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滝口順平とは? わかりやすく解説

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滝口順平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/21 18:20 UTC 版)

たきぐち じゅんぺい
滝口 順平
プロフィール
本名 滝口 幸平(たきぐち こうへい)[1][2]
性別 男性
出身地 日本千葉県船橋市[3]
死没地 日本千葉県船橋市
生年月日 (1931-04-17) 1931年4月17日
没年月日 (2011-08-29) 2011年8月29日(80歳没)
血液型 O型[4][5]
職業 声優俳優
配偶者 あり[6]
公称サイズ(時期不明)[7]
身長 / 体重 167 cm / 67 kg
声優活動
活動期間 1950年代 - 2011年
ジャンル アニメ吹き替えゲームナレーション
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

滝口 順平(たきぐち じゅんぺい、1931年昭和6年〉4月17日[2][8][9] - 2011年平成23年〉8月29日[10][11])は、日本声優俳優千葉県船橋市出身[3]。本名および旧芸名は滝口 幸平(たきぐち こうへい)[1][2]

来歴

生い立ち

少年時代、父は定職を持たず、あれこれ手を出しては失敗を繰り返しており、家族はいつも貧乏のどん底で悲惨な生活に強いられていた[2]。心の奥底で、「ひとつのことをコツコツ続けるのだ、いや続けなくてはならないのだ……」と叫び続けていた声があったという[2]

中学生の頃にラジオドラマが好きだったこと、親戚に浪曲師春日井梅鴬がいたことから、将来は芝居浪曲のどちらかをやりたいと考えていた[5]

1949年千葉県立市川工業高等学校機械科卒業後は地元の工場に就職していたが、高校時代に放送部でしていた朗読をひっさげ、『のど自慢素人演芸会』(現:『NHKのど自慢』)に出場して合格[2][7]

その後、小山源喜が主宰していたキリン座に入団して声優の修業をしていた[2]

キャリア

「これからの時代は放送業界だろう」と決断をしていたところ戦後に発足したラジオ東京(現在、法人としてはTBSホールディングス、放送局としてはTBSラジオTBSテレビ放送劇団(第1期)の募集で3千人くらいの応募総数の中から選ばれて合格し、芸能界に入った[2][5][12]。当時はトップの成績であり、男性では20歳の滝口が最年少だったという[5]。1957年2月に「己の声優として真価をもっと広い世界で問うてみたい」と退団後[2][13]、衣笠プロ[14]グループりんどう[15]東京俳優生活協同組合[16]、東京アクタープロ[7]を経て、フリー[3]

数多くのラジオ・ドラマに出演しており、その後はテレビ洋画の日本語版声の吹き替えを担当し、アテレコの草分け的存在となっていた[3]

晩年・死去

80歳近くになっても、アニメではリメイク版『ヤッターマン』(読売テレビ)や『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ)などに出演し、『堂本剛の正直しんどい』(テレビ朝日)の企画「芸能人しんどい指令」や、『スキバラ・雨上がり決死隊の決死隊 トッターマンDS』(テレビ東京)などで、ドクロベエ風の声でのバラエティ系番組のナレーターも多く務めた。

2011年8月29日午前7時33分、胃癌のため、入院先の病院で死去[10][11]。80歳没。

なお生前に収録したNTTファシリティーズのエコロじいの声は、死去後も2012年3月までCMやNTTファシリティーズ公式サイトで聞くことができた(2012年4月より別の声になっており、公式サイトも別の声に差し替えられている)。『CRヤッターマン 天才ドロンボー只今参上!』やパチスロ『新・ドロンジョにおまかせ』にも生前に収録したドクロベエの声として出演している。また同じく代表作である「浜乙女」の語り部の声は2022年10月現在も聞くことができる。

2012年、第六回声優アワード「特別功労賞」を受賞[17]

人物

民間放送初の声優である[3]

声種バスバリトン[7][18]

役柄としては、太った悪役、少しコメディがかかった敵役で知られていた[12]

アニメでは『ヤッターマン』でのドクロベエ役をはじめとした「タイムボカンシリーズ」が代表作に挙げられることが多く、「おしおきだべ」の台詞で知られている。

ルパン三世』ではミスターX役で最多出演している。

CMにも多数出演している。

ハンナ・バーベラ作品(外国アニメ)の吹き替え出演も多い。

若いころ、海に向かって毎日大声で叫んでを鍛えたそうで、喉の丈夫さには自信を持っているとコメントしている。また、独特な声のために、1日にうがいを50回するほど喉を大事にしていた。しかし、晩年までたばこはやめなかった。台本に書いたアドリブなどは盗まれないように消しゴムで全部消していく[19]

「声優は声から視聴者に抱かれるイメージが大事であり、そのイメージを壊したくない」との理由で、テレビ番組に出演しても、顔が放送されないように番組側に依頼していたという(2007年9月30日放送、日本テレビ『行列のできる法律相談所』内での本人談)。しかし、自身がナレーターを務めた『ぶらり途中下車の旅』では、1996年 - 2002年にかけて数回、ロケーション撮影の一場面で顔出し出演をしており、そのたびに旅人を驚かせていた。また2007年の春頃に、一度だけ『ザ・ワイド』(日本テレビ・読売テレビ)の1コーナーにおいてナレーションをした際、「私、滝口順平がお送り致します」というナレーションとともに、数秒間だけナレーション中の滝口が顔出しを行なったり、2007年11月12日の深夜にテレビ朝日で放送された『快感MAP』においても、『YATTERMAN〜ヤッターマン〜』のドクロベエ役として素顔とともに出演したりした。『快感MAP』に出演した理由は、滝口が調査員役のにしおかすみこのファンでもあったため。また、2007年11月16日にテレビ朝日で放送された『報道ステーション』内の団塊の世代向けの「懐かしのアメリカ映画」のコーナーで、初めて吹き替えをした人物として、素顔とともに紹介された。

2007年11月26日に日本テレビで放送された『NNN Newsリアルタイム』のコーナー「リアルエンタメ」で、実写版『YATTERMAN〜ヤッターマン〜』の主人公ガンちゃんこと高田ガン役にのメンバー櫻井翔が決まったことについてのインタビューに応じた。

松村邦洋ホリコージー冨田カール北川山口智充林家たい平大泉洋タモリ山本剛士古賀慶太櫻井翔などに物真似をされている。2011年6月4日放送『ぶらり途中下車の旅』では、旅人で出演した青木隆治が滝口のナレーションつきで物真似をしている。

趣味は読書[9]

既婚者で息子と娘がいた[6]

エピソード

1956年、日本初の吹き替え外国テレビドラマ『カウボーイGメン』では、滝口一人で女性役も含め全ての登場人物の声を生放送で同時にあてて放送された[2][5]。生放送だったため、そのフィルムは存在していないが吹替の歴史を紹介する番組に出演して当時の再現をすることがあった。

ぶらり途中下車の旅』などのナレーターを務める番組で、出演者が食事をするシーンが多くあることから、滝口自身も旅人と一緒に旅をして食べ物を口にしていると、一部の視聴者に誤解されていた。『ぶらり途中下車の旅』については、滝口自身がロケに参加した回が存在する。

かつて、ゴキブリ捕獲器のCMにおいてゴキブリのキャラクターに扮した際、「ワシのマークの大正の」という独特のナレーションを行った。キャッチコピーの「バカとれ」という言葉は、当時の流行語にもなった。

2008年5月と2011年8月、一時休養をとった[20]。その間『ぶらり途中下車の旅』のナレーションはえなりかずき近石真介神谷明増岡弘が代役を務めた後、2011年10月1日放送分からは藤村俊二が滝口の後任ナレーターに就任した。

死去直後である2011年9月3日放送の『ぶらり途中下車の旅』では「さようなら滝口順平さん」という副題の追悼番組が放送され、次週の沿線場所予告含めナレーションの大部分は滝口のものを使用し、最後に本人の顔写真が起用された。一部は増岡弘が新録で担当。そして番組の最後に阿藤快舞の海太川陽介が画面に登場して追悼の言葉を述べたあと、「滝口さん 天国でもいい旅を続けてくださいね」という追悼テロップが挿入された。

代役・後任

滝口の死後、代役を務めたり、持ち役・ナレーションを引き継いだりした人物は以下の通り。

後任 役名 作品 代役・後任の初担当作品
藤村俊二 ナレーション ぶらり途中下車の旅 2011年10月1日放送分[注 1]
増岡弘 ヤクルト本社 ミルミル」TVCM TBA
古賀慶太 ぴったんこカン・カン TBA
銀河万丈 「ぶらり赤字列島の旅」ナレーション ビートたけしのTVタックル TBA
ホリ ドクロベエ ヤッターマン 夜ノヤッターマン
茶風林[注 2] エコロじい NTTファシリティーズ 2012年4月分
ミスターX ルパン三世 (TV第1シリーズ) 『ルパンは今も燃えているか?』
妖怪学校の先生 かいけつゾロリ 映画かいけつゾロリ だ・だ・だ・だいぼうけん!
吉野貴宏 もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ
森功至 サンタクロース それいけ!アンパンマン 2014年12月19日放送分[注 3]
佐藤正治 最長老 ドラゴンボールZ ドラゴンボール ゼノバース2[注 4]
増谷康紀 ドラゴンボールフュージョンズ
岸哲生 ウルル 恐竜大戦争アイゼンボーグ 帰ってきたアイゼンボーグ
長嶝高士 ごきげん 白雪姫 ディズニー・クリスマス・ストーリーズ[注 5]
ジッポウ 忍者ハットリくん 『P忍者ハットリくん〜決戦!サイバーからくり城の巻』
仲野裕 エイブラハム・シンプソン ザ・シンプソンズ シーズン15以降
山本満太 ハイマン・クラストフスキー

出演

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

1963年
1965年
1966年
1967年
1968年
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
1975年
1976年
1977年
  • 恐竜大戦争アイゼンボーグ神原五郎[29]帝王ウルル
  • ヤッターマン(1977年 - 1979年、ドクロベエ[30]、呼び出し、チョロ吉、ドクロック、ゲスダー、スッテン童子、コショウダユウ、チン皇帝、王様、ナランダ国国王、玉置ドクロ、ラッキー、パン屋の親方、ノダイコン、ボヤッキトン長官、キナコウズケノスケ)
  • ルパン三世(第2作)(1977年 - 1978年)
1978年
1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年

劇場アニメ

1962年
1970年
1971年
1974年
1976年
1980年
1982年
1983年
1985年
1986年
1987年
1989年
1990年
  • 太郎ヶ池の夏まつり(庄屋[42]
1991年
1992年
1993年
1998年
2001年
2006年
2008年
2009年

OVA

1979年
1986年
1987年
1990年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
2002年

ゲーム

1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2015年

吹き替え

俳優

クリフトン・ジェームズ
ゲルト・フレーベ
フェルナンド・サンチョ

映画

ドラマ

海外人形劇

アニメ

特撮

人形劇

ラジオドラマ

テレビドラマ

映画

ラジオ

ナレーション

CM

歌曲・レコード・CD・LPドラマ

その他のコンテンツ

脚注

注釈

  1. ^ 2011年9月3日放送分の新録部分および2011年9月17日・9月24日放送分では増岡弘、2011年9月10日放送分では林家たい平が代役を担当し、2011年10月1日放送分以降は正式に藤村が後任となった。しかし、藤村も2015年10月に降板。後任は小日向文世
  2. ^ 滝口の存命時に『ボカンと一発!ドロンボー』で一時的にドクロベエの代役をしていた。
  3. ^ 滝口の死去直後の2011年から2013年までは代役を立てず、台詞無しでの登場となり、2014年から森が演じることになった。
  4. ^ 佐藤は滝口の生前より、『ドラゴンボールZ』第100話から第105話まで一時的に最長老役を担当したことがある。
  5. ^ 滝口の存命時に『ライオン・キング3 ハクナ・マタタ』でごきげん役で代役を担当したことがある。
  6. ^ 『スーパーロボット大戦F』(1997年)、『完結編』(1998年)
  7. ^ 『ビックリドッキリ大作戦だコロン』(2008年)、『2 ビックリドッキリアニマル大冒険』(2009年)

出典

  1. ^ a b 成美堂出版 編「男性篇」『声優名鑑』成美堂出版、1999年8月10日、162頁。ISBN 4-415-00878-X 
  2. ^ a b c d e f g h i j 勝田久「file No.14 滝口順平」『昭和声優列伝 テレビ草創期を声でささえた名優たち』駒草出版、2017年2月22日、195-200頁。ISBN 978-4-905447-77-1 
  3. ^ a b c d e 【8月4日開催】『ぶらり途中下車の旅』ナレーションでお馴染み、滝口順平さんによるレッスン!”. 尚美ミュージックカレッジ専門学校 (2006年6月15日). 2020年1月17日閲覧。
  4. ^ 滝口 順平」『Excite News』(エキサイト株式会社)。2023年11月5日閲覧。
  5. ^ a b c d e 「極 声魂/滝口順平」『声優アニメディア』2009年10月号、学研ホールディングス、2009年10月、102-103頁。 
  6. ^ a b 「YYジャーナル」『週刊宝石』1993年10月21日号、光文社、1993年10月、157頁。 
  7. ^ a b c d 『アニメーション大百科』東京三世社、1981年、201頁。 
  8. ^ 『日本音声製作者名鑑2004』vol.1、小学館、2004年3月、67頁、ISBN 978-4-09-526301-4 
  9. ^ a b 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、95頁。 
  10. ^ a b 【訃報】ドクロベエの声、滝口順平さん死去 日テレNEWS24 2011年8月29日閲覧(2015年4月23日時点のアーカイブ
  11. ^ a b “「ぶらり途中下車の旅」滝口順平さん死去”. 日刊スポーツNEWS. (2011年8月29日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20110829-827464.html 2023年11月5日閲覧。 
  12. ^ a b 小川びい『こだわり声優事典'97』徳間書店〈ロマンアルバム〉、1997年3月10日、81頁。ISBN 4-19-720012-9 
  13. ^ 週刊新潮』4月14日、新潮社、1958年。 
  14. ^ 「新桜オールスタァ名鑑」『芸能画報』2月号、サン出版社、1958年。 
  15. ^ 「税制改正と体質改善」『放送エンマ帳 テレビは曲り角にきている』オリオン出版社、1967年、190頁。 
  16. ^ 『近代映画』9月号、近代映画社、1979年、117頁。 
  17. ^ 『第六回声優アワード』受賞者先行発表!”. 声優アワード. 2012年2月22日閲覧。
  18. ^ 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、90頁。 
  19. ^ 神谷明「八奈見乗児」『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』主婦の友社、1994年1月6日、ISBN 4-07-214333-2、282頁。
  20. ^ ぶらり途中下車の旅! (神谷明オフィシャルブログ 2011年8月15日付)によると、滝口の夏休みとしている。滝口が死去したのは、この2週間後のことであった。
  21. ^ “どろろ”. 手塚治虫公式サイト. https://tezukaosamu.net/jp/anime/37.html 2016年5月6日閲覧。 
  22. ^ 珍豪ムチャ兵衛”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2024年4月27日閲覧。
  23. ^ a b 尾形英夫 編「声のヒーロー37人総登場」『ロマンアルバム(4) テレビランド増刊号 デビルマン』徳間書店、1978年2月25日、74頁。 
  24. ^ ドロロンえん魔くん”. 東映アニメーション. 2016年6月4日閲覧。
  25. ^ 小さなバイキングビッケ”. メディア芸術データベース. 2016年12月7日閲覧。
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  27. ^ 作品データベース タイムボカン”. タツノコプロ 公式サイト. タツノコプロ. 2024年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月27日閲覧。
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  29. ^ 恐竜大戦争アイゼンボーグ”. メディア芸術データベース. 2016年12月3日閲覧。
  30. ^ 作品データベース ヤッターマン”. タツノコプロ 公式サイト. タツノコプロ. 2024年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月27日閲覧。
  31. ^ 宝島”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2024年4月27日閲覧。
  32. ^ 作品データベース オタスケマン”. タツノコプロ 公式サイト. タツノコプロ. 2023年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月27日閲覧。
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  67. ^ a b c 『小説倶楽部』三月特大號、桃園書房、1957年3月。 
  68. ^ 滝口順平 - オリコンTV出演情報

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