広島市安佐南区にある所有者不明の不適切な盛り土について、広島県は大雨による地下水位の上昇と大きな地震が重なることで崩壊する恐れがあると結論づけた。県は地元住民に対し、調査結果と排水処理などの対策案を2024年11月17日に報告した。対応を直接担う広島市は、所有者が不明なまま対策工事を実施するか検討中だ。
広島県によると、同盛り土の傾斜は最大約22~24度で、長さ約170mにわたり最大高さは36mで積み上がっている。谷埋め盛り土のため、地下水が集まりやすい地形だ。盛り土は主にれき混じり砂で、一部ビニール片やプラスチックなど廃棄物もあるという。
盛り土には、地表が流水によって溝状に洗掘されるガリー浸食の跡が見られた。ガリー浸食の最大幅は約4〜5m、深さ約2mだ。さらに排水パイプが崩壊して、崩壊箇所より水が流出している箇所もあった。