米Orb Networksは2007年6月25日、自宅のパソコンに保存してある動画をインターネット経由で視聴可能にする無料の動画中継サービス「Orb(オーブ)」の日本語版を開始した。
同社が配布する専用ソフト(Windows XP/Vista用)を自宅パソコンにインストールすると、同ソフトとOrbのサーバーが自動的にデータをやり取りする。ユーザーが外出先からWebブラウザーでOrbのWebサイトにログインし、Orb経由で自宅パソコンの動画を視聴する仕組みだ。あらかじめ自宅パソコンで指定したフォルダー内のファイルのみが視聴対象となる。
OrbへのログインにはIDとパスワードが必要なため、それを知らない他人の動画は見られない。これによって著作権の侵害につながりかねない不特定多数への動画配信を防止する。Orbのユーザー同士で動画を共有する機能もあるが、自分の動画を視聴できるのはあらかじめ許可(招待)を与えたユーザーに限られる。
動画を視聴する際は、OSやWebブラウザーの種類を問わない。ログインすると、パソコンに保存した動画ファイルの名前をリストアップした自分専用のWebページが現れる。Ajaxを活用したページで、視聴したいファイルを選択すると、Windows Media Playerなどが起動し再生が始まる。公開するフォルダーを個別に指定することで、動画に限らず、静止画や音楽ファイル、文書ファイルを中継することも可能だ。
自宅パソコンに接続してある映像ソースをリアルタイム中継する機能も備えている。例えば自宅パソコンがテレビチューナーを内蔵していれば、放送中のテレビ番組をリアルタイムに見ることも可能。テレビ放送のネット中継は従来、ソニーの「ロケーションフリー」などの機器を購入しないと実現できなかったが、Orbならソフトウエアだけで構築できる。また、自宅パソコンにWebカメラを取り付ければ、Webカメラが映し出す動画の中継も可能。防犯などの用途にも役立てられる。
Webブラウザーの種類を自動的に判別し、適切な表示モードに切り替わる仕組みもある。Windows Mobileに対応したスマートフォンや、Wii、プレイステーション3といったゲーム機が搭載するWebブラウザーにも対応しており、スマートフォンからアクセスすると「モバイルモード」、ゲーム機からアクセスした場合は「ホームシアターモード」となる。移動中の電車の中でテレビ番組を見たり、リビングでパソコン動画を楽しんだりできる。