九州大学は2016年2月3日、福岡市西区の伊都キャンパスで第10回「水素先端世界フォーラム2016」を開催した。水素材料先端科学研究センターや次世代燃料電池産業連携研究センターなど様々な研究施設を運営している九州大学は、福岡県が産官学連携で進める「福岡水素エネルギー戦略会議」の中核的な存在。
毎年1回、世界各地から水素関連の研究者が集まり、研究発表や意見交換を行うこのフォーラムの今年のテーマは「水素エネルギーの次の10年に向けて」である。最初に挨拶に立った福岡県の小川洋知事は「家庭用燃料電池『エネファーム』の設置台数は累計15万台となり、燃料電池車も公用車に32台採用している。トヨタ『MIRAI』のタクシーも5台走っている」と、同地区の燃料電池の活発な普及状況を紹介した。
次の10年が正念場
しかし「燃料電池は次の10年が正念場だ。一層の普及に向けて県は率先して導入を進めるし、水素ステーションも設置するが、その上で国に対しては、燃料電池や水素施設に関する、より一層の規制緩和を要請していく」と述べた。