しょうめい‐だん〔セウメイ‐〕【照明弾】
【照明弾】(しょうめいだん)
Illuminating Flare.
夜間に目標を照らし出し視界を確保するための砲弾。
十分な高度を取ってからパラシュートで滞空し、周囲を数百メートルに渡って照らし続ける。
照明の持続時間はおおむね数十秒から数分だが、実際には灯が消える前に次弾が打ち上げられる。
直接的な殺傷能力はないが、燃料を燃やして発光しているため、森林などでは火災の原因になる危険性がある。
間接砲撃が可能な砲で打ち上げるのが一般的で、普通は迫撃砲か榴弾砲による。
ただし艦載砲の砲弾として、あるいは航空支援のロケット弾として運用される場合もある。
夜間のCQBでは滞空機能のない手榴弾としての照明弾が利用される場合もある。
航空機から投下されるものは、他と区別して吊光弾(ちょうこうだん)と呼ぶことがある。
一方で、照明による利点は敵側も享受でき、また照明弾が投下される事で敵の存在とその配置を敵に教えてしまう。
現代戦のように暗視装置を利用できるなら、照明を用意せず暗闇のまま行動した方が有利である。
このため、夜間に襲撃を受けた際に防衛側が利用するのが一般的。
照明弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/14 06:58 UTC 版)
照明弾(しょうめいだん、illuminating flare, star shell)は、銃・砲・飛行機・船舶・車両などから夜間に発光する物体を空中に放ち、周囲を照らし視界を確保したり、味方に合図を行うために使用するものである。英語のstar shellの直訳から星弾(せいだん)とも呼ばれる。
軍事用の照明弾
夜間に目標を照明し観測するために使用する砲弾等である。榴弾砲や迫撃砲、信号拳銃などの各種火器で上空に打ち上げられるか、航空機から投下され、空中でパラシュートを開き、降下しながら数分間周囲を照射する。 ベトナム戦争を戦ったアメリカ軍では、航空機の欺瞞兵器として発展したフレアも照明弾として使用した[1]。
発光物質は古くはアルミニウム粉、硝酸バリウム、硫黄をワセリン、パラフィンなどで練り合わせた物が使用されてきた。近年では、アルミニウム粉よりも強い光を出すマグネシウム粉と硝酸ナトリウムが使用されるようになった。
構造
砲弾の場合の構造は、弾殻が輪切りになるように二つに分かれており、一方がもう一方に圧入されるか接合されて一発の弾丸を形成する。信管は弾頭か弾底に設置され、空中で作動させるという特性上、時限信管が装着されることが多い。
内部構造は、アルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分とする照明剤を詰めた容器がパラシュートと繋がっており、弾殻を分裂させながらこれを射出する放出火薬と、照明剤着火の導火線にあたる火管が内蔵されている。
類似品
似たような物に曳光弾、閃光手榴弾があるが、これは用途が別のためここには含めない。
照明弾の種類
- M314照明弾(M314 105mm Illuminating Cartridge)
照明弾に関連する事故
- 1965年7月17日 - 航空自衛隊第51航空隊所属のP-2哨戒機が新型照明弾の投下試験中、機体が炎上して墜落した。11人死亡。試験を行っていた照明弾は、アメリカ軍の使用していた吊光弾よりも燃焼時間を長くしたもので、投下方法も従前の航空写真撮影用の穴から横壁の穴、ソナー投下用の穴など場所を変えて試験を行っている最中であった[2][3]。
脚注
- ^ “AC130J「ゴーストライダー」に搭乗、米軍最大の航空砲を搭載”. CNN (2024年8月10日). 2024年8月11日閲覧。
- ^ 「自衛隊機が墜落 銚子沖 乗員11人絶望」『日本経済新聞』昭和40年7月17日夕刊 1面
- ^ 「照明弾投下操作誤る?新型の実験中」『日本経済新聞』昭和40年7月18日 15面
関連項目
照明弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 02:38 UTC 版)
大きな仰角で打ち上げられるとパラシュートが開いて光りながらゆっくり降下してくる。
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「照明弾」の例文・使い方・用例・文例
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