お金の貯まる人、貯まらない人の違いはどこにあるのか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんは「節約してお金を貯めようとする人がハマる落とし穴がある。まずは5つの思い込みを捨てることが大切だ」という――。
お金が逃げていく5つの「思い込み」
2025年はご存じ巳年だ。巳=ヘビは、金運アップのご利益がある縁起のいい生き物と言われている。年収103万円の壁の引き上げや賃上げ期待が高まり、今年こそ金運が上向くのではと期待したいところだが、それを台無しにしてしまうような思い込みにはくれぐれも注意したい。
正解だと思えても、時と場合によってはそれにこだわるあまり逆効果を招くこともあるからだ。次から述べる5つを聞いて「その通り」と頷く人は、ひょっとすると金運を逃しているかもしれない。
1 「貯蓄よりも投資だ」
2024年の日経平均は3月に終値で初の4万円台をつけ、7月には4万2224円まで上昇した。「お金を増やすなら、やっぱり貯蓄より投資だ」と前のめりになった人も多いだろう。新NISAがスタートした年でもあり、日本中でだれもかれもが「NISAはやったほうがいい?」と囁き合った。筆者も80歳半ばで投資未経験のシニアの方にもそう聞かれた。いや、そんなことはない。投資すべきかどうかは、人それぞれだ。
まず、全く貯蓄がない人が、NISA積み立てなどに資金を集中するのはやめたほうがいい。特に、若年層ではクレジットカード決済で積み立てしている人も多く、ポイントのためにと背伸びした金額を積み立てに回しがちだ。そんな状態で、急な引っ越しなどまとまったお金が必要になると、使える貯金がない。