今回は中国の上海雷塔智能科技(ラッタ)の「Supernote Nomad」をレビューする。電子ペーパーを採用するタブレットなのだが、最大の特徴は手書きノートにこだわり抜いていることだ。
電子ペーパーを採用するタブレット端末は他にも多数リリースされているが、Androidのアプリが動くといったタブレット端末としての使い勝手を採用する方向に進化しているモデルが多い。Supernote Nomadも電子ブックは読めるのだが、基本は「電子ノート」に特化している。
画面サイズは7.8インチと小型のノート程度で、重量はカタログ値で266グラムと軽い。これはちょっと大きめのスマートフォンと同程度という負担のない重量で、厚めの紙のノートよりも持ち歩きやすいのだ。
新モデルの「Crystal」は、背面が透明のカバーになっているスケルトンタイプで、ネジ回しを使うと、自分でバッテリー交換などができるように考えられている。なお今回のレビューはメーカーより製品の提供を受けている。
書き味は最高だ
ペンはワコムのEMR(電磁共鳴技術)と呼ばれる方式で、充電をしなくてもいいのが便利だ。ディスプレーは「FeelWrite2自己回復フィルム」というスクリーンプロテクターを採用している。表面の材質がかなり柔らかめで、筆記時に微妙な沈み込みを感じる。
とはいえ、自己回復というだけあって特に跡が残るわけではない。ペン先はセラミックで、このフィルムと組み合わせて使うとペン先がすり減ることがないため交換も不要となる。
実際に使ってみると、これまでに試した膨大な電子ペーパーの中でも、最も書きやすいと感じる。まず、ペン先から手に伝わる抵抗感が紙に書いている感覚に近い。このため不快な滑りがほとんどない。
ちょうど「紙+ボールペン」のような書き味なのだ。とはいえ、全く滑らないわけではなく、力を入れなければそれなりに軽く書ける。もちろん筆圧も検知し、力の入れ具合で抵抗感が変わるのも紙っぽい。