試合の模様は【NHKプラスで配信中】↓↓↓(2024年8月10日まで)
【詳しく】サッカー男子 日本 スペインに敗れ準決勝進出ならず
パリオリンピックサッカー男子の準々決勝で、日本は東京大会の銀メダル、スペインに0対3で敗れ、2大会連続の準決勝進出はなりませんでした。日本は前半、スペインに先制され今大会、初失点を喫し、後半にも2点を奪われました。
記事後半では、試合の詳しい経過もお伝えしています。
【NHKプラスで配信中】サッカー男子 日本×スペイン
日本 今大会もスペインに敗戦 2大会連続のベスト4ならず
日本は、予選リーグの3試合無失点と安定した戦いぶりでグループ1位で準々決勝に進み、2日、フランス南東部のリヨンで今大会の金メダル候補で前回、東京大会の準決勝で延長戦の末、敗れたスペインと対戦しました。
日本は前半11分、スペインのフェルミン・ロペス選手にペナルティーエリアの外から強烈なミドルシュートを決められて先制を許し、今大会初めて失点しました。
それでも前半終了間際、ペナルティーエリア内でボールを受けたエースストライカーの細谷真大選手が、振り向きざまに右足でシュートを打ってゴールネットを揺らしました。
しかし、このプレーがVARによるビデオ判定の結果、オフサイドと判定されてゴールが取り消され、0対1で前半を終えました。
後半に入ると、細かくパスをつなぐスペインに徐々に主導権を握られ、28分にスペインのコーナーキックから再びロペス選手に豪快に振り抜かれて追加点を奪われると、41分にはアベル・ルイス選手にコーナーキックからのこぼれ球を押し込まれて3点目を決められました。
日本は細谷選手を中心に何度もゴール前に迫りましたが得点を奪えず、0対3で敗れました。日本は、東京大会に続いてスペインに敗れ、2大会連続の準決勝進出はなりませんでした。
《試合後 日本 監督・選手談話》
大岩監督「悔しい結果だが 選手たち 次を目指すいいきっかけに」
大岩剛監督は、試合直後のインタビューで「選手たちは非常によく頑張ってくれていた。悔しい結果だが、選手たちが次を目指すいいきっかけにしてほしい」と話しました。
また、パリオリンピックを目標に戦ってきたチームを振り返ってどう思うかと問われると目に涙を浮かべて言葉をつまらせ「このあとはフル代表しかないので、そこを目指して成長してほしい」と選手たちの今後にエールを送りました。
藤田譲瑠チマ主将「個人としても強くなる必要がある」
キャプテンの藤田譲瑠チマ選手は目に涙を浮かべながら試合後のインタビューに応じ「優勝を目指してやってきたが、スペインは強かった。自分としてももっとできないといけないし情けなかったが、みんなとここまで戦えてよかった」と話しました。
その上で「みんながチームのことを愛してチームのために戦える集団だった。スペインのような強いチームに負けないように個人としても強くなる必要がある。上のレベルでサッカーをして成長したい」と今後のステップアップを誓っていました。
細谷真大「FWとしてもっと上にいかないと」
エースストライカーの細谷真大選手は、前半終了間際の自身のゴールがVARの結果、取り消されたことについて「完璧な形だと思っていたので、取り消しになって悔しい思いはある。決まった瞬間は『決まった』と思った」と振り返りました。その上でゴールが取り消されたときの心境について「心の準備はしていたので、すぐに気持ちを切り替えることができた。詳しくは分からないが、しっかりロッカーに戻って確認したい」と話しました。また、チームが無得点に終わったことについて「チャンスはあったし、自分がゴールを決めていれば流れは変わったと思うので、そこは自分の実力不足かなと思う。フォワードとしてもっと上にいかないといけない」と淡々と話していました。
GK小久保玲央ブライアン「まさかここで終わるとは」
今大会、好セーブでチームを支えたゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手は3失点を喫したことについて「先制されて相手に流れを作らせてしまった。後半はセットプレーで失点してしまい、もったいないことをした」と悔しそうに試合を振り返りました。
チームが準々決勝で敗れたことについて「このチームがまさかここで終わると思っていなかったので、今はちょっと頭の整理が追いつかない」とぼう然とした表情で話していました。
MF山本理仁「W杯でスペインを倒したい」
中盤を支えた山本理仁選手は「このメンバーでもっと戦いたかったが、スペインはチームとしての力量が桁違いだった。さらにレベルアップして、ワールドカップでスペインを倒したい」と雪辱を誓いました。
細谷選手のゴールがオフサイドで取り消された場面については「入っていたら違う展開だったかもしれないが、これがサッカーだ。もっとしっかりチャンスを作っていかなければいけなかった」と話していました。
“スペインの壁”今大会も越えられず
3年前の東京オリンピック。「史上最強」との呼び声が高いメンバーで臨んだ日本の前に高い壁として立ちはだかったのがスペインでした。
久保建英選手や堂安律選手など、すでに海外の主要リーグで活躍する経験豊富な選手に加えて、年齢制限のない代表で主軸を担っていた吉田麻也選手や遠藤航選手などがオーバーエイジ枠で加わり、盤石の布陣で臨みました。
それでもスペインに延長戦の末敗れ、日本は自国開催の大会でメダルを逃しました。その悔しさを託されたパリ世代の選手たち。しかし、おととしの強化試合では後半に2失点して0対2で敗れました。
中盤の要、山本理仁選手が「各年代のカテゴリーでボコボコにやられてきたので、いちばんやりたかった。東京大会の借りを返したい」と話したように、選手たちは金メダル候補のスペインに対し「今度こそは」という思いを強くして試合に臨みました。選手どうしの連係と組織力を生かして準々決勝に進んできた日本。しかし、今大会もスペインの高い壁を越えることはできませんでした。
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【解説】最高のポストプレー わずかに…
日本は、1点を追う前半終了間際、エースの細谷真大選手がディフェンダーを背負いながら振り向きざまにシュートを打ち、ネットを揺らしましたが、VAR=ビデオ・アシスタント・レフェリーの結果、オフサイドとなり、同点のチャンスを逃しました。
オフサイドはいわゆる“待ち伏せ”を禁止するルールで、攻撃側が相手の陣地でパスが出されたタイミングで、自身の前に相手が1人しかいない状況で、ボールを受けるなどすると反則をとられます。
ゴール側にディフェンダーを背負ってボールを受け、体を反転させて打った細谷選手のシュートは、これぞ、エースという“最高のポストプレー”に見えましたが、VAR判定に持ち込まれました。頭、胴体もしくは足の一部でもオフサイドポジションに入っていると反則となるルール。公開された映像では、細谷選手の右足がごくわずか、オフサイドポジションに出ていてゴールが認められませんでした。
日本にとってあまりにも痛いゴールの取り消しに、細谷選手も試合後「悔しい思いはある。自分の実力不足」と振り返りましたが、強豪のスペインを相手にギリギリの攻防を繰り広げたからこそ生まれた場面でした。
◇試合データ
【得点】
▽前半11分 スペイン フェルミン・ロペス
▽後半28分 スペイン フェルミン・ロペス
▽後半41分 スペイン アベル・ルイス
【シュート数】
日本:9/スペイン:12
【ボール保持率】
日本:47%/スペイン:53%
【解説】合言葉は“A代表で雪辱を”サッカー男子 五輪日本代表
==試合経過==
《先発メンバー》
◇日本
【GK】1.小久保玲央ブライアン
【DF】4.関根大輝/5.木村誠二/15.高井幸大/16.大畑歩夢
【MF】7.山本理仁/8.藤田譲瑠チマ/14.三戸舜介/20.山田楓喜
【FW】10.斉藤光毅/11.細谷真大
日本は予選リーグ第3戦のイスラエル戦から山田選手、山本選手、木村選手、それに小久保選手以外の7人を入れ替えました。
◆スペイン
【GK】1.アルナウ・テナス
【DF】2.マルク・プビル/3.フアン・ミランダ/4.エリック・ガルシア/5.パウ・クバルシ/17.セルヒオ・ゴメス
【MF】6.パブロ・バリオス/10.アレックス・バエナ/11.フェルミン・ロペス/14.アイマール・オロス
【FW】9.アベル・ルイス
日本時間0:00
【試合開始】
パリオリンピック、サッカー男子の準々決勝、日本 対 スペインは日本時間の3日午前0時に日本のキックオフで始まりました。
【前半1分】日本0-0スペイン
試合開始直後、三戸舜介選手へのファウルでエリック・ガルシア選手にイエローカードが出され、日本はフリーキックを獲得しますが、得点にはつながりませんでした。
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★GOAL【前半11分】スペインが先制 日本0-1スペイン
スペインはフェルミン・ロペス選手がペナルティーエリアの外でボールを受けてこの試合、両チーム最初のシュートを打ちました。左足からの豪快なシュートは、ゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手が手で触りましたが止めることができず、スペインが先制しました。日本は今大会、初失点です。
【前半18分】日本0-1スペイン
日本は、大畑歩夢選手が左サイドからゴール前にクロスボールをあげますが、逆サイドでフリーで待つ山田楓喜選手につながらず、シュートを打つことはできませんでした。
【前半23分】日本0-1スペイン
ここまでボール支配率はスペインが7割近くに上っています。
【前半27分】日本0-1スペイン
日本は細かいパスをつないで相手陣に攻め込み、関根大輝選手が右サイドで守備の裏に抜け出した山田楓喜選手にパスを出しましたが、オフサイドとなりチャンスにつながりませんでした。
【前半32分】日本0-1スペイン
日本は、パスをつないで右サイドに走り込んだ山本理仁選手がペナルティーエリア内でゴール前にクロスボールをあげましたが、相手の守備に阻まれました。
【前半33分】日本0-1スペイン
日本は藤田譲瑠チマ選手からのパスを受けた三戸舜介選手がペナルティーエリアの外から、この試合、チーム最初のシュートを打ちましたが、ゴールの枠を捉えることはできませんでした。
【前半39分】日本0-1スペイン
日本は、山本理仁選手のコーナーキックに斉藤光毅選手が頭で合わせますが、相手選手に当たってゴールはなりませんでした。
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【前半43分】日本 細谷のゴールは取り消し 日本0-1スペイン
日本は細谷真大選手がペナルティーエリア内でボールを受け、振り向きざまに右足でシュートを打ってゴールネットを揺らしました。
同点に追いついたかに思われましたが、VARの結果、オフサイドの判定となり細谷選手の得点が取り消されました。
アディショナルタイム 7分の表示
【前半アディショナルタイム】日本0-1スペイン
日本は相手陣で得たフリーキックのチャンスで山田楓喜選手が遠いサイドにいた細谷真大選手にパスを送り、細谷選手がヘディングシュートを打ちましたが、ゴールポストに当たって得点はなりませんでした。
【前半終了】日本0-1スペイン
日本は先制された後、徐々に攻勢を強め、たびたび得点のチャンスを作りましたが、細谷真大選手のゴールが取り消されるなど得点を挙げることができず、0対1で前半が終了しました。
【後半開始】日本は選手交代 山田→藤尾
日本対スペインの後半が始まりました。日本は、山田楓喜選手に代わって藤尾翔太選手が入りました。
【後半2分】日本0-1スペイン
スペインはアベル・ルイス選手が後半最初のシュートを打ちましたが、枠を外しました。
【後半4分】日本0-1スペイン
スペインは、フェルミン・ロペス選手がゴール正面でボールを受けてシュートを打ちましたが、ゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手が手ではじいて防ぎました。
【後半10分】日本0-1スペイン
スペインは、ドリブル突破から素早くパスをつないでアレックス・バエナ選手がフリーでシュートを打ちましたが、ゴールの左にそれました。
【後半19分】日本0-1スペイン
日本は前線でボールを奪って攻め込み、ペナルティーエリアの外から三戸舜介選手がシュートを打ちましたが、相手のゴールキーパーにキャッチされて得点はなりませんでした。
【後半22分】日本 選手交代 斉藤→佐藤
日本は斉藤光毅選手に代わって佐藤恵允選手が入りました。
【後半27分】日本0-1スペイン
スペインはゴール正面のフリーキックの場面でフアン・ミランダ選手が左足で直接ゴールをねらいましたが、小久保玲央ブライアン選手が好セーブを見せて防ぎました。
- 注目
★GOAL【後半28分】スペインが追加点 日本0-2スペイン
スペインはコーナーキックから、ペナルティーエリアの外にいたフェルミン・ロペス選手が右足の強烈なミドルシュートをゴール右隅に決めました。この試合2点目です。
日本は2点を追う展開となりました。
【後半29分】日本 選手交代 三戸→植中
日本は三戸舜介選手に代わって植中朝日選手が入りました。
【後半36分】日本 細谷のシュートGKに阻まれる 日本0-2スペイン
日本は細谷真大選手がゴール前で相手からボールを奪い、そのまま持ち込んで右足でシュートを打ちましたが、ゴールキーパーの手に阻まれ得点はなりませんでした。
- 注目
★GOAL【後半41分】スペインが3点目 日本0-3スペイン
スペインのコーナーキックからこぼれ球をアベル・ルイス選手に押し込まれて3点目を許し、0対3となりました。
【後半43分】日本0-3スペイン
日本はコーナーキックのチャンスで高井幸大選手がヘディングシュートを打ちましたが、クロスバーに阻まれて得点することができませんでした。
アディショナルタイム 5分の表示
【試合終了】日本0-3スペイン
日本はスペインに敗れ、準々決勝敗退となりました。日本は前半から得点のチャンスがたびたびありましたが、細谷真大選手のゴールがオフサイドで取り消されるなどして得点を挙げることができませんでした。後半は、スペインの攻撃を防ぐことができず、0対3で敗れました。
【NHKニュース】パリオリンピック2024
細谷真大の地元 茨城 牛久からも声援 父はねぎらいのことば
エースストライカーの細谷真大の地元、茨城県牛久市の市役所ではパブリックビューイングが行われ、およそ50人が集まりました。0対1でリードを許していた前半、細谷選手のシュートでゴールネットを揺らすと会場も盛り上がりましたが、その後、オフサイドの判定が出ると大きなため息が出ていました。
細谷選手は後半にもシュートを打って見せ場をつくりましたが、日本代表は0対3で敗れ、会場に集まった人たちからは健闘をたたえる拍手が送られました。
細谷選手の父、武光さん(50)は「オリンピックの舞台で活躍してくれたことは家族にとって誇りで、本人には『お疲れさま』と伝えたい。次はワールドカップで活躍してほしい」と話していました。
《準々決勝 見どころ》
日本 予選リーグ3連勝で準々決勝へ
選手どうしの連係や組織力が持ち味の日本は、予選リーグの3試合をいずれも無失点で勝利し、チーム力の充実を伺わせています。
【予選リーグ】
▽第1戦 5-0 パラグアイ
▽第2戦 1-0 マリ
▽第3戦 1-0 イスラエル
【予選リーグ第1戦】パラグアイ戦を詳しく
【予選リーグ第2戦】マリ戦を詳しく
【予選リーグ第3戦】イスラエル戦を詳しく
【18人全名簿】パリ五輪 サッカー男子 オーバーエイジ招集なし
勝負のスペイン戦へ 勝敗のカギは?
前回の東京大会で銀メダルのスペインは、日本が準決勝で延長戦の末、0対1で敗れた相手です。年齢制限のない代表がパリオリンピックの直前に行われたヨーロッパ選手権を制し、今大会のメンバーにはその優勝メンバーも名を連ねています。スペイン1部リーグの強豪、バルセロナに所属するミッドフィルダーのフェルミン・ロペス選手など才能ある選手をそろえ、金メダル候補に挙げられています。
細かくパスを回して守備の隙をねらってくるスペインに対し、キャプテンの藤田譲瑠チマ選手やゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手を中心に高い集中力で守り抜いて、攻撃陣が少ないチャンスを確実に決めきることができるかが勝負を分けるポイントになりそうです。