2023年8月、神奈川県鎌倉市にあるJR東海道線の大船駅の近くで、走行中の電車が線路脇の電柱に衝突し、乗客や運転士が軽いけがをした事故について、国の運輸安全委員会が調査報告書を公表しました。
JR東海道線の電車と電柱衝突事故で報告書“電柱が傾いて衝突”
2023年8月、神奈川県内を走行中のJR東海道線の電車が、線路脇の電柱と衝突した事故について、国の運輸安全委員会は、電柱のひび割れから雨水が入って中の鉄筋が腐食して破断し、電柱が傾いて衝突したとする報告書をまとめました。
それによりますと、当時の運行状況や衝突した電車の傷などから、電柱は、事故のおよそ3分半前に大きく傾いたとみられ、およそ23度傾いた状態で時速89キロで走行中の電車と衝突したとしています。
電柱が傾いたのは、架線からの引っ張る力などで根元部分にひび割れが起き、この部分から雨水が入って、中の鉄筋が腐食して破断したことなどが原因だとしています。
鉄筋は10本あり、
▽3本は、破断から相当な時間が経過した状態で
▽さらにもう1本の腐食や亀裂が進んだことで、大きく傾いた可能性があるとしています。
また、JR東日本は、電柱の目視での検査を行っていましたが、傾いた原因となったひび割れを発見できなかったとみられるということです。
そのうえで、再発防止のため、同じような電柱は補強や建て替えのほか、設計方法の見直しが必要だと指摘しています。