中国輸入品に10%関税上乗せ検討…トランプ大統領、習氏にウクライナ問題で協力も求める
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【ワシントン=田中宏幸、池田慶太】米国のトランプ大統領は21日、ホワイトハウスで記者会見し、2月1日に中国からの輸入品に10%の関税を上乗せすることを検討していると表明した。中国からメキシコやカナダ経由で米国に流入しているとされる合成麻薬「フェンタニル」の問題に対処していないことを理由に挙げた。
トランプ氏は「カナダやメキシコから米国に流入するフェンタニルは大量で、多くの人々が殺され、家族が崩壊している」と強調。「中国が、メキシコとカナダにフェンタニルを送っている事実に基づき、10%の関税を課す」と語った。発動時期について「おそらく2月1日だ」と述べた。
また、欧州連合(EU)製品にも追加関税を課す公算が大きいとの見通しを示した。「彼らは関税を課されるだろう。それが公平さを得るための唯一の方法だ」と主張した。「我々の車や農産物を買わず、ひどい扱いをしている」と、対EUの貿易赤字を問題視した。
トランプ氏は就任初日の20日にも、カナダとメキシコに対し、不法移民や違法薬物の流入を理由に2月1日から25%の関税を課す可能性に言及している。
記者会見でトランプ氏は、中国の
米欧各国は中国がロシアを間接的に支援し、侵略を長引かせていると批判している。トランプ氏は記者会見で「彼(習氏)には多くの力がある」と語り、ロシアへの影響力行使を求めた。
トランプ氏は、プーチン露大統領がウクライナとの和平交渉に応じなければ対露制裁を強化する可能性にも言及した。停戦交渉に応じなければ追加制裁を科すか質問されたのに対し、「可能性がある」と答えた。「この戦争は起こるべきではなかった」とも述べた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「平和を強く望んでいる」と指摘した。