自民党の森山幹事長はNHKの番組で「石破総理大臣を選んでいただけたことは大変ありがたい。国会運営は、しっかり議論して結論を出していくことに尽きる」と述べました。
また政治とカネの問題をめぐり、収支報告書に不記載があった議員の対応について「できれば国会の政治倫理審査会で説明してもらうことがいいのではないか。本人の意思が大事なので、しっかり見ていきたい」と述べました。
一方、国民民主党が主張する「年収103万円の壁」の見直しなどによって、税収が減ると指摘されていることについては「自治体に大きな影響があり、地方創生に逆行する。補填(ほてん)する財源がどうなるのかという点が大事だ」と指摘しました。
石破氏が第103代首相に選出 各党の反応は
11日、総理大臣指名選挙が行われ、決選投票の末に石破総理大臣が第103代総理大臣に選出されました。
各党の反応をまとめました。
自民 森山幹事長「石破首相の指名 大変ありがたい」
立民 野田代表「新しい国会の姿をつくれるように」
立憲民主党の野田代表はNHKの番組で「野党の力を結集しきれず、私の不徳のいたすところだ。臨時国会の持ち方を含め、次の参議院選挙に向けて、丁寧な議論をしながら野党の力を結集できるように頑張りたい。一方で、決選投票では石破総理大臣も過半数をとれておらず、非常に政権運営は難しいと思う。国政が混乱や停滞するのではなく、逆に一致点を見いだす新しい政治の実現に努力をしていきたい」と述べました。
また記者団に対し「結果的には敗れたので残念だ。野党の票を結集できなかったことは、不徳のいたすところだ。野党間で連携して、本当に政権を取りにいく共通認識をつくりきれていなかった」と述べました。
その上で「次の参議院選挙や衆議院選挙を目指して、野党間の連携の気持ちが強まるように、臨時国会での戦い方が大事なので、連携を積み重ねていきたい。与野党きっ抗したことによって、審議が活性化する新しい国会の姿をつくれるように頑張っていきたい」と述べました。
維新 馬場代表「物価高への対策を早急に」
日本維新の会の馬場代表はNHKの番組で「現下の社会情勢や物価高、そして手取りは増えない状況の中で、この大きな問題を先に片づけましょうという話をしたが、自民党からも立憲民主党からも、確たる返事がなかったので、われわれはどちらにも軍配を上げない対応をとった。自民党と立憲民主党のどちらが改革を実行していくのか、今後見極めていきたい。これまでも各政党と是々非々でやってきたので、今後もそのように判断していく」と述べました。
また記者会見で「石破総理大臣は『党内野党』として国家、国民の立場に立った考え方や政策を発信していたにもかかわらず、総理大臣になった瞬間にひょう変してしまい、石破政権に対する国民の信頼はどんどん落ちていっている」と述べました。
その上で「びっくりするくらいの物価高が進んでいるので、対策を早急にやることが肝要だ。われわれは結党以来、各政党と是々非々でやってきたので、今後もそれぞれのテーマごとにしっかりと中身を見て対応していきたい」と述べました。
公明 斉藤代表「丁寧な合意形成の政治を進める」
公明党の斉藤代表はNHKの番組で「丁寧な合意形成の政治を進めることに尽きる。少数与党として出発するので、野党の意見も聞きながら合意形成に努めていきたい」と述べました。
また、政治とカネの問題をめぐり「年内に政治改革関連の法案を成立させる。政策活動費や、旧『文通費』=現在の「調査研究広報滞在費」政治資金をチェックする第三者機関などについて、与野党協議を開き、結論を得て政治改革を進めることが信頼回復の第一歩なので、そこからスタートさせたい」と述べました。
国民 玉木代表「野党も責任を持って国会論戦に」
国民民主党の玉木代表はNHKの番組で「わが党に寄せられた、手取りを増やす経済政策をしっかりやってほしいという声をどう実現していくのかが本当に重要だと思っている。手取りを増やす、特に『年収103万円の壁』を上げるという政策を実現し、日本経済の再生につなげていきたい」と述べました。
また、国会内で記者団に対し「84票の無効票が出たということは、逆に言えば、対抗する野党第1党が、野党をまとめきれなかったということの証左でもある。これから野党第1党である立憲民主党の野田代表のリーダーシップが問われる。野党も責任を持って国会論戦に臨んでいくことが、これまで以上に求められる」と述べました。
共産 田村委員長「自公政権に『ノー』という民意に応える行動」
共産党の田村委員長はNHKの番組で「衆議院選挙で示された自公政権に『ノー』という民意に応える行動として、決選投票では立憲民主党の野田代表に投票した。国民の要求は切実で、今後、その声に応えて力を発揮できるかが、各党に問われる」と述べました。
また記者団に対し「石破政権は、極めて不安定な状態で国会運営を行うことになり、各政党は、行き詰まった自民党政治の延命に手を貸すのか、それとも国民の要求を実現するために努力をするのかが問われてくる。『自民党一強』とは違い、各党の意見を聞いて国会運営をしなければいけなくなっているので、徹底審議を求めていきたい」と述べました。
れいわ 山本代表「減税と給付が必要だ」
れいわ新選組の山本代表はNHKの番組で「日本は30年間、不況が続く先進国ただ1つの国だ。新型コロナが来て、物価高、国民の6割が生活が苦しいと言い、中小企業がばたばた潰れている。消費税の減税をやることが当然で、減税の『げ』の字も出さない国民生活を全く顧みる気持ちもないような人たちにトップになられたら困る」と述べました。
また記者会見で「必要なことは、国全体の景気回復で、一人一人の購買力を高めていくことだ。減税と給付が必要だということを国会で主張し、国民の皆さんと国会の中と外で繰り広げていきたい」と述べました。
参政 神谷代表「減税や積極財政の党が議席伸ばした 受け止めを」
参政党の神谷代表は「少数与党で国会運営が大変だと思うが、増税や国民の経済状況が悪くなることは避け、今回の選挙で減税や積極財政を主張した党が議席を伸ばしたので、しっかりと国民の声として受け止めてもらいたい。外交や国防といったテーマには参政党もしっかりと協力し、野党なので何でも反対ではなく政策に応じて日本が良くなるようにしていきたい」と述べました。
保守 百田代表「法案に関し他党と協力は大いにある」
日本保守党の百田代表は記者会見で「石破氏が総理大臣に指名されるのは既定路線で、総理大臣になったことについて、あまり感想はない。総理大臣になる以前から石破氏には国家観や一本筋の通ったものが私には見えない」と述べました。
その一方で「3人の小さな政党で、国会でどんなふうに存在を高めていくかは難しい。法案に関しては、われわれも、ぜひとも成立させるべきというものがあったら、ほかの党との協力は大いにある」と述べました。
社民 福島党首「熟議の国会になることを期待」
社民党の福島党首はNHKの取材に対し「党として『自民党ではダメだ』ということで、立憲民主党の野田代表に投票した。結果的には石破氏が総理大臣に選ばれたが、与党が過半数割れした意味はすごく大きい。選択的夫婦別姓や同性婚など、法律を1つ1つ成立させていきたい。本当に今がチャンスだ。今後、強行採決などが行われるのではなく、熟議の国会になることを期待する」と述べました。