ搾りかすはヴァルポリチェッラ・リパッソの生産使われるアマローネD.O.C.1990年登録され2009年12月にはD.O.C.G.に昇格した発酵最後まで行わないと、甘口ワインであるレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラになる。発酵終了する理由はいくつかあり、栄養分枯渇アルコール度数の上昇、貴腐菌代謝物影響など挙げられるブドウ乾燥谷底で行うと貴腐発生しやすいため、レチョートの生産には適している。これはアマローネ造る際に貴腐菌避けるため乾燥工程斜面の上方で行うのと対照的である。レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラはチョコレート使ったデザートとよく合うと言われている。これはカカオ豊富な酸を含むからである。 レフロントロ・パッシートはトレヴィーゾ県コネリアーノほど近い丘陵地生産される赤のパッシートである。プロセッコ中心地のうちわずか数ヘクタール地域で、年間ボトル数千本のみが生産される。このワインはマルツェミーノ種で造られ、D.O.C.G.に登録されている。モーツァルト作曲ドン・ジョヴァンニにおいて、主人公がこのワイン素晴らしいと述べているなど、歴史的に高い評価受けてきた。 レチョート・ディ・ソアーヴェはヴェローナ周辺造られる白ワインで、ソアーヴェ使われるガルガーネガ種が用いられる名前の由来となった"recie"はヴェネト語で「耳」を意味するが、これはブドウが過熟する主たるの上方に2つ小さな房が生じるという品種の特性から来ており、このような状態のブドウはこのワインにとって望ましい。5世紀ごろから存在する歴史の古いワインであると考えられており、カッシオドルスもレチョート・ディ・ソアーヴェと思しきヴェローナ産の甘口白ワインについて言及している。クリスマス菓子である、パネットーネヴェローナパンドーロ合わせるのが伝統的な組み合わせである。 トルコラートもヴェネト州造られる白のパッシートである。穏やかな黄金色甘い香り持ち余韻長く丸み厚みがあるブレガンツェのアスティコからブレンタ川の間に広がるバッサーノ・デル・グラッパヴァルダスティコの谷に挟まれ細長い土地である"Strada"(ないしはワインの道)で生産される名前の由来ヴェネト語で「捻った」という意味の言葉であるが、これは伝統的な生産手法としてブドウの房を捻って乾かすことによる。 ラマンドロ・パッシートはフリウリ近郊造られるパッシートである。多くウーディネに近いニーミス周辺丘陵地生産され、ヴェルドゥッツォ・フリウラーノ種から造られる甘くフルボディ蜂蜜のような香りを持つワインである。この場所は著名なピコリットの産地でもあり、極めて高品質なパッシートを産出するトレヴィーゾヴェネツィアではラマンドロスタイルのワイン造られることもあり、それにはヴェルドゥッツォ・フリウラーノやヴェルドッツィオ・トレヴィジャーノが使われるヴェネツィア菓子のブッソラとヴェルドゥッツォを用いたパッシートが良く合うと言われている組み合わせである。

※この「ヴェネト」の解説は、「ヴァン・ド・パイユ」の解説の一部です。
「ヴェネト」を含む「ヴァン・ド・パイユ」の記事については、「ヴァン・ド・パイユ」の概要を参照ください。

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