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新十津川物語とは? わかりやすく解説

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新十津川物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/28 14:45 UTC 版)

新十津川物語』(しんとつかわものがたり)は、川村たかし小説、またそれを原作とするテレビドラマ

概要

川村たかし作の児童小説で、1977年から1988年にかけて、単行本全10巻が偕成社から刊行された。イラストは鴇田幹による。産経児童出版文化賞大賞、第29回日本児童文学者協会賞受賞。

1993年には舞台となった北海道新十津川町に、本作にちなんだ「新十津川物語記念館」が開設されている[1]。また新十津川町ふるさと公園と十津川村役場前にはそれぞれ移住後の17歳の姿と移住前の9歳の姿をイメージした本作の主人公・津田フキの銅像が設置されている[2][3]

あらすじ

1889年の十津川大水害で両親を失った津田フキは、兄とともに新天地を求め、北海道開拓に向かう2600人の集団の一人として、自然や大地と格闘し生命力をもらいながら新十津川村を開拓する、第一世代の住民となる。そして、過酷な自然と運命に翻弄されるフキの80年近い人生を描きつつ、フキの子供時代や子・孫・曽孫、波乱万丈の日本の近代を生き抜いた様々な人々の姿を描く[1]

刊行書籍

副題 単行本 文芸版 偕成社文庫版
1 北へ行く旅人たち 1977年12月 1990年10月 1992年5月
2 広野の旅人たち 1978年10月 1990年10月 1992年5月
3 石狩に立つ虹 1980年1月 1990年11月 1992年5月
4 北風にゆれる村 1981年3月 1990年11月 1992年5月
5 朝焼けのピンネシリ 1983年6月 1990年11月 1992年5月
6 雪虫の飛ぶ日 1984年12月 1990年12月 1992年5月
7 吹雪く大地 1986年1月 1990年12月 1992年9月
8 燃える海山 1987年5月 1990年12月 1992年9月
9 星の見える家 1987年12月 1990年12月 1992年9月
10 マンサクの花 1988年12月 1990年12月 1992年9月

この他、1987年には取材記録集『十津川出国記』(北海道新聞社)が出版されている[1]

テレビドラマ

新十津川物語
ジャンル テレビドラマ
原作 川村たかし「新十津川物語」
脚本 冨川元文
演出 江口浩之
出演者 斉藤由貴
江口洋介
小西博之
製作
プロデューサー (制作)山岸康則
制作 NHK
放送
放送国・地域 日本
放送枠土曜ドラマ (NHK)
放送分90分
明治編
放送期間1991年10月5日 - 12日
放送時間土曜 19:30 - 21:00
回数2
大正編
放送期間1992年5月2日 - 9日
放送時間土曜 19:30 - 21:00
回数2
昭和編
放送期間1992年9月19日 - 26日
放送時間土曜 19:30 - 21:00
回数2
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1991年から1992年にかけて、「明治編」「大正編」「昭和編」各2部(全6回)が、NHK総合テレビジョン「土曜ドラマ」にて放送された。

撮影は1990年12月に丸瀬布町にて雪の中無蓋貨車に乗せられ鉄道で入植地へと向かう主人公と移民達のシーンからクランクインし、舞台となる新十津川町内の原野や千歳市の原生林に小屋のオープンセットを立てての撮影や、旭川・夕張・歌志内・千歳・北海道開拓の村・函館・稚内・富良野など道内12市町村の他新宿・立川・秩父といった関東でも撮影を展開、1992年6月に現代パート内で主人公の玄孫檜山ユカリがサハリンを望みながら主人公達の生きた戦後に思いを馳せる宗谷岬でのシーンでクランクアップとなった[4]

2018年4月から7月には、北海道命名150年にちなみNHK総合テレビジョンの北海道ローカル枠「北海道LOVEテレビ」にて再放送された[5]

キャスト

明治編
大正編
昭和編
現代パート

スタッフ

  • 原作 - 川村たかし「新十津川物語」より
  • 脚本 - 冨川元文
  • 音楽 - 堀井勝美
  • 演奏 - Cカンパニー
  • 時代考証 - 小木新造田中彰桑原真人
  • 擬闘 - 林邦史朗
  • 協力 - 北海道新十津川町
  • 資料提供
  • 方言指導 - 嵯峨野れい(明治・大正編 十津川弁指導)、曾川留三子(大正編第1部 北海道弁指導)
  • 習字指導 - 望月暁云、高野早苗(明治編)
  • オペラ考証 - 鈴木としお(大正編第1部)
  • 制作 - 山岸康則
  • 美術 - 岡田正己、田坂光善(明治編第1部・大正編)、田中恒(明治編第2部)、藤井俊樹(昭和編)
  • 技術 - 京谷道雄(明治編第1部)、菊地勝美(明治編第2部・大正編第1部)、小林稔(大正編・昭和編)
  • 音響効果 - 萩野勝男
  • 撮影 - 浪川喜一(明治編・大正編第1部・昭和編)、佐々木達之介(大正編第2部)
  • 照明 - 渡辺恒一
  • 音声 - 佐藤登喜雄
  • 映像技術 - 堀尾知三(大正編第1部・昭和編第1部)、山村恵一(大正編第2部、昭和編第2部)
  • 記録・編集 - 城島純一
  • 演出 - 江口浩之(明治編・大正編第1部、昭和編第2部)、秋山茂樹(大正編第2部)、山本秀人(昭和編第1部)

放映リスト

いずれも土曜19:30 - 21:00に放送。

話数 放送日 サブタイトル
1 1991年
10月5日
明治編・第1部 北へ行く旅人たち
2 10月12日 明治編・第2部 大地に立つ
3 1992年
5月2日
大正編・第1部 母よ、娘よ
4 5月9日 大正編・第2部 裸足の女たち
5 9月19日 昭和編・第1部 女のいくさ
6 9月26日 昭和編・第2部 時の彼方へ

脚注

  1. ^ a b c 北へ行く旅人たち 新十津川物語(川村たかし 偕成社 1977年) - 財団法人大阪国際児童文学館 子どもの本100選
  2. ^ フキ像は向かい合っていなかった 二つの「十津川」を巡る絆の物語<デジタル発> - 北海道新聞
  3. ^ 奈良県郷土資料4 つり橋の村 - 奈良県教育委員会
  4. ^ a b c d e f g h i j k 「NHKスペシャルドラマ『新十津川物語』製作リポート/浪川喜一」『映画テレビ技術 = The motion picture & TV engineering』第482号、日本映画テレビ技術協会、1992年10月1日、18 - 23頁、NDLJP:4433263/17 
  5. ^ NHKドラマ「新十津川物語」特別アンコール放送 - 北海道150年事業公式サイト(Internet Archive)
  6. ^ ドラマ 新十津川物語・昭和編〔1〕 女のいくさ”. 放送ライブラリ公式ページ. 2021年4月22日閲覧。

外部リンク




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