同棲カップルは勝ち組?後ろめたいイメージがインスタ映えの「憧れ」に

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【同棲(どうせい)】法律上の婚姻関係にない男女が同じ家に住んで生活を営むこと(広辞苑)。家賃や生活費の負担軽減、お互いの価値観の共有、結婚へ向けた準備……。様々なメリット・デメリットを考えた上で、同棲に踏み切るカップルがいます。ラブラブな甘い生活にニンマリする人もいれば、一人になれない窮屈な暮らしは気が進まないという人もいるでしょう。同棲って、うらやましいですか?

読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に「同棲はうらやましくない?」というタイトルでトピを立てたのは、高校時代から10年近く付き合っている彼と同棲中の25歳女性「さっぴ」さん。就職を機に一度は遠距離恋愛となりましたが、地元に戻ったタイミングで彼と一緒に暮らすように。同棲生活は2年3か月になるそうです。

写真はイメージです
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「同じ場所から出かけて同じ時間を過ごして同じ家に帰れるなんてすごく恵まれているのでは?」としみじみと幸せをかみしめているトピ主さんは、「好きな人と同棲なんて勝ち組」と胸を張ります。彼の顔をスタンプで隠した写真をインスタグラムにアップしたり、彼と同棲していることを同僚に話したりするそうです。

ところが、トピ主さんのこうしたおのろけに対する周囲の反応は鈍く、「え~、いいなー」などとうらやましがってもらえません。そろそろ結婚も秒読みだろうと期待しているトピ主さんは、幸せな自分がねたまれているのかもしれないと不安を覚え、「周囲に話さない方がよいのでしょうか?」と発言小町で尋ねました。

「身持ちが悪く、だらしない女性と見られる」

このトピには570件を超える反響がありました。「勝ち組」「うらやましい」「ねたまれる」といった意識を持つトピ主さんに対して、批判的な意見が多く寄せられました。「同棲」に対するイメージは、世代や性別によって大きく異なるようです。

60代の「amneris」さんは、「同棲って、結婚できない事情のあるワケアリ男女の性の巣窟みたいな感じで、良いイメージを持つ人はいないと思います」と率直につづり、「結婚前にお試しで同棲するって意味もわからないし、キライになれば家を出るだけで、離婚と違ってお手軽な付き合いなんだと思ってしまいます」と理解できない様子です。

「結婚じゃなくて同棲ってなんか、日陰のコケみたいな……」と申し訳なさそうに書き込んだ「pochi」さんは、隣人から「娘が同棲を解消して戻って来るので~」というあいさつがあったといいます。「今は親御さんも同棲に関して抵抗がないんですね。私が友人から『今、同棲しているの』と聞かされたら返答に困ります」とつづり、同棲に対する考え方のギャップに戸惑っているようです。

50歳を過ぎているという女性の「あやはたりん」さんも「2年3か月も結婚してもらえずに同棲なんて、私から見たら長過ぎ!です。うらやましがられるどころか、気の毒がられる方の立場ですよ」とトピ主さんをたしなめます。

親の立場で意見を寄せたのは「鬼千匹」さん。「今の時代、若い方たちは同棲することに 躊躇(ちゅうちょ) しないのですね」とあきれた様子です。彼との暮らしぶりをインスタグラムに投稿していることについて、「今の彼と別れてまた好きな男性が現れた時、SNSで発言したことは残るでしょう。好きな相手の親が知ったら、結婚は難しいと思いますよ」と忠告しました。

「専業主婦よ」さんは、娘が結婚を前提に同棲を始めたものの、「友人知人には娘が家を出て暮らしていることは言いましたが、男性と同棲しているとは言っていません」と他言することには慎重です。

「結婚するかどうか分からない男性と同棲するなんて、身持ちが悪く、だらしない女性と見られるからです。口には出さなくても、そういうふうに見られていることがわかっていないようですね」

同棲経験、25~34歳女性で約1割

昭和世代は同棲に対して、あまり好意的ではないようですが、最近では、同棲生活に憧れている若いカップルが少なくないという話も聞きます。実際、どれくらいの人が同棲を経験しているのでしょう。

国立社会保障・人口問題研究所が行っている出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)の独身者調査の中に、同棲経験について尋ねる項目があります。未婚者の同棲経験割合は2005年調査まで上昇傾向にあり、2010年に一度減少したものの、2015年調査で一部の年齢層で再び上昇しました。直近の2021年調査では、同棲経験がある人は男性で6.4%、女性は8.2%でした。

【出生動向基本調査】独身者調査の「同棲経験のある未婚者の割合」(%)
【出生動向基本調査】独身者調査の「同棲経験のある未婚者の割合」(%)

「簡単に同棲するような軽い女もイヤです」

彼とのハッピーな同棲生活に水を差された形のトピ主さんは、さらに、男性からの意見を聞きたいと求めました。その問いかけに応じて、男性目線のコメントも数多く寄せられました。

「10年も付き合って2年以上も同棲していれば、(彼にとってトピ主さんは)家族に近い存在でしょう。生活費も負担してくれ、家事もそれなりにしてくれ、そのうえ夜の相手も困らない、都合のいい女ですね」と明け透けに言うのは「茶トラ好き」さん。「結婚せずこのままの生活のほうが義務も責任もないから楽です。これは好みの問題ですが、簡単に同棲するような軽い女もイヤですしね」とも付け加えました。

あえて「個人的な意見」と断って書き込んだ「50代の男性」さんも、「気の合う都合のよい女性として付き合うには『同棲』は最高の環境です」と言い切ります。「いざ彼女に飽きてしまったら、『ごめんなさい、好きでなくなったのでお別れしましょう』といって別れられますし……」と“男の本音”を明かし、「結婚をしたいなら、ちゃんと真面目に彼氏と向き合って、話をしたほうがいいですよ」と助言します。

「田中」さんは、「男性の私から見れば、婚約もしないで安易に同棲するのは、状況によってむしろ結婚が遠のくと考えます。最低でも期限を切らないとだめ」と強調。さらに、「同棲中に、『付き合うのはいいけど結婚はないな』と思ってしまったら、男は最後には何をしてでも逃げますよ」と忠告します。

やや身勝手に思える男性の意見も目立ちますが、どんなに同棲生活がラブラブでキラキラでも、「都合のいい女」や「長すぎた春」とならないように身構えをしておいたほうが良さそうです。

過去に長く同棲していたという「くるみ」さんが、当時のことを次のように振り返り、トピ主さんに釘を刺しました。

「うちは結局、同棲4年目に、こちらから説得して5年経った頃、結婚に持ち込みました。プロポーズは憧れだし、男性からしてほしいですけど、待っていたら間違いなくあと数年はないですよ」

(読売新聞メディア局 鈴木幸大)

【紹介したトピ】 同棲は羨ましくない?

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6070855 0 大手小町 2024/12/03 10:00:00 2024/12/04 01:26:21 /media/2024/11/20241130-OYT8I50012-T.jpg?type=thumbnail

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