コーディングAI課金するならCodyが断トツ良い話
概要
開発者向けの AI ツールは数多くありますが、その中で「Cody」は 無名ながらも知る人ぞ知る優れたプロダクトです。私が普段いるAI技術者コミュニティでは密かに絶大な支持を集めていますが、SNSなどでの一般的な知名度はほとんどないため、ここで紹介します。
Cody は無料プランが圧倒的に強い他、課金プランも、GitHub Copilot、Cursor、ChatGPT と比較して使いやすさと機能性で大きく抜きん出ています。私はすでに半年課金愛用していて、おそらく来年も愛用するでしょう。
Cody とはなんぞや
Cody くんは、VSCode や、JetBrains IDEs、Neovim、Eclipseなどのコードエディタの拡張機能として使えるコーディング補助 AI ツールです。
他の生成 AI コードツールと同様に、AI コード補完とAIチャットがあります。
なぜ Cody がおススメなのか
Cody をおすすめする理由は、3 つです!
- 抜群の機能性
- ありえんコスパ
- オープンソース
一般的な コーディング補助AIとの違いを含めてまとめていきます。
💡 抜群の機能性
インストールが簡単
Cody は、普段使っているコードエディタに拡張機能をインストールするだけで導入が完了します。ブラウザを別途開いて何度もコピペしたり、Cursorのように新しいエディタを導入したりする必要はありません。Cody用の設定ファイルを新しく用意する必要もありません。
チャット機能
コードエディタ内に作成されたチャット欄で、AI とチャットできます。Cody の独自機能である @-mentionは非常に便利で、ローカルのソースコードやファイルを簡単にチャットに挿入できます。複数ファイルや選択した行だけを挿入することも可能です。またリポジトリ1つ丸ごと入れることも可能です。
また Web URL から直接データを取得することもできます。HTML 形式で読める論文であれば、 @-mension をつかって URL をそのまま入れることもできます。
PDF 形式の論文の場合は、別のサービスですが jina.ai も合わせて利用すると便利です。 このjina.aiは、https://r.jina.ai/https://example.com のように、もともとPDFがあったURLの前に追加でURL書き加えるだけで、LLM に読みこませやすい文字列を返すページを返します。何度も読み込ませる場合は一回txtファイルとして保存するのがおすすめです。jina.aiはそこまで数式が得意ではないので、数学的な精密性を求める場合は、どうにかしてTeXソースを取得しましょう。
チャット形式なので、プロンプトの自由度は非常に高く、ChatGPTにできることはほぼなんでもできます。独自のプロンプトを作成・登録することで、コードや論文について解説させたり、リファクタリングさせたり、コードからコメントを書かせたり、テストコードを書かせたり、コードの整合性を確認させたりなど、いろいろなタスクをこなすことができます。
モデルの選択肢も非常に多く、Anthoropic、Google 、OpenAI から、ローカルの Ollama 問わず、どのモデルでも使えます。
また Deep Cody モデルという独自の複合モデルを用いると、必要そうなファイルを自動で読み取ってもらうことができます。
モデルを簡単に切り替えることができるので、それぞれの長所が活きる場面で使いやすいです。例えば、長い論文や複数のコードを、まとめて要約させてコードを書かせるするようなロングコンテキストなタスクには、特に長文に強く要約が得意な Gemini を使うのがおすすめです。
また、cursorと同様にチャットで出力されたコードを元のファイルに差分適用したり、ターミナルでコマンドを実行したりすることもできます。
関数の検索
エディタ拡張機能ではありませんが、ブラウザ版Cody を使うと、いくつか公開リポジトリを指定して読み込ませた上で、コードを書かせられます。初めて使うライブラリで、どう書けばいいか分からないという場合、非常に便利です。
コード補完
コード補完機能の精度が非常に高いと感じます。コメントに合わせて適切に補完してくれるのはもちろん、書きたいことをどんどん書いていってくれる感覚です。json の翻訳時にタブ押していけばずっと進んで行くので地味に助かります。内部的にはdeepseekを使っています。
クイックフィクス 機能
静的解析で発見されたエラーは、クイックフィックス機能でワンクリックで修正できます。ただし、必ずしも問題を解決できるわけではないため、解決できない場合はチャット機能を利用しましょう。
オフラインで使える
拡張機能版 Cody はオフラインでも利用できます。ネットがつながらない環境やセキュリティが重視される環境でも GPU さえあれば、開発が可能です。
💰 圧倒的コスパ
そして、大切なこと。Cody は Cursor より断然安いです。
無料プラン
Cody には、最強の無料枠があります。まず、コード補完は無料枠で毎月無制限に使えます。
そして毎月 200 チャットまで無料で、以下のモデルとチャットできます。
- Claude 3.5 Sonnet
- Gemini Pro and Flash
- Mixtral
正直趣味でのプログラミングなら、月 200 回で十分だと思います。
また、チャット用や補完用に、ローカルの Ollama に接続することができて、そちらは無制限に使えることができます。
また、OpenAI や、Anthoropic、Google の API キーを持ち込むこともできます。
どう考えても赤字ですし、広告もないので、なぜ無料なのかはよくわかりません。
Pro プラン
月額 9 ドルの pro プランだと、コード補完無制限に加えて、チャットも無制限です。
- Deep Cody
- Claude 3.5 Sonnet
- Claude 3 Opus
- GPT-4o
- GPT o1 preview
- GPT o1 mini
- Gemini 1.5 Pro
- Gemini 2.0 Flash
- Mixtral
Deep Cody は、レポジトリ内から、読み取るべきファイルを20個弱ほど、自動で選択してくれる超便利なモデルです。なぜ月額9ドルで、高価なo1やOpusなどのモデル含めて使い放題になるのかは、よくわかりません。赤字だと思います。
Pro Plan に入ると、エンジニアならほとんどの用途で、Cody で済んでしまうので、ChatGPT を解約できます。
🐈 オープンソース
そしてさらに特筆すべきはそのオープンさです。Cody は現在も活発に開発されていて、Apache2 ライセンスでソースコードが公開されています。びっくり。
まとめ
運営元の Sourcegraph は安定した会社とは言え、Cody がお得すぎて、すぐサービスが終わらないか心配でした。半年見守っていましたが、変わらず 9 ドルで利用できており、Cody がサ終すると困るというくらい頼っている日々です。ぜひ皆さんも Cody を試してみてください。
この記事は、AI声づくり技術研究会 アドベントカレンダー2024で作成しました。
AIに興味ある技術者にとって大変いい場所なので、ぜひ遊びに来てください✋では!
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