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棚氷とは? わかりやすく解説

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たな‐ごおり〔‐ごほり〕【棚氷】


棚氷(ice shelf)

海面上2~50m又はそれ以上かなりの厚さで,海岸固着して浮いている氷床。普通,平方向に大きく広がり,表面平坦緩やかな起伏をしている。年間通して積雪と,時には陸の氷河海へ延びることによって生成する。氷の一部は底着していることもある。海側の縁は浮氷壁(ice flont)と呼ばれる

棚氷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/07 14:39 UTC 版)

棚氷のイメージ

棚氷(たなごおり、: ice shelf)とは、陸上の氷河または氷床に押し出され、陸上から連結して洋上にあるを指す。その上面は多くの場合、平坦な形状となっている。氷棚(ひょうほう)とも呼ぶ。

洋上にある氷という点では、海氷と似ているが棚氷は陸上で形成され、海氷よりもだいぶ厚くなることがある点が異なる。海氷は通常、数m程度の厚さであるが棚氷はもっと厚く数十mの厚さとなることがある。

氷山とも、陸上の氷と連結している点が異なる。ただし、棚氷の先端部では、沖合いへ氷が移動する動きが行われており、波浪や解氷などによって氷の分離(カービング)が行われ、テーブル型氷山の生成が行われる。

南極カナダ北部・グリーンランドなどの極地でのみ見られる。

地球上のほとんどの棚氷は南極氷床に存在している。大きさとしてはロス海に面するロス棚氷が地球上で最大であり、それにウェッデル海フィルヒナー・ロンネ棚氷と東南極のアメリー棚氷が続く。

棚氷はカービングするか、海洋による底面・側面融解によって消失する。棚氷が消失すると、背後の氷河を支える力が失われるため、氷河の海洋への流出が加速的に進行する。

南極における棚氷融解の主な原因は、海洋が供給する熱であると考えられている。地球温暖化に伴って氷河の表面融解が進行すると、クレバスが成長しやすくなり、カービングによる崩壊のリスクが高まる。

北極の棚氷

カナダ

南極の棚氷

南極の主要な棚氷
  ロス (472960 km2)
  ロンネ・フィルヒナー (422420 km2)
  アメリー (62620 km2)
  ラーセンC (48600 km2)
  リーセル・ラーセン (48180 km2)
  フィンブル (41060 km2)
  シャクルトン (33820 km2)
  ジョージ6世 (23880 km2)
  ウエスト (16370 km2)
  ウィルキンス (13680 km2)
ロス棚氷

2001年現在の棚氷の一覧。

  • ロス棚氷(Ross)
  • ロンネ棚氷(Ronne)
  • フィルヒナー棚氷(Filchner)
  • アメリー棚氷(Amery)
  • ラーセン棚氷(Larsen)→ラーセンA・ラーセンBが氷山として分離、ラーセンC棚氷(Larsen C)のみが残存
  • リーセル・ラーセン棚氷(Riiser-Larsen)
  • フィンブル棚氷(Fimbul)
  • シャクルトン棚氷(Shackleton)
  • ジョージ6世棚氷(George VI)
  • ウエスト棚氷(West)
  • ウィルキンス棚氷(Wilkins)→2009年4月5日の時点で南極大陸からの分離が確認された[1]
  • ゲッツ棚氷(Getz)
  • クック棚氷(Cook)
  • ドットソン棚氷(Dotson)
  • コスグローヴ棚氷(Cosgrove)
  • アボット棚氷(Abbot)
  • ヴェナブル棚氷(Venable)
  • バッハ棚氷(Bach)
  • プリンスグスタフ棚氷(Prince Gustav)
  • ブラント棚氷(Brunt)
  • キュアー棚氷(Quar)
  • エクストレム棚氷(Ekström)
  • ラザレフ棚氷(Lazarev)

脚注

関連項目

外部リンク


棚氷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 02:32 UTC 版)

南極の気候」の記事における「棚氷」の解説

南極の殆どの海岸線は棚氷(海に浮く氷床)か氷壁陸上の氷)である。棚氷は、ゆっくりと後続氷河押し出されていくのに伴って融けた細かく分裂したりする。既に浮いている棚氷が融けても海水準は殆ど変化しないが、それによって後続氷河流下速度速める可能性がある。 南極半島周辺海岸沿い氷河変遷 19361989年: Wordie棚氷が明らかに小さくなる1995年: プリンスグスタフ海峡から氷が無くなる (Prince Gustav Channel)。最期に氷が無くなったのはおよそ1900年前〜6500年前の間であり、それはおそらく完新世の気候最温暖期思われるラーセン棚氷一部過去何十年かの内に分裂1995年: ラーセンA棚氷1月崩壊2001年: ラーセンB棚氷広さ3,250 km²2月崩壊ロス棚氷ラーセン棚氷参照のこと。

※この「棚氷」の解説は、「南極の気候」の解説の一部です。
「棚氷」を含む「南極の気候」の記事については、「南極の気候」の概要を参照ください。

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