Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

SMTPSとは? わかりやすく解説

エス‐エム‐ティー‐ピー‐エス【SMTPS】


SMTPS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 07:57 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

SMTPSは、通信プロトコルのひとつ。TLS (Transport Layer Security)を用いてSMTPをセキュアにする手法である。

概要

SMTPSはトランスポート層において、データ完全性、機密性と通信相手を認証する機能を提供する。アプリケーション層クライアントサーバは通常のSMTPを利用するが、コネクション自体はSSL/TLSによって保護される。この動作はコネクションの確立時に行われる。クライアントやサーバがコネクションを確立する際、SSL/TLSを利用するかどうかは分からないため、SMTPSのためのポート番号を割り当てることが一般的である。

歴史

1997年初めにIANAは465番ポートをSMTPSに割り当てたが[1]、1998年末にSTARTTLSが制定されると、465番ポートの割り当ては無効とされた[2]。STARTTLSでは、最初にSMTPでの接続を試み、途中でTLSを使った通信に切り替える[3]。このため、セッションを張る時点でクライアントはTLSを利用するかどうか指定しなくてよい。SMTPクライアントは通常、サーバーがTLSを利用するかどうか事前に知り得ないため、この点は便利である[4]

2009年の時点で、465番ポートはSource-specific multicast英語版 (SSM)が使用するものとされた[5][6]。しかし、平文またはSTARTTLSでのメール送信について、かつて25番ポートからRFC 4409において587番ポートを使用するようになった際にも、25番ポートの利用はサポートされた。これと同様にSMTPSでも、465番ポートのサポートは続くと予期された [7]

結局、465番ポートが使用され続けていることから、 RFC 8314 で再びTLSを用いるメール送信(Message Submission Agentへの通信)に割り当てられることとなった。ただし、以前の割り当てと以下の点が異なる。

  • サービス名称がsmtpsからsubmissionsとなった。すなわち、用途はメールサブミッション(587番ポートのようにMessage Submission Agentへの通信)であると定められた。
  • TCPのみの割り当てとなっている。もっぱらTCPのみが用いられている現実であるため、UDPなど他のトランスポート層プロトコルは割り当ての対象外とされた。

RFC 8314の発行以降、TCP 465番はSSMとの重複割り当てとなっている。

参考文献

  1. ^ Re: Port Numbers for SSL Regularizing”. Internet Mail Consortium (1997年4月30日). 2009年9月25日閲覧。
  2. ^ Paul Hoffman (1998年11月12日). “Revoking the smtps TCP port”. Internet Mail Consortium. 2009年9月16日閲覧。
  3. ^ 島田広道 (2008年1月18日). “メールの送受信を暗号化するPOP3s/IMAP4s/SMTPs(over SSL)とは”. アットマーク・アイティ. 2012年5月4日閲覧。
  4. ^ Paul Hoffman (1997年6月1日). “Do we need IMAP / TLS or POP / TLS?”. Internet Mail Consortium. 2009年9月16日閲覧。
  5. ^ Port Numbers”. Internet Assigned Numbers Authority (2009年9月14日). 2009年9月16日閲覧。
  6. ^ SSM”. Cisco Systems. 2009年9月16日閲覧。
  7. ^ Re-mishap in Gmail”. Heise Online (2009年9月24日). 2009年9月25日閲覧。

Eric Rescorla『マスタリングTCP/IP SSL/TLS編』オーム社、2003年。ISBN 978-4274065422



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「SMTPS」の関連用語

SMTPSのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



SMTPSのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSMTPS (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS