活発な兄弟への劣等感、就職してもうつ病になり…こっちのけんとを救った「歌」と「はいよろこんで」に込められた思い

スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 「ギリギリダンス ギリギリダンス (踊れ)」

あまった餅を再利用!モチモチ食感の「餅もっちホットケーキ」

 今年、この中毒性の高い歌を口ずさみ、キレキレのダンスをマネした人も多いのでは?

こっちのけんとさん
こっちのけんとさん

 こっちのけんとさんは、5月にリリースした「はいよろこんで」が大ヒット。ミュージックビデオの再生回数は1億3000万回を超え、大みそかにはNHK紅白歌合戦の出場が決まった。「(紅白への出場を)ずっと目指して頑張ってきたので、家族やチーム、自分にも恩返しができた」と話す。

 「はいよろこんで」は、居酒屋などで客の注文を受けた店員が反射的に口にする決まり文句。「人の役に立ちたい」という前向きな意味とともに、「自分のこと(気持ち)を無視しちゃっていることにも気付いてほしい」という思いが込められたタイトルだという。

 明るい曲調の中に「SOS」を意味するモールス信号が織り込まれているのも、「誰かに頼っていい」というひそかなメッセージだ。随所にみえるこうしたやさしさが、生きづらさを感じる多くの人の心に響き、世代を問わず共感を得ている。

生きづらさを抱えて

 何を隠そう、自分も生きづらさを抱えてきた一人だ。

 3人兄弟の真ん中に生まれ、小学生の頃は、活発な兄や弟に比べ、ぜんそく持ちでインドアな自分に劣等感を抱いていた。大学時代にはアカペラサークルで出場した全国大会で優勝し、歌手になりたいという思いを持ちながらも、卒業後は就職。ところが、無理がたたってうつ病を発症し、1年で倒れた。

 背伸びをして頑張ってしまうのは、ちょっと離れた「あっち」の自分。大好きな音楽活動をするのは、本来の姿である「こっち」の自分。そんなふうに考えたら、気持ちが少しラクになった。それが、一風変わった芸名の由来でもある。

 「努力してもうまくいかない時は、少し休んでもいい。続けながらうまくいくタイミングを待つのがベスト。僕にとっての歌もそうだったから」

 言葉の意味を考えながら、その歌を何度でも聴き直したい。悩んできた人だからこそ、伝えられるメッセージがある。

(文・飯田真優子 写真・隅谷真)

プロフィル

 1996年6月13日生まれ。大阪府 箕面みのお 市出身。楽曲や映像を制作するマルチクリエイターとして活躍している。6枚目シングルの「はいよろこんで」(作詞:こっちのけんと、作曲:こっちのけんと/GRP)は、今年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた。10月には最新曲「もういいよ」を発表した。

読売中高生新聞 秋の学習応援キャンペーン開催中
「中高生新聞」特集ページ
最新のニュースがわかりやすく、キャリア教育・エンタメ・学習の情報も充実の読売中高生新聞は、毎週金曜発行です。ご購読のお申し込みは、こちらから!
スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

使い方
「エンタメ・文化」の最新記事一覧
記事に関する報告
6079205 0 音楽 2024/12/06 11:00:00 2024/12/06 11:00:00 2024/12/06 11:00:00 /media/2024/12/20241204-OYT1I50155-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みバナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)