風災
風害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/15 09:56 UTC 版)
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風害(ふうがい)は、風によって引き起こされる、災害全般のことである。主に台風・低気圧による強風(暴風)、竜巻やダウンバースト、塵旋風などによる突風などが原因となる。
風害には雨を伴うことが多く、風害と水害の被害を分けることは難しく、風水害とすることも多い。
被害の種類・範囲
被害としては、突風や暴風による、屋根瓦などの飛散といった直接的な損害や、倒木・飛来物などによる建物や人体への被害がある。過去には建築文化財への被害があるなど、影響も大きい。他に、電柱の倒壊や電線の切断による電力・通信インフラへの被害、航空機や列車の運休など交通への影響が発生することもある。
農作物への被害も大きく、日本国内では風害の主原因となる台風が、リンゴやナシなどの収穫前の時期と重なることもあり、それら果樹の落下や稲作では稲穂が倒れ、甚大な被害を発生することが多い。
また、台風・低気圧を原因とする場合、気圧の低下による高潮に加え、強風により堤防の決壊や浸水、船舶の座礁や転覆などが発生することもあり、特に強風を原因とする場合に、これらも風害に含められる。
局地的な風害
竜巻やダウンバーストを原因とする風害の場合、局地的な建物の倒壊などのほか、航空機の離着陸中の事故なども発生している。
また近年では、高層ビル・マンションなどによって風の向きが変えられて発生するビル風は、歩行が困難になったり、物が飛ばされるようなこともある。これも風害として扱われる。
関連する災害
風害では、風により物品が飛んだり、または風の持つ直接的な力で社会インフラがダメージを被る事があるが、これとは別に沿岸部では高潮が誘発されたり、海水が風によって飛ばされるなどして塩害と呼ばれる問題を引き起こすこともある。高潮による農作物への被害や、電線路に海水のしぶきがかかり、がいし表面に付着、漏電(地絡)して停電を引き起こす事例もある。
波の花は能登半島の冬の風物詩であるが、これが風に乗って塩害を発生させることもある。波の花の発生には波の高さと風の強さが関係することも知られており、特に風の強い日は、この波の花が大量に発生、停電や塩害といった様々な問題を招いている[1]。
主な風害
- 1959年 伊勢湾台風: 死者・不明者5098名。最大風速75メートル毎秒 (m/s)。
- 1991年 台風19号: 青森県では、収穫前のリンゴのおよそ80 %が落下し、甚大な被害を生んだ。死者・不明者86名。最大風速は50 m/s(最大瞬間風速60.9 m/s)。
- 2004年 台風23号: 日本各地で強風による高波での浸水、船舶の座礁・転覆が相次いだ。死者・不明者94名。最大風速は45 m/s。
- 2005年 台風14号: 青森県で、リンゴの落果被害は1730トンで、被害面積は7339ヘクタール、被害総額は2億5834万円に上った。死者26名。最大風速は50 m/s(最大瞬間風速59.2 m/s)。
- 2005年 ハリケーン・カトリーナ: アメリカ南東部で多数の死者と大きな被害が出る。最大風速は78 m/s。
- 2018年 台風21号: 近畿地方中心に記録的な暴風を記録した。関西国際空港が高潮により浸水し、連絡橋の決壊もあった。
脚注
関連項目
外部リンク
風害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 09:00 UTC 版)
風による災害は風害と総称される。低気圧によるものが多いため水害と併発することも多く、まとめて風水害と呼ばれることがある。 風害の最も大きな原因は低気圧による強風であり、なかでも台風に代表される熱帯低気圧は非常に強い風を引き起こす。こうした強力な低気圧は海にも影響を及ぼし、海面の吸い上げによって高潮を引き起こす。海水面が高くなる高潮と異なり、高波はその名の通り波が高くなることで、低気圧による強風によって発生する。こうした高潮・高波は堤防や港湾の破壊、侵食、浸水、船の座礁を引き起こす。このほか、ダウンバーストや竜巻なども大きな被害をもたらす。竜巻は持続時間こそせいぜい1時間程度と短く被害範囲も狭いが、時速は50km程度と速い上風速は時速400kmにも達するため、進路上にある地域に甚大な被害を与える。竜巻の発生が特に多いのは北アメリカ大陸であるが、それ以外の世界各地でも発生している。 寒冷地では冬季に吹雪が吹くことがあり、視程障害(ホワイトアウト)によって交通障害などを引き起こす。砂漠における砂嵐も同様に、視程障害や呼吸困難などをもたらす。また、東北地方の太平洋側で夏に北東から吹き込むやませのように、風が冷気を呼び込んでその地方に低温と冷害をもたらすような場合もある。 他の自然災害と同様、風害の発生が予測される場合、いくつかの国では政府が警報を発表し警戒を促す。日本ではこの業務は気象庁が担当しており、警戒水準によって強風注意報、暴風警報、そして暴風特別警報の3段階が存在する。また吹雪の場合は風雪注意報と暴風雪警報が、高波の場合は波浪注意報と警報が発令される。
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