米ニューヨーク州知事 中国総領事追放求める 元側近の起訴受け

ニューヨーク州の知事は、元側近が中国政府の代理人としてひそかに活動していた罪などで起訴されたことを受け、中国の総領事を追放するようアメリカ国務省に求めました。これに対し、国務省は総領事はすでに出国したと明らかにしましたが、通常の定期異動だったと説明しています。

アメリカの司法当局は3日、去年までニューヨーク州のホークル知事の補佐官などを務めていたリンダ・サン被告を、中国政府の代理人としてひそかに活動していた罪などで起訴しました。

起訴状によりますと、サン被告とその家族は、活動の見返りにニューヨークにある中国総領事館からコンサートチケットや専属シェフによるアヒル料理など、さまざまな贈り物を受け取っていたということです。

ホークル知事は4日、この事件を受けてアメリカ国務省の高官と電話で会談し、中国総領事館の総領事について「追放されるべきだ」と伝えたということです。

これに対し、国務省からは「総領事はすでにニューヨークを離れている」と明らかにされたとしています。

このやり取りについて国務省のミラー報道官は4日、「総領事は8月に通常どおり任期を終え、職務を離れたというのがわれわれの理解だ」と述べ、外交官に対する「国外追放」の措置がとられたわけではないと説明しました。

ニューヨークの中国総領事館のホームページには、4日の時点でも、職務を離れたとされる総領事の写真が掲げられ、新しい総領事が着任したかどうかはわかっていません。

起訴状によりますと、サン被告とその家族は活動の見返りとして得た資金を洗浄するために、不動産や高級車などを購入していたということです。

ニューヨーク州に360万ドル、日本円で5億円あまりの家を購入していたほか、ハワイにも、190万ドル、日本円でおよそ2億7000万円の物件を購入していたと指摘しています。

また、フェラーリを含むさまざまな高級車も購入したとされています。

このうちABCテレビは、サン被告がニューヨークにある中国総領事館から招かれ表彰を受けているとみられる写真とともに、森の中の広大な敷地に建つ彼女の家とみられる大きな邸宅の映像を紹介し、その豪華な生活を伝えています。