プーチン大統領 ウクライナの越境攻撃は“失敗”との見方強調

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ軍がロシア領内で続けている越境攻撃をめぐり、ウクライナ東部でのロシア軍の進軍を止めようとした試みで、失敗しているとの見方を強調しました。

ロシアのプーチン大統領は2日、ウクライナ軍がロシア西部のクルスク州で1か月近くにわたって続けている越境攻撃について「ウクライナ東部、ドンバス地域でのロシア軍の進軍を止めようとした試みだ」と述べました。

そのうえで「結果は明らかだ。ドンバス地域でロシア軍は久しくなかったペースで進軍している」と述べ、ウクライナ軍がクルスク州に越境攻撃をすることでドンバス地域に展開するロシア軍部隊を再配置させようとしたが、そうはならず、失敗しているとの見方を強調しました。

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の要衝、ポクロウシク方面への進軍を続けていて、戦況を分析するイギリス国防省は1日、「ロシア軍がこの7日間で進むペースが速くなっている。おそらくポクロウシクまで10キロ以内のところまで来ている」と指摘しています。

そして、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は1日、SNSに「敵の主要な攻撃がある地域では状況が厳しくなっている」と投稿しています。

シルスキー総司令官は、先週も「ポクロウシクの戦線の状況はかなり厳しい」と述べていて、ウクライナ軍がロシアへの越境攻撃を続ける一方で、ロシア軍はウクライナ東部での攻勢を一層強めています。