親が子供に対して抱く気持ちとしてよくあるのが「大人になったときに路頭に迷わないでほしい」というものだろう。そのためには、社会に役立つ何らかの技能を身につける必要がある。いわゆる「手に職をつける」というやつだ。
こうした技能として最近、人気が高いのがプログラミングだ。日本では、少し前まではプログラミングを「コーディング」と呼んで「誰でもできる仕事」とさげすむ風潮があったが、さすがに今ではそうした風潮は薄れているように感じる。本人に実力があるのが大前提だが、空前のエンジニア人材不足を背景に、ソフトウエア開発に従事するエンジニアの年収は上昇傾向にある。
エンジニアの地位や年収が相対的に低い日本の保守的企業が嫌であれば、米Google(グーグル)や米Microsoft(マイクロソフト)といったいわゆるGAFAMを目指すという道もある。こうした企業では、高い実力を持つエンジニアは厚待遇で迎えられる。
実際、今では子供向けプログラミングスクールの広告をよく見かけるようになった。ブロックを組み立ててつくったロボットなどをプログラムで動かす「レゴマインドストーム」や、画面上で機能のブロックを組み合わせてプログラムをつくる「Scratch」などがよく使われているようだ。
もっとも、企業のシステム開発の際にマインドストームやScratchを使っている現場はない。マインドストームやScratchは、プログラミングに興味を持ってもらうための「入り口」にすぎない。職業プログラマーを目指すなら、どこかで通常のプログラミング言語を習得する必要がある。
そうしたプログラミング言語として真っ先に名前が挙がるのはやはり「Python」だろう。最近注目を集めている生成AI(人工知能)をはじめとしたAIの開発にはPythonが多用されているからだ。
Pythonは癖が少ないため入門に向いているという面もある。Pythonでプログラミングの基本的な概念を理解すれば、他の言語を学ぶ際の基礎になる。
Pythonと並んで入門用言語としてよく選ばれるのが「JavaScript」だ。WebブラウザーさえあればJavaScriptのコードを実行できるため、言語処理系をわざわざ用意する必要がないというメリットがある。