commitとは？ わかりやすく解説

英語：commit

コミットとは、情報技術（IT）分野において、データの変更や追加を確定させる行為である。特に、バージョン管理システムやデータベース管理システム（DBMS）において重要な概念であり、データの整合性や安全性を保つために用いられる。

バージョン管理システムにおいては、コミットはソースコードやドキュメントの変更履歴を記録し、他の開発者と共有するために行われる。コミットを行うことで、変更点やその理由を明確にし、後から変更内容を確認したり、必要に応じて過去の状態に戻すことが可能となる。代表的なバージョン管理システムには、GitやSubversionがある。

データベース管理システムにおいては、コミットはトランザクションの終了を意味し、データベースに対する一連の操作が正常に完了したことを示す。トランザクションは、データベースの状態を一貫性のあるものに保つために用いられる概念であり、複数の操作をまとめて一つの単位として扱う。コミットを行うことで、トランザクション内の全ての操作がデータベースに反映され、他のトランザクションから参照可能となる。一方で、トランザクション内の操作が問題がある場合や、データベースの整合性が損なわれる恐れがある場合は、ロールバックという操作を行い、トランザクション開始時点の状態に戻すことができる。

コミットは、データの変更や追加を確定させる重要なプロセスであり、バージョン管理システムやデータベース管理システムにおいて、データの整合性や安全性を保つために欠かせない概念である。

別表記：コミット

「commit」の基本的な意味

「commit」は英語の動詞で、主に「約束する」「献身する」といった意味がある。また、文法的には不定詞としても使用される。約束する場合は、何かを実行することを確約する意味で使われる。一方、献身する場合は、ある目的や人に対して全力を尽くすという意味で用いられる。

「commit」の語源

「commit」の語源は、ラテン語の「committere」である。これは、「com-（一緒に）」と「mittere（送る）」という二つの単語が組み合わさったもので、直訳すると「一緒に送る」となる。この言葉が時代とともに変化し、「約束する」「献身する」といった意味を持つようになった。

「commit」の発音・読み方

「commit」の発音は、/kəˈmɪt/である。強勢は二つ目の音節に置かれ、最初の音節は弱めに発音される。また、「commit」は英語圏では一般的な単語であり、多くの場面で使用されるため、正しい発音を覚えておくことが重要である。

「commit」の覚え方

「commit」を覚える際には、その意味を具体的な例に結びつけて記憶することが効果的である。例えば、「約束する」の意味では、「友人との約束をcommitする」という具体例をイメージする。また、「献身する」の意味では、「仕事にcommitする」といった状況を想像することが役立つ。

「commit」の活用一覧

「commit」の活用は以下の通りである。 過去形：committed 過去分詞：committed 現在分詞：committing 三人称単数現在形：commits

「commit」の言い換え

「commit」の言い換えとしては、「promise」（約束する）や「dedicate」（献身する）などが挙げられる。ただし、これらの単語はそれぞれニュアンスが異なるため、文脈に応じて適切な言葉を選ぶことが重要である。

「commit」を含む英熟語・英語表現

「be committed」とは

「be committed」とは、「献身している」「全力を尽くしている」といった意味の表現である。例えば、「彼は仕事にcommittedである」は、「彼は仕事に全力を尽くしている」という意味になる。

「commit」の使い方・例文

1. I commit to finishing this project by the deadline.（このプロジェクトを期限までに終わらせると約束する。）
2. She committed herself to helping others.（彼女は他人を助けることに献身した。）
3. The government committed to reducing carbon emissions.（政府は二酸化炭素排出量を削減すると約束した。）
4. He is fully committed to his family.（彼は家族に完全に献身している。）
5. They committed to working together for a common goal.（彼らは共通の目標に向かって協力することを約束した。）
6. She commits two hours every day to practicing the piano.（彼女は毎日2時間、ピアノの練習に献身している。）
7. The company committed to improving its products.（その会社は製品の改善に取り組むことを約束した。）
8. He committed himself to a healthy lifestyle.（彼は健康的な生活に献身した。）
9. The organization is committed to promoting environmental awareness.（その組織は環境意識の向上に献身している。）
10. They committed to supporting each other through thick and thin.（彼らは困難な時も支え合うことを約束した。）

英語：commit

「コミット」とは・「コミット」の意味

コミットとはIT業界などビジネスシーンでよく使われている、コミットメントを略した言葉である。ビジネスシーンでは「深く・積極的に関わる」、「結果・成果を約束する」といった意味合いで使われる事が多い。コミットの語源となっているのは、「約束する」、「委ねる」、「引き受ける」などの意味を持っている英単語の「commit」である。類義語としては確約やアサインなどが挙げられる。尚、コミットの対義語は除外するという意味があるオミットという言葉であり、コミットと同様、ビジネスシーンでよく使われる用語である。コミットはどちらかというと気軽な約束ではなく、強い覚悟や責任を持って約束するという重みのある表現であると言える。

またコミットと同様、約束するというニュアンスが含まれている言葉としてプロミスがある。この2つの言葉の異なる点としては、責任の重さや気持ちのあり方などが挙げられる。コミットは、より積極的に関わって責任をもって約束するといった意味合いがある。それに対しプロミスは形式的な感じで約束するというニュアンスがある。そのため、ビジネス上約束する場合はコミット、プライベートな約束をする場合はプロミスを使用すると覚えておくと上手く使い分ける事ができるだろう。一方、コミットという言葉はIT業界でも使われているが、その意味はビジネスシーンで使われるコミットとは異なっている。

IT業界におけるコミットには、データベース上での更新処理であるトランザクション処理が全て問題なく完了して得られた結果」という意味がある。IT業界ではシステム動作を滞りなく完了させるために、複数の作業を実施するケースも少なくない。コミットは複数の作業を完了させてシステムを問題なく動作できた時などに用いられるIT用語でもあるのだ。さらにIT業界におけるコミットには「記録を変更する」という意味も含まれている。ファイルの変更履歴の管理を目的としたシステム「Git」上でファイルの書き換えや追加を記録する事をコミットと呼んでいる。さらにGitの使用で用いられるコミットに関連した表現として「コミットメッセージ」という言葉もある。

コミットメッセージはGitにて管理しているプロジェクトでソースコードを変更する際、変更する内容を知らせるために記録しておくメッセージである。またコミットは経済学や心理学で使われる事もある。経済学におけるコミットの場合、その行動しか実施できないような実効性のある仕組み・システムという意味合いを持っている。例えば、スーパーが「他店で扱っているタマネギの方が安い場合は同じ値段に引き下げる」と表明する事は経済学におけるコミットの使われ方の一つである。この場合、他店と同じ値段で手に入れる事ができるため、他店に顧客が流れるのを防ぐという効果が期待できる。

一方、心理学で用いられるコミットには、「積極的に取り組む・関わる」、「決断する」という意味がある。意味に関してはビジネスシーンで使われているコミットと大きな違いはない。しかし、心理学におけるコミットはアイデンティティの形成に影響を与える要素の一つになっているとも言われている。他にも政治の世界では確約や公約といった意味合いでコミットと使われる事がある。コミットに関連した表現としてオーバーコミットという言葉がある。オーバーコミットは一言でいうと越権行為という意味であり、主に担当の範囲外に介入したり、勝手に指示を出したりする行為を指す。

ただ、オーバーコミットをする人は必ずしも善意で行っているケースも少なくない。良かれと思ってオーバーコミットしているケースもあり、一概に否定すべきではないという見方もあるので、使用する場合は十分注意する必要があるだろう。尚、IT業界でもオーバーコミットという言葉が使われている。IT用語としてのオーバーコミットとは仮想的に割り振られたCPUやメモリの事であり、複数のプログラムを使用した事によって、CPUやメモリのリソースが不足している状態を指す。ビジネスシーンで使われるオーバーコミットとは意味合いが大きく異なってくるため、この点に関しても十分な注意が必要だ。

コミットに関連した言葉は他にもあり、コミットメントラインもその一つである。コミットメントラインは主に金融業界で使われている専門用語で、銀行融資額とも呼ばれている。金融機関と企業などの顧客があらかじめ設けた期間や融資枠の範囲内で、金融機関が融資の実行をコミットする契約を意味する言葉である。契約期間内であれば、顧客側は融資枠内という条件で審査をする事なく融資が受けられるのがコミットメントラインの特徴の一つとなっている。安定的な運転資金の確保やマーケット市場が不測の事態に陥った場合の対応策の確保などを目的に運用されるものである。

「コミット」の熟語・言い回し

結果にコミットとは

結果にコミットとは、「求められている結果が出せるようきちんと責任を持つ」という意味がある他、「必ず結果・成果を残す」という意味合いも持っている言葉である。コミットという言葉を用いる事で、「責任を持って積極的に関わり結果を出す」というニュアンスがより強くなる表現でもある。「結果にコミットするためのトレーニングプログラムを組む」といった例文が挙げられます。

コミットするとは

コミットするとは、一言でいうと「積極的に関わる」という意味である。例えば「このシステム開発にコミットする」という言葉は「このシステム開発に積極的に関わって取り組む」という意味合いになる。単にシステム開発に携わるのではなく、責任を持ってシステム開発に深く関わるという強い意志を伴った表現である。

フルコミットとは

フルコミットとは2つの英単語「full」と「commitment」を組合わせた、コミットの最大表現として用いられている言葉である。「全ての責任を負う」、「最大限に努力して取り組む」といったニュアンスが含まれており、コミットをより強調させたい時などに用いられる事が多い。また「全力投入する」、「専念する」といった深く関わる事を意味する言葉でもある。単に全力で頑張るという表現だと、精一杯努力するだけに捉えられてしまう事もあるが、フルコミットという言葉が使われる事で、言われた側にとっては信用度や安心感が高まりやすい表現と言えるだろう。ただ、フルコミットは強い意志表示を表す言葉である事から、あまり多用してしまうと信用性を損なう可能性もあるため、使う際には十分注意が必要だ。

自分にコミットするとは

自分にコミットするとは、達成すべき目標に向かって自身の言動に対して責任を持つなど、強い覚悟を示す言葉である。自分自身を律するために使われる事が多い。例文としては「自分にコミットする事を周囲に伝えて本気度を理解してもらう」などが挙げられる。

数字にコミットとは

数字にコミットとは主にビジネスシーンでよく使われる言葉であり、具体的な数値目標を掲げてその目標達成を実現・約束するという意味合いがある言葉だ。「来年度末までに10％のコストダウンをコミットする」、「来月は前月比150％の営業成績をコミットする」などの使い方がある。

目標にコミットするとは

目標にコミットするとは、掲げた目標を達成させるために、責任を持って積極的に取り組む事を表した言葉である。目標を目指すという言葉もあるが、それよりもさらに踏み込んだ強い意思表示を示す言葉である。

英語：commit

「コミット（英: commit）」とは、付する、付託する、委ねる、身を任せる、捧げる、専心する、貢献する、完遂する、といった意味を持つ表現である。ネガティブな意味では「（罪を）犯す」といった意味合いでも用いられる。

【コミットの語源】
コミットは英語の動詞に由来する。日本語の文章の中ではビジネスシーンで「コミットする」のように用いられることが多い。この場合たいていは「積極的に関わる」「深く関わる」「責任を持って取り組む」といったニュアンスを込めて用いられる。

【コミットの用例】
外交関連の話題では「確約する」という意味合いで「コミット」の語がカタカナ表現のまま用いられることがある。

IT関連の分野では、DB（データベース）の更新処理を正常に完了させて更新内容を確定させる、という工程を「コミットする」と表現する。

なお、英語ではcommit（コミット）の語そのものには動詞の用法しかない。名詞として用いる場合はcommitment（コミットメント）という語形になる。

「結果にコミットする。」はRIZAPグループ株式会社の登録商標である。

「フルコミット」なる表現が用いられる場合があるが、これは「フルにコミットする」くらいの意味で――つまり「全力で打ち込む」くらいの意味で用いられる雑な和製英語表現である。ただし英語でも commit fully のような言い方で表現される場合はある。