スクレイピングを始める準備として、Pythonの実行環境をインストールしよう。
お薦めは、公式サイトが配布しているプログラムをインストールする方法だ。Pythonの公式サイト(https://www.python.org/)にアクセスし、「Downloads」と書かれた場所にマウスカーソルを動かす。
するとアクセスした環境に応じた最新のインストーラーのダウンロードボタンが表示される。古いバージョンや別の稼働環境向けのインストーラーが必要な場合は、OS名をクリックするとその先にあるページでダウンロードできる。
PATHの設定は要検討
ダウンロードしたインストーラーを実行する際に注意したい点が1つある。PATHの設定だ。
PATHは「環境変数」の1つ。Windowsがプログラムを実行する際に、自動的に検索するフォルダーを記述する。例えばネットワークコマンドの「ping」のファイル名は「ping.exe」で、「C:¥WINDOWS¥system32」というフォルダーに格納されている。このフォルダーはPATHにデフォルトで指定されているので、特に場所を指定しなくても実行できる。
インストーラーを起動すると、最初にPythonをPATHに加えるかどうかを聞かれる。加えるとPythonインタープリター自体と、関連ツールの場所を特に指定しなくても実行できるようになる。利便性は高い。
半面、後述するようにPythonでよく使う仮想環境との整合性を取りにくくなる懸念がある。このため筆者はライブラリーなどのバージョンを意識付けするため、PythonをPATHに加えないようにしている。この場合でも「py」というコマンドを使えば、場所を指定しなくてもPythonインタープリターやツールを起動できる。
もっとも、入門書などではここをクリックするよう指定しているケースが多い。どちらを選んでもよいだろう。
Pythonにはもう1つインストール方法がある。コマンドプロンプトなどで「python」と入力する方法だ。するとMicrosoft Storeアプリが自動で起動する。表示された画面で「入手」をクリックするとPythonがインストールされ、PATHも設定される。