大阪市長選(3月9日告示、23日投開票)が盛り上がっていない。自民、民主、共産各党は候補者擁立の見送りを決定。橋下徹氏(44、日本維新の会代表)以外で出馬するのは、各種選挙で10回落選しているマック赤坂氏(65)ぐらいなのだ。市長選実施には約6億円の経費が必要で、選挙戦自体の意義を問う声も上がっている。
「名市長になるかもしれない。笑い顔が絶えない大阪になる」
橋下氏は先週、マック氏の出馬をこう喜んだ。政見放送で「笑顔のトレーニング法」を解説するなど奇抜極まるマック氏の参戦を歓迎せざるを得ないところに、橋下氏の苦しさがうかがえる。
橋下氏とすれば、主要政党の対立候補に圧勝し、大阪都構想に抵抗する市議会野党を黙らせたいところ。だが、各党は「選挙には大義名分がない」(高村正彦自民党副総裁)として候補者擁立を見送った。
こうしたなか、マック氏は「ひょっとしたら私が主要候補になるのではないか。今回は真面目にやる。票を取りに行く。今までと違うマックを見てくれ」と意気軒高だ。
そして、掲げる政策は「大阪の象徴といえる吉本興業の市営化」「当選したら市長として吉本新喜劇に出演」「大阪スマイル条例を制定し、御堂筋特区を作り、眉間にしわを寄せて歩いていたら罰金3万円」など、どこまで本気か分からない“仰天公約”がズラリ。
橋下氏がマック氏と一対一の討論会に応じれば、ある意味、面白そうなのは確かだが…。