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横浜市の京浜急行線の踏切で2019年9月、立ち往生した大型トラックに下り快特電車が衝突して脱線した事故で、事業用自動車事故調査委員会は24日、トラックが急きょ運行経路の変更を迫られ、狭い道に迷い込んで踏切に進入したことが原因とする報告書を公表した。運送会社に経路を相談できる運行管理者が不在だったことも一因とした。
この事故は、トラックが同年9月5日午前11時40分頃、横浜市神奈川区の神奈川新町駅近くの踏切に狭い道から右折して進入。曲がりきれず、切り返しを繰り返していたところに電車が時速約62キロで衝突して脱線した。運送会社員のトラック運転手の男性(当時67歳)が死亡し、電車の乗客と運転士、車掌の計77人が重軽傷を負った。
報告書では、死亡した運転手が普段利用していた高速入り口が当日、工事閉鎖されており、急きょ経路変更を迫られたと指摘。当時、運送会社には、経路指示などを行う運行管理者が病気のため不在で、経路の確認や入り口閉鎖の情報などを運転手に伝える人がいなかったという。
事故調は、運転手が狭い道に入り込んだのは運行管理者に相談できなかったことも一因とした。再発防止策として、必要な人数の運行管理者の選任や運転手への緊急時対応の教育などの必要性を指摘した。
国土交通省は昨年10月、運行管理者の未選任や点呼の未実施などで運送会社を行政処分している。
この事故では、鉄道事故として調査した運輸安全委員会が今年2月、運転士のブレーキ操作が遅れたことが事故の原因だったとする報告書を公表している。