暗視装置に銃、議場の傍聴席まで迫る兵士…190人の議員が集まり解除要求決議案を可決
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【ソウル=依田和彩】韓国の
聯合ニュースは4日、尹氏が戒厳令を宣布してから、4日未明に国会で戒厳令の解除要求決議案が可決されるまでの時間を「緊迫した155分」との見出しで伝えた。
金事務総長によると、尹氏が戒厳令を宣布してから約25分後の3日午後10時50分頃から国会周辺の門が閉鎖され、国会議員や国会職員の出入りが制限された。
3日午後11時48分から4日午前1時18分までの間に、戒厳兵230人がヘリコプターで国会の敷地内に進入したのに加え、約50人は国会の周囲に設置された塀を乗り越えて進入した。4日午前0時34分には、戒厳兵が国会議事堂の建物2階の事務室のガラスを割って中に入った。
戒厳兵は国会で進められていた戒厳令の解除要求決議案の採決を阻止するために送り込まれたとの見方がある。
国会内では議員補佐官らが、暗視装置などの装備をつけ、銃を構えた戒厳兵が本会議場に進入しないよう、本会議場につながるドアの前に椅子などを置いてバリケードを作り、消火器を噴射して対抗したという。
韓国主要紙・東亜日報などによると
既に国会周辺は警察官らが封鎖していたため、国会周辺で足止めに遭い、自分で塀を越えて敷地内に入った議員もいた。
本会議場に集まった議員は4日午前0時時点では約60人だったが、午前1時には190人が集まった。本会議場では禹議長に対して採決を急ぐ声も上がった。この時、本会議場2階の傍聴席まで戒厳兵が迫っていたとの情報もある。
出席議員190人全員の賛成で解除要求決議案が可決されると、本会議場では拍手が起こり、戒厳兵らは午前2時過ぎに国会から撤退した。
元々、4日には国会で本会議が開かれる予定だった。ある国会議員秘書は読売新聞の取材に「週末に戒厳令が出ていたら、地方を訪問していた議員が国会に来るのに時間がかかり、戒厳令解除にもっと時間がかかったかもしれない」と話し、「ソウルに議員が集まっていたのは幸いだった」と胸をなで下ろした。