【閲覧注意】大自然の中に肉の塊!? スイスの山に現れたシュールなアート
風光明媚(めいび)なスイスの山の中に、肉の塊っぽい何かが……ちょっとグロくて風変わりな作品を作るアーティストにそのわけを聞いてみました。
以前に衝撃的な「肉テント」を制作して話題になったロンドンのアーティスト、Andrea Hasler(アンドレア・ハスラー)さん。彼女が2014年の夏、スイスのVerbier(フェルビア)の山頂に新しい作品を制作しました。新作もかなりのインパクトです
大自然の中にちょこんと置かれた塊肉のような作品は「Perishable Goods(腐敗するもの)」というタイトル。木、ロウ、合成樹脂でできており、2年間にわたって展示される間に、肉みたいな色をしたロウの表面が日に当たって少しずつ溶け出し、金具のチェーンはさびるようになっています。「腐敗する」という自然のイメージが反映されています。
この作品は、スキーリゾートとしてヨーロッパで人気のあるフェルビアが、冬の間だけリゾートに押しかける人たちでいっぱいになることがテーマになっているのだとか。圧縮された肉のかたまりが膨れ上がっているのは、人々が密集している様子を表しています。金のチェーンはラグジュアリーな観光客を表しています。圧縮した肉には、災害地域での緊急災害用食糧への切望と(ぜいたくなリゾート地と)の対比も込められています。
もう1つの作品は、不思議なレッドカーペットと肉の作品「Avant/Apre’s(前/後)」です。レッドカーペットを歩いた先には、肉のロープが待っています。この作品では、レッドカーペットを歩くような、違った人間になりたいという人の欲望を表しています。しかし、そのようなセレブであっても、肉体的には私たちと同じということを、肉の造形によって強調しています。
題名の「前/後」とは、スキーの後に行われるパーティ「アフタースキー」という意味が込められており、フェルビアの冬のリゾートの活動を指しています。「Avant/Apre’s」には、映像作品もあります。
アンドレアさんはこれまでにも肉塊っぽい作品を制作しており、今回の新作は、2013年に米ロサンゼルスのガスフォード・ギャラリーで展示された「Burdens of Excess(過多な重荷)」の続きとして作られています。「Burdens of Excess」では、ラグジュアリーとは何かを追求。人間の臓器のような造形の靴やバッグがガラスで密閉された箱に置かれ、シックで黒い壁、ぴかぴか光る床で囲まれています。まるでラグジュアリーなブティックのアイテムのように肉の造形を展示していたのです。
肉の塊を高級ブランド品のようにした作品は、ラグジュアリーなアイテムへの欲望と、美容整形や脂肪吸引といった美への欲望の暗い側面を表しています。なぜこのような奇怪な作品を作るようになったのか、聞いてみました。
アンドレアさんは、故郷のスイスからロンドンに出てきて、ブランドのブティックに靴1足を買うために行列する人々を見かけるようになりました。そこからラグジュアリーなアイテムの魅力へのぬぐいがたい強迫観念があることに気づいたそうです。高級ブランドやステータスへの熱狂に対する疑問が彼女の中に生まれました。
そしてある日、「腕にはロレックスではなくて、ダイヤモンドで飾られた腎臓のほうがいいのではないか」と思ったのだとか。そして今日まで金の飾りのついた肉の造形を作るようになったのです。
「ハリウッドセレブのような人たちは、ウケるためにはラグジュアリーな『種族』に属さなければならないと思っている。そのために高級なブランドバッグを持ったり、美容整形をしたりする。私たちが選ぶブランドは、私たちが属したい『種族』を表すものになっている」とアンドレアさんは語っています。
肉を主題に作品を作ることについては、作品を見る人々が「キモい」と思いながらも、触ってみたいような気になって仕方がない気持ちになるのが、うれしいのだそうです。「見る人には何かを感じたり、考えたりして、反応してほしい。自分と他者とを隔てている物理的な要素としての肌、その境界を破ったらどうなるか、見てほしい」と言います。
日本ではまだ展覧会を開いていないアンドレアさんですが、「Burdens of Excess」シリーズは、日本でも人気が出るのではないかと思っているのだとか。高級ファッションブランドの要素があるため、ストリートファッションに世界的な影響力を持つ日本で理解されると思っていると話しています。
アンドレアさんの次回の展覧会は、2014年10月にスウェーデン、ストックホルムのボン・ギャラリーでの個展となります。現在、「luxury-milk/breast machine」という作品を制作中です。
Image Credit: Andrea Hasler
(海原ゆりえ)
関連記事
【閲覧注意】海外のアーティストが作った“肉テント”が衝撃的 中に腸のような造形がいっぱい
恐ろしいビジュアル……作品にはいったいどんなメッセージが?美術館の中に河原を再現 デンマークのアート作品がすごい
人工的な壁との対比が不思議。バッグから大量の髪の毛がワサー 前衛的なデザインのバッグがホラーすぎると話題に
呪いかな?ありのままの姿のパワーショベル3台で「アナと雪の女王」を踊ってみたらすごくシュールな映像になった
すごい技術なのに伝わりづらい。なぜ再現した:バレエで寿司を表現した「ザ・ヒューマン・スシ」動画が前衛的すぎる
バレエである必要があるのかというツッコミはNG。無茶しやがって……!:ダリやムンクも実写化 名画を写真で再現するプロジェクトが面白い
有名な芸術作品を写真で再現する「Remake」プロジェクトでは、サルバドール・ダリなどシュールな絵も強引に実写化しています。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
コストコで人気「ヨーグルト」に大腸菌群陽性の可能性…… メーカーなど謝罪「深くお詫び」 5万8000個自主回収
「行かねば!!!!!」 マクドナルド、次回ハッピーセットを“におわせ”…… “最恐”のコラボに「まじかーーー!」「これはたのしみ」
鮮魚店で売れ残ったタコ、自宅に連れ帰ると産卵して天国へ→母タコの代わりに卵をお世話したら…… とんでもない瞬間に「泣けました」
コロコロよりも楽? 床に落ちた髪の毛 → ノンストレスで掃除できる“まさかの裏技”が「素晴らしすぎ」「神!!」
和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
「キスの会しよう」 華原朋美、高級接待した記者に“関係迫られる”トラブル 激怒の相手に5歳息子も怯え「あの人頭おかしいよ!」「ママやばい」
「助けて。息子がこれで幼稚園に行くってきかない」→まさかのアイテムに母困惑 「行かせましょう!」「控えめに言って最高」と反響
「3度見くらいした」 ハードオフに100円で売られていた“とんでもない掘り出し物”に仰天 「ガチでヤバい」
- 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
- コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
- 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
- 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ〜!!」
- “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
- 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
- 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
- サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
- ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
- 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
- ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
- 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
- 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議