安倍晴明(あべのせいめい)などで知られる陰陽道で北東の方向は、鬼が出入りする「鬼門」とされ、万事に忌むべき方角と言われている。陰陽道の考え方にそって造営された中国の長安を元とする平安京など、今も京都には鬼門避けのために北東の角をふさいだ建物がいろいろと存在する。そんな京都の街を検証してみたい。 背後に山、前に水がある配置を 元々、古代の中国では、北東と南西に巨大な敵がいたとされることから、北東が鬼門、そして南西が裏鬼門と呼ばれるようになったとされている。そのことから風水でも、鬼門や裏鬼門に位置する北東や南西に、玄関やトイレなどの水まわりに関するものを設けるとその家では悪いことが起きるとされている。 そもそも1200年以上前に京都に都が設けられることになったのも、風水では背後に山があって、前に海や川といった水がある地がふさわしいという教えに基づいているからだったという。その京都では、個々の建
