年年の概要

年
記号	y, yr, a
系	暦法
量	時間
SI	約31 556 925.168秒（2015年央）
定義	約365.242 189 44日（2015年央）（太陽年）
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1年の長さを暦によって定義する方法が暦法であり、現在世界各国で用いられるグレゴリオ暦^[2]（現行暦）では、1年を365日とするが、1年を366日とする閏年を400年間に97回設けることによって、1年の平均日数を365.2425日とする^[3]。

なお、天文学における時間の計量の単位としての「年」には通常、ユリウス年を用いる。ユリウス年は正確に31 557 600秒＝365.25 d（d = 86 400秒）である（後述）。

年は、時刻を表示する区分であり、また、年数を表す単位ともなる^[4]。これは英語の year も同様で、「4 years old」（4歳）や「per year」（1年あたり）という時間を表すとともに、「year 1950」（1950年）や「the years of 」（-の年・-の時代）というように特定の時刻を示す際にも使われる^[5]。

暦法に従い時刻の「年」を表す方法が紀年法であり、キリスト紀元（西暦）をはじめとするさまざまな紀年法が使用されている（後述）。

概念

「年」は天文学においては、ユリウス年以外は、計量的な用途には馴染まない^[6]。その理由は、たとえば、現行のグレゴリオ暦では、閏年があるために、1年が365日または366日となって日数（または秒数）が一定ではないためである^{[注釈 1]}。さらに地球の自転と時刻を合わせるために閏秒による補正も行われている^[7]からである。

天文学で用いるユリウス年は、正確に365.25 日（ユリウス暦における1年の日数）であり、したがって正確に31 557 600 秒（ = 3600 秒 × 24 時間 × 365.25 日）である。

年は、時間を示すおおまかな単位としては一般に認められている。これは人間を取り巻く環境や生活がもたらす周期性を重視し、それから受ける感覚を尊重していることに由来する。このような累積する時間（秒）と繰り返す時間（年）の共存は、単位の柔軟性と多様性を示す一例に当たる^[6]。

語源

日本語で「とし」とは、「稲」や穀物を語源とし、1年周期で稲作を行なっていたため「年」の意味で使われるようになったという。

脚注

注釈

^ 日本においてグレゴリオ暦導入前に使用されていた天保暦などは太陰太陽暦のため、1年は12か月または（閏月を含む）13か月と一定ではない。
^ 古代バビロニアでは6か月を1年としていたという。そのため人の年齢は現在の倍以上で数えられた。聖書の登場人物が非常に長寿なのは、この習慣が反映したという説がある。（岡田ら (1994)、pp.300-301、太陰太陽暦、バビロニア暦）
^ この改暦のために90日もの閏日を設け、1年が445日となった。この年はアヌス・コンフシオニス（「乱年」の意味）と呼ばれた。（2005年の歴史／公益財団法人国際文化交友会）
^ 日本では旧暦の明治5年12月3日を新暦の明治6年1月1日とし、これは明治改暦と呼ばれる。大隈重信の回顧録によると、これは月給制だった役人給与を、改暦で1か月を端折ることができ、当時逼迫していた財政を節約する狙いがあったという。（佐藤 (2009)、pp.55-56）また、旧暦の明治6年は閏年で13か月あったため、「2日間しかないために端折った明治5年12月分と、準備しないで良くなった明治6年の閏月分の、合わせて2か月分（の給与）を浮かした」とも言われる。(ブルーバックス「暦の科学」山崎昭、久保良雄 (1984)) なお、明治6年を西暦1873年とした改暦の置閏法の記述は、当時既に西洋で広まっていたグレゴリオ暦ではなくユリウス暦のものだったため（4年に1度の閏日を設けるのみ）、両者で食い違いが生じる西暦1900年を2年後に控えた1898年、明治政府は再度改暦を行い、グレゴリオ暦の置閏法に改めた (ブルーバックス「暦の科学」山崎昭、久保良雄 (1984))。従って、日本がグレゴリオ暦を採用したのは1898年ということになる。

出典

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^ “【Astronomical unit (AU)】” (英語). Union Astronomique Internationale. 2011年10月31日閲覧。

[前の解説]

[続きの解説]

「年」の続きの解説一覧

[7] 日本においてグレゴリオ暦導入前に使用されていた天保暦などは太陰太陽暦のため、1年は12か月または（閏月を含む）13か月と一定ではない。

[28] 古代バビロニアでは6か月を1年としていたという。そのため人の年齢は現在の倍以上で数えられた。聖書の登場人物が非常に長寿なのは、この習慣が反映したという説がある。（岡田ら (1994)、pp.300-301、太陰太陽暦、バビロニア暦）

[34] この改暦のために90日もの閏日を設け、1年が445日となった。この年はアヌス・コンフシオニス（「乱年」の意味）と呼ばれた。（2005年の歴史／公益財団法人国際文化交友会）

[35] 日本では旧暦の明治5年12月3日を新暦の明治6年1月1日とし、これは明治改暦と呼ばれる。大隈重信の回顧録によると、これは月給制だった役人給与を、改暦で1か月を端折ることができ、当時逼迫していた財政を節約する狙いがあったという。（佐藤 (2009)、pp.55-56）また、旧暦の明治6年は閏年で13か月あったため、「2日間しかないために端折った明治5年12月分と、準備しないで良くなった明治6年の閏月分の、合わせて2か月分（の給与）を浮かした」とも言われる。(ブルーバックス「暦の科学」山崎昭、久保良雄 (1984)) なお、明治6年を西暦1873年とした改暦の置閏法の記述は、当時既に西洋で広まっていたグレゴリオ暦ではなくユリウス暦のものだったため（4年に1度の閏日を設けるのみ）、両者で食い違いが生じる西暦1900年を2年後に控えた1898年、明治政府は再度改暦を行い、グレゴリオ暦の置閏法に改めた (ブルーバックス「暦の科学」山崎昭、久保良雄 (1984))。従って、日本がグレゴリオ暦を採用したのは1898年ということになる。

[1] 1年とは？国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki > 要素

[Sato77-2] 佐藤 (2009)、pp.77-81、世界統一暦の試み

[3] 小山真人. “ユリウス暦における地球公転軌道上のずれ（季節のずれ）の累積と、それを改善するグレゴリオ暦（現行暦）”. 静岡大学防災総合センター. 2011年5月20日閲覧。

[4] “【年】”. Webio百科事典/三省堂大辞林. 2011年5月20日閲覧。

[year-5] “【year】”. Webio英和和英事典/研究社, JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他. 2011年5月20日閲覧。

[Yano-6] 矢野宏『単位の世界をさぐる』（第1刷）講談社、1997年。ISBN 4-06-257183-8。

[Jstpro-8] “日本標準時プロジェクトの業務紹介”. 独立行政法人情報通信研究機構日本標準時プロジェクト. 2010年11月13日閲覧。

[9] 張世超; 孫凌安; 金国泰; 馬如森 (1996), 金文形義通解, 京都: 中文出版社, pp. 1783–1788, ISBN 7-300-01759-2

[10] “【年・歳】”. 語源由来辞典. 2011年5月20日閲覧。

[Aoki156-11] 青木 (1982)、第4章単位と天体暦、pp.156-157、三一年の長さ季節

[Tenmon3-2-12] “質問3-2 春分の日はなぜ年によって違うの?”. 国立天文台. 2011年5月20日閲覧。

[13] 竹野茂治. “春分について”. 新潟工科大学情報電子工学科. 2011年5月20日閲覧。

[Aichi-14] 親松和浩. “時空の科学としての暦の歴史” (PDF). 愛知淑徳大学. 2011年5月20日閲覧。

[Yamagata-15] 山賀進. “第一部‐2‐宇宙の科学”. 2011年5月20日閲覧。

[Iijima-16] 飯島孝夫. “近日点通過日の不思議” (PDF). 学習院大学. 2011年5月20日閲覧。

[Saitama-17] 高橋広治. “宇宙の科学（第4章）” (PDF). 埼玉工業大学人間社会学部. 2011年5月20日閲覧。

[Aoki159-18] 青木 (1982)、第4章単位と天体暦、pp.159-161、三一年の長さ摂動

[Aoki161-19] 青木 (1982)、第4章単位と天体暦、pp.161-162、三一年の長さニューカムの太陽表

[Mashima-20] 馬嶋玄敏「暦法、とくに置閏法についての一考察」『研究紀要』、奈良女子大学文学部附属中学校・高等学校、2010年、2011年5月20日閲覧。

[Aoki165-21] 青木 (1982)、第4章単位と天体暦、p.165、三一年の長さ一年の日数

[Aoki51-22] 青木 (1982)、第2章太陰暦と太陽暦、pp.51-53、一古代人の天文学人類と天体

[23] 柴田晋平. “夏至”. 山形大学理学部物理学科. 2011年11月9日閲覧。

[24] 柴田晋平他『星空案内人になろう』技術評論社

[25] 青木 (1982)、序章月と時、pp.1-2、月のみちかけ

[Kodama-26] 児玉宏児. “時間の単位と暦法”. 神戸大学大学院自然科学研究科. 2011年5月20日閲覧。

[Asai-27] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h 浅古拓人. “第4部暦” (PDF). 富士見丘中学校・高等学校. 2011年5月20日閲覧。

[Aoki3-29] 青木 (1982)、序章月と時、pp.3-4、太陰太陽暦

[Okada309-30] 岡田ら (1994)、pp.309-310、太陽暦、エジプト暦（シリウス暦）

[Okada310-31] 岡田ら (1994)、pp.310-311、太陽暦、エチオピア暦

[Okada311-1-32] 岡田ら (1994)、p.311、太陽暦、パーシ暦

[Okada311-33] 岡田ら (1994)、pp.311-312、太陽暦、ユリウス暦

[Okada312-36] 岡田ら (1994)、pp.312-315、太陽暦、グレゴリオ暦

[Okada315-37] 岡田ら (1994)、pp.315-317、太陽暦、マヤ暦

[SI-38] 国際天文学連合 "SI units" accessed 18 February 2010. (See Table 5 and section 5.15.) Reprinted from George A. Wilkins & IAU Commission 5, "The IAU Style Manual (1989)" (PDF file) in IAU Transactions Vol. XXB

[Aoki97-39] 青木 (1982)、第2章太陰暦と太陽暦、pp.97-98、四太陽暦問答（その2）ユリウス通日

[40] 十年紀を意味するdecadeはデケイド、ディケイドなどと発音する。

[41] 宮野健次郎. “新年のご挨拶”. 東京大学先端科学技術研究センター. 2012年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月9日閲覧。

[42] 「【世紀】」『日本語大辞典』（第一刷）講談社、1989年、1063頁。ISBN 4-06-121057-2。

[43] 「【半年】」『日本語大辞典』（第一刷）講談社、1989年、1613頁。ISBN 4-06-121057-2。

[44] 「【上半期】」『日本語大辞典』（第一刷）講談社、1989年、388頁。ISBN 4-06-121057-2。

[45] 「【下半期】」『日本語大辞典』（第一刷）講談社、1989年、883頁。ISBN 4-06-121057-2。

[46] 「【四半】」『日本語大辞典』（第一刷）講談社、1989年、872頁。ISBN 4-06-121057-2。

[47] 「暦と時間の歴史」（サイエンス・パレット9）p183　リオフランク・ホルフォード・ストレブンズ著　正宗聡訳　丸善出版　平成25年9月30日発行

[48] 「暦と時間の歴史」（サイエンス・パレット9）p169-179　リオフランク・ホルフォード・ストレブンズ著　正宗聡訳　丸善出版　平成25年9月30日発行

[49] 「暦と時間の歴史」（サイエンス・パレット9）p179-181　リオフランク・ホルフォード・ストレブンズ著　正宗聡訳　丸善出版　平成25年9月30日発行

[50] 「暦の大事典」p90-93　岡田芳朗編　朝倉書店　2014年7月20日初版第1刷

[51] 「暦入門　暦のすべて」p125-126　渡邊敏夫　雄山閣　2012年5月30日初版発行

[52] 佐藤 (2009)、pp.33-36、独自の紀年があってこその世界共通紀年

[53] 佐藤 (2009)、pp.31-33、日本の年月日表示

[54] 佐藤 (2009)、pp.29-31、朝鮮の年月日表示

[55] 佐藤 (2009)、pp.23-26、イスラーム諸国の年月日表示

[Sato052-56] 佐藤 (2009)、pp.052-056、一年のはじめを固定したこと

[57] 「暦の大事典」p150　岡田芳朗編　朝倉書店　2014年7月20日初版第1刷

[Ike42-58] 池内 (1999)、3 俺は北極星のように不動だ、pp.42-43、ローマの暦

[Ike44-59] 池内 (1999)、3.俺は北極星のように不動だ、pp.44-47、改暦の歴史

[60] 「文明の誕生」p66-67　小林登志子　中公新書　2015年6月25日発行

[61] 「文明の誕生」p71-72　小林登志子　中公新書　2015年6月25日発行

[62] 「星の文化史事典」p134　出雲晶子編著　白水社　2012年4月9日発行

[63] 岡田ら (1994)、pp.296-298、原始的な暦

[64] 「暦の大事典」p152-153　岡田芳朗編　朝倉書店　2014年7月20日初版第1刷

[65] 「暦の大事典」p232　岡田芳朗編　朝倉書店　2014年7月20日初版第1刷

[66] 岡崎勝世『世界史とヨーロッパ』講談社現代新書、2003年、218-219頁。ISBN 4-06-149687-5。

[67] “【great year】”. Webio英和和英事典/研究社, JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他. 2011年5月20日閲覧。

[68] 松山恵美子. “四季の星座と神話”. 淑徳大学総合福祉学部. 2011年5月20日閲覧。

[69] “【Galactic year】”. Webio英和和英事典/研究社, JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他. 2011年5月20日閲覧。

[Top3-70] “科学技術動向 3月号トピックス、【6】米国探査機、約33年ぶりに水星観測を再開”. 科学技術政策研究所. 2011年5月20日閲覧。

[71] 白尾元理. “マーズ・サーベイヤー98計画はじまる” (PDF). 惑星地質ニュース. 2011年5月20日閲覧。

[72] “【earth year】”. Webio英和和英事典/研究社, JST科学技術用語日英対訳辞書, ライフサイエンス辞書, 日本語WordNet, 他. 2011年5月20日閲覧。

[73] “【Astronomical unit (AU)】” (英語). Union Astronomique Internationale. 2011年10月31日閲覧。

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[注釈 1]

[7]

単位に関連する言葉	布幅年(とし) 忽戦略単位 >>計測に関連する言葉
年に関連する言葉	年(とし) 祈年(きねん) 十年(じゅうねん) 当年(とうねん) 毎年(まいとし、まいねん) >>同じ種類の言葉 >>時間に関連する言葉

年年の概要

年

概念

語源

注釈

出典

「年」に関係したコラム

「年」の関連用語

年 年の概要

年

概念

語源

注釈

出典

急上昇のことば

「年」に関係したコラム

「年」の関連用語

年年の概要