石破首相「二重に大事なことがトランプ氏の心に響いたのではないか」…USスチール「投資」提示で

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 石破首相は9日、首相公邸で読売新聞のインタビューに応じ、米国のトランプ大統領との首脳会談で提示した日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画の修正案について、米国企業としての存続を前提に、投資と買収を線引きする法的な詰めの作業が行われるとの見通しを明らかにした。事態が解決に向かうとの認識も示した。

 バイデン前大統領が禁止命令を出した買収計画を巡り、首相は7日(日本時間8日)の首脳会談で「買収ではなく投資になる」と理解を求め、了承された。

読売新聞の単独インタビューに答える石破首相(9日午後、首相公邸で)=川口正峰撮影
読売新聞の単独インタビューに答える石破首相(9日午後、首相公邸で)=川口正峰撮影

 首相はインタビューで、製造業復活を掲げるトランプ氏にとり、「象徴が鉄だ」と指摘。会談では、USスチールの米企業としての存続と、日本からの投資で鉄の品質が向上する利点を説いたと明かし、「精神的な意味、実利の面の二重に大事なことがトランプ氏の心に響いたのではないか」と分析した。事態が解決に向かうかを問われると「そう思う」と語った。

 首相は「どこまでが買収でどこからが投資かという法律論的な色んな詰めはこれから行われる」と述べた。現行では日鉄がUSスチールの全株式を取得し、完全子会社化する計画だが、この部分の見直しに関し、首相は「政府としてあれこれ介入するつもりはないが、可能性はある」とし、「米企業であり続けるのは、どういうことなのかということを念頭に交渉がなされる」との見方を示した。

 トランプ氏は近く日鉄幹部と協議する意向だ。首相は「日鉄も慈善事業でやっているわけではないので、自社の利益を勘案した上で、誠意を持ってトランプ氏に応える必要がある」と強調した。

 首脳会談後の共同記者会見でトランプ氏は日本への関税引き上げを「あまり話し合っていない」と発言した。インタビューで首相は「日本は(米国との間で)麻薬や不法移民の問題があるわけではない」とし、そうした問題を抱える国と「同列に扱われるとは限らない」との期待感を示した。

 トランプ氏の中国に対する認識に関しては「力による現状変更を認めないことははっきりしている」と言明した。会談でトランプ氏が台湾情勢について言及したことも明らかにした。

 首相は、トランプ氏との関係については「個人的信頼関係は一朝一夕に作れるものではないが、『もう一回会って話したい、また会いたい』という感じを持てたことはすごく意味のあることだ」と手応えを語った。

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