原料高騰でチョコ値上がり、使用量の抑制や手作り提案など各社工夫…バレンタイン商戦本格化
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2月14日のバレンタインデーに向けた商戦が本格化している。原材料のカカオ豆の価格高騰でチョコレートの値上がりが続く中、各社はチョコの使用量を抑えた商品を売り出したり、板チョコなどを使った手作りの提案をしたりと、工夫を凝らしている。(岡田実優)
日本橋高島屋(東京都中央区)は22日、バレンタイン向けの売り場を開設した。来月14日までの期間中、国内外の菓子店が最大で137ブランド並ぶ。バレンタイン向け商品の平均価格は前年より約10%上昇した。東京都江東区の会社員女性(29)は「価格が上がっており、今年は買うものを絞り込まないといけない」と悩んでいた。
客離れを防ごうと、ゼリーやサブレなどとチョコを組み合わせた商品を昨年の2倍に増やし、価格を抑える。人気が高い欧州などの有名ブランド商品は価格上昇が激しいため、輸入品よりも値上げ幅が比較的小さい国内ブランドを強化する。辻口博啓氏や鎧塚俊彦氏ら6人の有名菓子職人が手がける商品などを用意した。
チョコの原料となるカカオ豆は主要産地のガーナで不作が続く。国際指標となるロンドン先物市場価格は、高騰前の23年比で約4・5倍に上昇している。
イトーヨーカ堂はチョコの高騰を見据えて調達を前倒しすることで、オリジナル17商品の価格を前年から据え置いた。
チョコメーカーも高騰にあらがう。手作りチョコはコロナ禍で下火となっていたが、菓子大手の明治は「価格高騰の影響で、お手頃感がある手作り需要が高まる」と、板チョコに商機をみる。サンリオとコラボし、板チョコなどを使ってキャラクターを再現する「推しチョコ」レシピを公開している。
調査会社インテージの木地利光・市場アナリストは、「値上げによる買い控えなどでチョコ市場は厳しい」と指摘し、「バレンタインのチョコ商戦が今後どう変化していくのか、見極める年となる」と話した。