日経ソフトウエア2008年6月号にて掲載した「特選フリーソフト170」をお届けします。Partごとにテーマを決めて,そのテーマに沿ったフリーソフトを最後のページでまとめて掲載しています。2008年6月号の付録DVD-ROMには一部のフリーソフトを収録したため,それに関する表記がありますが,ご容赦ください。また,「お役立ちフリーソフト一覧」でもフリーソフトを紹介しています。
※ 記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります。

C/C++は広く使われ,学習する価値が高いプログラミング言語です。ここでは,Borland Software(CodeGear)の「Turbo C++ Explorer(C++ Builder)」を用いて説明します。C言語に触れたことがないなら,これを機会に一度挑戦してみませんか?

 Turbo C++ Explorerはよくできた開発ツールです。C言語の教科書に掲載されているプログラムを動かして試すことができ,C言語の入門にうってつけです。役に立つWindowsアプリケーション(ここではウィンドウをマウスなどで操作できるアプリケーションのことをそう呼ぶことにします)を,さくさくっと作ることもできます。Windows上で使うC/C++の開発環境としてはMicrosoftの「Visual C++」が一番人気ですが*1,Borland Softwareの「Turbo C++ Explorer(C++ Builder)」も,Visual C++に劣らぬ生産性の高さを持っています。

 インストールから始めましょう。「TCPP_EXPL_JP_DL.exe」を一度起動してみてください(2009年2月6日追記:「Turbo C++ Explorer(TCPP_EXPL_JP_DL.exe)は,こちらからダウンロードできます)。最初に,インストールの前に必要な作業を説明する画面が出てきます。「使用許諾ファイルを取得」というリンクをクリックして,電子メール・アドレスなどの情報を入力し,使用許諾ファイル(reg740.txt)を電子メールで受け取って,指示にしたがって適切なフォルダに保存してください。

 先ほどの画面には,Turbo C++ Explorerをインストールする前にインストールしておくべきソフトウエアの一覧が表示されます。

 Turbo C++ Explorerのインストールが終わったら,スタートメニューから「プログラム」→「Borland Developer Studio 2006」→「Turbo C++」を起動しましょう。うまく起動できなかった場合は,使用許諾ファイルを適切に保存したか,パスの設定が適切になされているかなどを確認するとよいでしょう*2。コマンドプロンプトでの動作も確認しましょう。図1のように「bcc32」と入力して,Borland C++コンパイラのメッセージが出てくればOKです。

図1●Windowsのコマンドプロンプトで,Borland C++コンパイラが動作するかどうかを試す
図1●Windowsのコマンドプロンプトで,Borland C++コンパイラが動作するかどうかを試す

コマンドプロンプトでCプログラムをコンパイル

 C言語でプログラミングをするのが初めてならば,最初に「hello, world」と呼ばれるサンプル・プログラムを書いて動かしてみるのがよいでしょう。hello, worldは「プログラミング言語C」(Brian W. Kernighan,Dennis M. Ritchie著,共立出版発行)という書籍に最初に出てくるCプログラムです。ここでは,図2のように,メッセージを「こんにちは!」に変更して記述してみました*3。C:¥tempフォルダにhello.cというファイル名で保存し,コマンドプロンプトで図3のように操作すると,hello.cをコンパイルして実行できます。C言語の学習に使える環境ができました。

図2●テキスト・エディタでCプログラム「hello.c」を書いたところ。ここでは「サクラエディタ」を利用した
図2●テキスト・エディタでCプログラム「hello.c」を書いたところ。ここでは「サクラエディタ」を利用した
図3●hello.cをコンパイルして実行する様子
図3●hello.cをコンパイルして実行する様子
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