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 個人情報の流出や購入詐欺、アカウントの乗っ取り、SNSの投稿ミスなど、インターネットを使っていると、さまざまなトラブルに遭遇する。事例と仕組みを理解することで、こうしたトラブルを迅速に解決しよう。 全5回の特集として掲載する。

自分向けに繰り返し表示される広告が不快

 Webサイトを巡回していると、少し前に調べていた商品が広告として表示されることがある。ネットでの行動が追跡されているようで薄気味悪さを覚えても無理はない。

以前調べた商品が別サイトで表示される
以前調べた商品が別サイトで表示される
ネットショップで閲覧した商品が別のサイトで広告として何度も表示されることがある(画面は楽天市場)

クッキーに足跡が残る

 こうしたネット広告の大半は、Webサイトに訪れたユーザーのパソコンに保存させる「クッキー(Cookie)」と呼ぶデータを利用している。通常、ネット広告枠を設けたWebページにユーザーが訪れると、サイトのサーバーが広告会社のサーバーにリクエストを送信し、広告が配信される。その際、広告会社のサーバーはユーザーのパソコンに対してクッキーを発行し、識別IDや閲覧履歴などが保存される。以降は、クッキーを受け取ったパソコンが広告会社と提携するWebページにアクセスするたびにクッキーを参照されるようになる。広告の内容がユーザーが閲覧した商品などと連動しているのは、このような仕組みによるものだ。アマゾンや楽天などは、自前の広告配信システムを持つ。

広告の内容はユーザーのアクセス履歴が反映される
広告の内容はユーザーのアクセス履歴が反映される
同じような広告が何度も表示される場合、クッキーによってユーザーの行動が追跡されている可能性がある。広告はアクセス履歴に基づいて表示される