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黄金の鳥とは? わかりやすく解説

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黄金の鳥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/25 09:06 UTC 版)

黄金の鳥』(おうごんのとり、:Der goldene Vogel) は、グリム兄弟によるグリム童話のひとつ(KHM番号[注 1]57)で、3人の王子が黄金の鳥を探し求める話である[1]

パウル・セビオフランス語版が収集したフランス民話では、『金色のクロウタドリ』となっている。アンドリュー・ラングはこのバージョンを『みどりいろの童話集』に収めている[2]

アールネ・トンプソンのタイプ・インデックスではAT番号550『金色の鳥』に分類される。このタイプの民話には、他に『グリップという鳥』『The Greek Princess and the Young Gardener』『イワン王子と火の鳥と灰色狼』『How Ian Direach got the Blue Falcon』『The Nunda , Eater of People』などがある[3]

あらすじ

王様の持っているリンゴの木は、毎年、黄金のリンゴを実らせる。しかし毎年、夜の間に黄金のリンゴが1個、盗まれていた。

王様は三人の王子を見張りに立たせた。第一と第二の王子は寝入ってしまったが、最も若い第三の王子は寝ずの番を続け、リンゴ泥棒が黄金の鳥であることを知る。彼は黄金の鳥を射落とそうとするが、羽が落ちただけであった。

だがその黄金の羽はあまりにすばらしく、王様は黄金の鳥が欲しくてたまらなくなった。王様は黄金の鳥を捕らえるために三人の王子を次々に旅立たせた。

三人の王子たちは、人語を話すキツネに出会う。キツネは彼らに「灯火が明るい楽しげな宿でなく、悪い宿を選ぶこと」という助言を与える。

第一と第二の王子は、キツネの助言を無視して心地良さそうな宿に泊まってしまい、居心地の良さにおぼれて探索を断念する。

第三の王子はキツネの助言に従う。しかし、「黄金の鳥は金のカゴではなく木のカゴに入れなければいけない」というキツネの助言に背いてしまう。その結果、黄金の鳥は黄金の城を目ざめさせ、王子は逆に捕えられてしまう。

第三の王子は、生命を助けて欲しければ黄金のを連れて来いと命ぜられる。

キツネは第三の王子に「黄金の馬には黄金のではなく木の鞍を置くように」と助言する。しかし、王子は同じ失敗を繰り返す。

第三の王子は、黄金の城で姫と出会う。

キツネは第三の王子に「姫には両親への別れの挨拶をさせないように」と助言する。しかし、王子は同じ失敗を繰り返す。

姫の父は第三の王子に、生命を助けて欲しければ丘を除去するようにと命令する。

キツネが丘を取り除き、さらにキツネは第三の王子に全てのもの(黄金の鳥、黄金の馬、姫)を得る方法を助言する。そしてさらにキツネは第三の王子に「自分の首を切り落としてくれ」と頼んだ。

王子がそれを拒絶すると、キツネは「吊るし肉(gallowsflesh)を買って、井戸の端に座ること」についての警告をする。

第三の王子は、彼の兄たちが絞首台に掛けられることになっていることを知り、彼らの自由を買いとる。助けられた二人の兄王子は、第三の王子が得たものを発見する。そして第三の王子が井戸の端に座ったとき、兄たちは彼を井戸に突き落とした。二人の兄王子は黄金の鳥と馬、姫を連れ帰り、父王に成功を報告する。しかし、黄金の鳥と馬、姫は第三の王子の死に深く悲しみ、生気を失う。

だが第三の王子はキツネの手で救われていた。

第三の王子は乞食の姿に身をやつして父王の城に戻り、黄金の鳥と馬、姫は第三の王子に気付いて生気を取り戻す。

二人の兄王子は死刑になり、第三の王子は姫と結婚する。

最後に、第三の王子はキツネの望み通り、彼の首をはねる。するとキツネにかかっていた魔法が解け、キツネは姫の兄であったことが明らかにされる。

ヴァリエーション

『金色のクロウタドリ』
医師から「父王の病気を治すためには金色のクロウタドリが必要だ」と告げられた3人の王子が旅立つ。兄ふたりは、いかなる警告も受けることなく宿屋へ至る。最も若い王子が宿を通り過ぎた後で、彼を援助する人語を話すウサギと出会う。馬は、単に購入されるだけの存在である。そして、彼は陶器の乙女(王女の像)を得るために2つの使命を実行する必要はなかった。また、話の終わりにウサギが変化することはない。

アニメ

グリム童話
金の鳥
監督 平田敏夫
脚本 田代淳二
原作 グリム兄弟(『黄金の鳥』)
製作 今田智憲
出演者 三輪勝恵
藤田淑子
木ノ葉のこ
富山敬ほか
音楽 クニ河内
撮影 石川欽一
編集 望月徹
製作会社 東映動画
配給 東映
公開 1987年3月14日
上映時間 52分
製作国 日本
言語 日本語
前作 まんがイソップ物語1983年
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グリム童話 金の鳥』のタイトルで、「東映まんがまつり」より、1987年3月14日公開。52分。製作されたのは1984年だが、一般公開はかなり遅れた。製作にはマッドハウスも関わっている。

キャッチコピーは「こころに愛と勇気と明るさを! 楽しさいっぱいのものがたり!![4]

「東映まんがまつり」で長編名作アニメが公開されたのは、1983年3月13日公開の『まんがイソップ物語』以来4年振りだが、本作が事実上最後となり、以後はテレビアニメやテレビ特撮の劇場用新作のみの構成となる。

スタッフ

主題歌

「地球はパーティー」
作詞・作曲 - クニ河内 / 唄 - 三輪勝恵、こおろぎ'73
「ユア・ラブソング」
作詞・作曲 - クニ河内 / 唄 - 松木里江
「ジュモン ナンモン ユメミルモン」
作詞・作曲・唄 - クニ河内

キャラクター

ハンス(声:三輪勝恵
主人公。第三の王子。身の丈ほどもある大きな剣を持っている。お人好しな性格の少年。父親の命を受け、金の鳥を探しに行く道中、ルルと出会ったことから、魔女との対決に向かっていく。
ルル(声:藤田淑子
紫色のキツネ。衣服を纏い、二足歩行をし、人語を解する。度々ハンスを助けてくれる。ヨーヨーが得意。
ローランド姫(声:木ノ葉のこ
白バラ城の姫。可愛らしい見た目とは裏腹に、忍び込んできたハンスを押さえつけるなど、勝ち気な少女。行方不明の兄を捜している。
魔女(声:富山敬
金が大好きな我が儘な魔女。金の鳥を溺愛し、金の鳥を傷つけたハンスに恨みを抱く。
カネマッチ王(声:滝口順平
魔女と結託し、戦争を起こしまくっている王。魔女の作り出す、魔法の兵隊を引き連れ、あちこち戦争を仕掛けている。
カイゼル王(声:宮内幸平
ハンスと兄たちの父親。毎夜、金のりんごが盗まれることに腹を立て、息子たちに見張り番を命じる。
クロイラー王子(声:古川登志夫
カイゼル王の長男で、第一の王子。長身で身なりを気にするナルシスト。
ワルナー王子(声:山本圭子
カイゼル王の次男で、第二の王子。いつも棒付きキャンディーをなめている肥満体。
大とり(声:八奈見乗児
ハンスとルルが落ちた谷底にいる巨大なピンクの鳥。ワインが大好きで、ワインと引き換えに、ハンスたちを背に乗せる。
山猫A(声:田の中勇)、山猫B(声:塩屋浩三)、山猫C(声:田中和実
魔女の手下である三匹の山猫。コウモリのような翼で飛び回る。
白バラ王(声:青野武
ローランド姫の父親。忍び込んできたハンスを即座に死刑にしようとするなど、短気な性格。
金の鳥
魔女が溺愛している黄金の鳥。ハンスによって、羽を一枚奪われる。不思議な力を持っているようで……。

原作との相違点

  • 黄金の城は、登場しない。
  • 黄金の馬は、登場しない。金の木馬は登場するが、鞍などの設定はない。
  • 悪役として、金の鳥を持つ魔女が登場する。
  • 兄王子たちは中盤以降、ラストシーンまでは登場せず、ハンスの殺害未遂へも至らず、また死刑にはならない。
  • キツネの魔法の解け方が異なっている。

同時上映

いずれのTVブローアップ版であり、「長編アニメ」と「TVブローアップ作品」のみで構成されたのは1976年冬興行以来にして最後、そして「TVブローアップ作品」が公開されたのも、今回が事実上最後となる。

映像ソフト

  • 1987年7月10日東映ビデオからビデオソフト(VHS、ベータ)が発売&レンタルされたが廃盤、現在でも単独は元より「復刻! 東映まんがまつり」版でもDVD化はされてない。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ グリム童話に付けられる通し番号。

出典

  1. ^ Jacob and Wilheim Grimm, Household Tales, "The Golden Bird"
  2. ^ Andrew Lang, The Green Fairy Book, "The Golden Blackbird"
  3. ^ Heidi Anne Heiner,"Tales Similar to the Firebird"
  4. ^ 「アニメチラシ大カタログ」(勁文社)36頁 2000年

外部リンク




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