オリラジ藤森さん購入宣言、長野の山林「600坪」の固定資産税は「激安」?
固定資産税
お笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾さんが1月15日、自身のYouTubeチャンネルにアップした動画で、地元・長野の山の購入を宣言しました。
かねてから自分だけのプライベート空間を持ちたいと考え、山を探していたという藤森さん。1月15日の動画で紹介した山の敷地は約600坪で、価格は1265万円だそうです。
現地でその山を見学した藤森さんは、水質検査で飲めると判定されたという湧き水が出ていたことに興奮し、「水は大事にしたいのよ」と気に入った様子。帰宅途中の車内で「めちゃくちゃいい物件だった」とあらためて絶賛し、この山を「買います!」と力強く断言しました。
「サウナ小屋を建てたい」「畑ちょこっと作りたい」など購入後に思いをはせる藤森さんですが、約600坪の敷地は所有しようとすれば、維持費もかかりそうです。購入費用とは別に、どれほどの税金がかかるものなのでしょうか。冨田建税理士に聞きました。
●山を所有する際の税金
——山を所有する際に負担する税金はどうなるのでしょうか。
一部に宅地などがあると事情が変わってきますので、以下は「山がすべて純粋な山林」だという前提でお話しします。
山林取得時にかかる税金としては、(1)不動産取得税、(2)登録免許税があります。また、所有することで毎年かかる税金としては(3)固定資産税があり、場合によっては(4)都市計画税がかかることもあり得ますが、山林所有に関して考えるべき税金は通常(1)~(3)だと考えてよいでしょう。
——藤森さんが購入予定の山に関する税金は、具体的にどれくらいの額になりますか。
(1)〜(3)については、固定資産税評価額(厳密には固定資産税課税標準額ですが、山林の場合、通常は同額です)の一定割合になります。具体的には(1)は3%、(2)は2%(2021年3月31日までの間に登記を受ける場合は1.5%)、(3)は毎年1.4%です。
固定資産税評価額は、不動産鑑定士の鑑定評価額や過去の推移等を勘案して求められた地域ごとの「平方メートル単価あたりの山林の標準価格」に、その山林の面積や個別性(奥行や法規制など)を勘案して定められることとなります。
一応、固定資産税評価額については3年に1度、「評価替え」(土地・家屋の評価の見直し)をおこなうという建前ですが、ほとんど変動がないのが実態でしょう。
藤森さんの山林の固定資産税ですが、長野県の山林の都道府県地価調査基準地の令和2年度価格は「40.8~121円/平方メートル」です。
山林の標準価格は基準地価格より低い傾向にあるので実際にはもっと低いと思いますが、仮に121円/平方メートルだとしても、面積600坪(=約1980平方メートル)を乗じると、固定資産税評価額は約24万円(121×1980=23万9580円)です。
30万円に満たない場合は免税となりますので、藤森さんの山林についても固定資産税は課税されない可能性が高いと思われます。
——税金以外で山を購入する際に注意すべき点はありますか。
畑を作る際等の伐採がどこまでできるのかなどの森林法その他法令制限の内容や、サウナ小屋を建てる際の都市計画関連の各種制限や建築基準法上の接道要件等は、大丈夫かどうか意識しておくべき点だと思います。
また、所有地で倒木などが発生した場合の賠償責任、相続対策など法的に検討しておくべき点があり、リスクや負担が発生する可能性があることも知っておいたほうがよいでしょう。
私も「RADIO FISH」やリズムネタ、乃木坂46さんとのラジオ番組などでご活躍をお見受けしますが、あの独特なチャラさの影でこんな一面もあると知ると、今後、より楽しんでご活躍を拝見できそうですね。
【取材協力税理士】
冨田 建 (とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務を経験し各種財務・税務・裁判関連の不動産鑑定に関与。著書「弁護士・公認会計士・税理士のための不動産の法令・評価の実務Q&A」や各種媒体に執筆。公認会計士協会東京会第四回音楽祭で自作曲で優勝。
事務所名 :冨田会計・不動産鑑定㈱/冨田 建 不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所
事務所URL:http://www.tomitacparea.co.jp