俳優の中尾彬さんがお亡くなりになった。最後にテレビで中尾さんを見たのは昨年(2023年6月)『水曜日のダウンタウン』(TBS系列)に出演した時以来か。「昭和はむちゃくちゃだった系の映像、全部ウソでもZ世代は気づかない説」で中尾さんが放った「ドーベルマン体罰」は最高だった。80歳で意図的にあんな大嘘がつけるのはさすがのキャリアだった。”昭和のむちゃくちゃな風習”を令和の若者に信じ込ませるとしたらどんなふうに話せばいいか。中尾さんらの大嘘を脚色してみようと思う。
「電車の乗車率は最大700%だった」
(車内に収まりきれなかった乗客が電車の屋根に乗って通勤している加工映像が流れる)
昭和A:ああ~、あったね~。
令和:ホンマに見たことない映像すぎて、ドッキリじゃないかっていま、スゴい思ってるんですけど……
昭和A:本当はダメなんですよ。でもああしないと乗れないし、女性や子供は車内、成人男性は屋根、みたいな感じでみんなやってたね。
昭和B:人口も多かったですからね、当時。今は少子化ですけど、10人家族とかザラでしたからね。
昭和C:高度経済成長で政府もサラリーマンの通勤については目をつぶってたところもあったしね。
令和:でもあぶなくないですか?
昭和A:だからなくなったのよ。昔、線路に犬が入って電車が緊急停止したら1000人くらい屋根から落ちちゃって、500人くらい死んだかな?
令和:え~
昭和A:ニュースも新聞もその事故一色だったもんね。あれでさすがに問題視されたみたい。
昭和B:インドではまだ電車の屋根乗ってるよね。
令和:それは「衝撃映像」みたいので観たことありますけど。
昭和B:あれは日本で昔使ってた車両を輸出してるのよ。で、インド人が「屋根に乗っても大丈夫な車両」って勘違いして今もああやってるんだって。
令和:・・・
中尾:日大の相撲部が、裸でホームに立ってんだよ。(乗客を車内に押し込むのは)稽古になるんだよ。突っ張りの。わかる?
令和:意味はわかるんですけど、ちょっと腑に落ちないですね
昭和A:まあ、『押し屋』っていうバイトがあるんですよ。東京の大学の相撲部とか柔道部とかが先輩の紹介でやるんですけど、朝と夕方のラッシュ時、それぞれ2時間ずつで、1日1万円くらいもらえるんです。
令和:え~、めっちゃいいじゃないですか。
昭和A:山手線とか中央線の各駅に配置されるんで、当時の大学生にとって割のいいバイトだったみたいね。
「校則違反した生徒は屋上から吊されていた」
(校舎に宙づりされている映像)
令和:やばいやばい。ホンマに吊るされてる。
昭和B:僕は大阪の不良で有名な学校だったんで、8人くらいぶら下がってましたね。
昭和C:荒れた学校はロープが足りないのよ。ロープ、生徒、ロープ、生徒、みたいに。分かる?干し柿みたいな
令和:(物理的に無理やろ・・・)
中尾:学校の校庭が400メートルでしょ。そうすっとね、校則破るとね、200メートルのところに俺が立つわけ。そうするとあと200メートルしかないわけじゃん。あとスタート台からはドーベルマン。ダーッと追っかけてくる。
令和:ドーベルマン?どっから連れてくるんや・・・
昭和A:あの~、警察から訓練士さんが連れてくるんですよ。
令和:ああ~
昭和A:学校が警察に連絡して「警察犬の訓練できますよ」って。警察にとっては訓練になるしね。
令和:いや~あぶないっしょ
昭和A:だから不良もこれだけはやりたくないわけよ。マジで噛まれるからね。訓練士さんが「やめ!」って言うまで。
令和:それまで噛まれっぱなし?
昭和A:そんで最後は不良の親がマスコミにクレーム入れてね、それでなくなった。
令和:ホントに信じられへん。ホンマの話なんですか?
「大きな建造物を建てる際には生け贄(いけにえ)が捧げられていた」
令和:絶体嘘や。うちらのことからかってません?
昭和B:いや~、これがね~、本当なのよ。
令和:生け贄って、なんですか?
昭和C:人よ人!
令和:人??
昭和B:なんかビルとか学校の入り口の横に『定礎』って書かれた石ありません?
令和:あ~、あったような。
昭和B:あの下にいます。
令和:!!!
昭和A:もともとは古代メソポタミア文明からの風習で、エジプトのピラミッドとかでも奴隷が生け贄として捧げられてたのよ。
令和:いや、その時代ならまだしも・・・
昭和A:日本でも公にはされないけどお城の建設の時とか敵兵が生き埋めにされてたらしいのよ
令和:・・・
昭和A:で、その習慣はなくなったと思ってたんだけど昭和初期までは続いていたらしいのよ。なんか国会議事堂とか東京タワーの建設時に作業員が何人か行方不明になってるって、当時の週刊誌とかでも話題になってて、なんか都市伝説みたいなので噂になってたんだよ。
令和:学校の怪談も、そういうところから生まれたんですかね?
昭和A:(ニヤッ)あ、うん、そうかも。