B&V傘下へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 22:53 UTC 版)
「シダックス・コミュニティー」の記事における「B&V傘下へ」の解説
シダックスのレストランカラオケ事業は、コシダカホールディングス(「カラオケ本舗まねきねこ」)・東愛産業(「ジャンボカラオケ広場」)・クリアックス(「歌広場」)といった低価格チェーン店の台頭により2000年代後半以降は低迷が続いていた。シダックスは郊外大型店が多く、店舗の土地賃貸契約が15 - 20年であること(契約期間中に閉店した場合は高額の違約金が発生する)などから近年のヒトカラや少人数利用へのシフトに対応できず、旧来のグループ客・食事利用に依存する経営が続いていた。それ故に、シダックスの店舗は「家から遠く、料金も高い」というイメージが定着し、飲酒運転に関する処分の厳罰化や同業他社が飲食物の持込を認めるなどしたため、シダックスの利用客は減少していった。さらには人員削減や維持管理費の削減などのコストカットも裏目に出る結果となった。朝日新聞が2018年6月の週末の夜に東京都内で行ったシダックスとカラオケ館との比較調査では、シダックスは店内は閑散としており、設備の手入れが行き届かないなど維持管理費の削減が表面化していたのに対し、カラオケ館は設備の手入れが行き届いており、仕事帰りの若年層でにぎわっていたという。1ルーム30分の利用料金(いずれも1ドリンク制)においても、カラオケ館の安さが際立っていた。このため売上減少や固定費や出店費用増大を招き、2016年3月期より赤字決算が続いていた他、2017年3月期に純資産において約8億7000万円の債務超過に転落。2018年3月期でも約24億円の最終赤字、約33億円の債務超過にそれぞれ陥ったことから、当時の親会社であったシダックスは2018年5月30日にカラオケ館などを運営するB&Vと資本・業務提携を締結。 シダックスが保有するシダックス・コミュニティー株式の内81%並びに、シダックストラベラーズコミュニティーの債権は、2018年6月7日付でB&Vへ譲渡され、シダックス・コミュニティーはB&Vの連結子会社となった。B&Vはシダックス・コミュニティーに対して経営指導並びに資金の支援を行う他、既存店舗のリニューアルやオペレーションの改善を実施し、一部の店舗は「カラオケ館」へ転換された。残る19%の株式を保有するシダックスは、食材・消耗品の販売・配送、 業務管理システムの提供、個人情報管理・会員サービスの提供をそれぞれ行うとしている。同年8月には本社をB&V本社と同じ中野区にあるサンバレービルへ移転した他、社長執行役員にB&V専務執行役員を務めている前田英男が就任した。同年11月には本社所在地を練馬区へ再移転した他、本店所在地もシダックスと同じ調布市から、B&Vの本店所在地と同じ練馬区へ移転した。これに伴い、シダックス・コミュニティーとシダックストラベラーズコミュニティーの2社は、シダックスグループから離脱した。 2020年7月にシダックスが保有していた株式19%がB&Vへ譲渡され、シダックス・コミュニティーはB&Vの完全子会社となった。
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